通信規格・5G(第5世代移動通信システム)は、2021年頃から一気に身近な存在となってきた。リリースされるスマートフォンもそのほとんどが5G対応となり、キャリア各社も5G基地局の整備に注力している。そんな中、ソフトバンクの5G網が大台を突破したことが発表された。
今回は、今後日本の5G普及を牽引する存在となりそうなソフトバンクについてお伝えしていきたい。
ソフトバンク、5G人口カバー率90%突破を達成!
ソフトバンクは4月7日、プレスリリースを発表。自社の基地局整備を進め、2022年3月末の時点で5Gの人口カバー率が90%を突破したことを明らかにした。
その要因としてソフトバンクは「5Gの基地局を開設する際に、独自開発したシステムを活用することで、基地局の各種設定や通信試験、電波発射準備などのインテグレーション業務を自動化・効率化し、工数を削減」できたと解説。
国の掲げる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、大きく貢献できている様子をアピールした。
国としても5Gエリアの拡大は重要な目標であり、3月29日には総務省が「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を公表し、2023年度末までに全国の5Gの人口カバー率を95%に到達させる目標も発表している。
キャリア各社ともその目標達成に向けて基地局整備により重点を置かなければならないのだが、ソフトバンクは4キャリアの中で最も進んでいると言えそうだ。
ソフトバンクの大台到達で他キャリアの整備にも火がつくか?
「人口カバー率90%」がどの程度のものなのか。
ソフトバンクの公式ページでサービスエリアマップを見てみると、虫食い状に未整備のエリアも残るが、都内はかなりの範囲が5G対応エリアになっていることがわかる(図は2022年2月末時点のもの)。
とくに東京駅や新宿駅、池袋駅に秋葉原駅といった山手線の主要駅を中心としたエリアでは、「SoftBank 5G<28GHz>」「SoftBank 5G<3.7GHz>」といった、高速大容量通信が可能なエリアが広がっている。
まだ「5G表示ですが、通信速度はSoftBank 4GまたはSoftBank 4G LTE同等になります」という注意書きの入る「SoftBank 5G<700MHz 1.7GHz 3.4GHz>」のエリアがメインとなってはいるものの、都内在住または働いている人であれば、高速大容量通信の恩恵に預かれる機会も、かなり増えてくることになりそうだ。
ソフトバンクがこれだけの数字を残しているとなれば、ライバルであるドコモ・au・楽天モバイルも、これから5Gエリアの拡大を加速させていく必要性に迫られるはずだ。
全キャリアで5Gエリアが広がってくれたら、ユーザーとしても5Gの高速大容量通信が利用できてうれしいことに違いはない。
今後の展開に期待したい。
●5Gの人口カバー率が90%を突破【ソフトバンク株式会社】
※サムネイル画像は(Image:「ソフトバンク株式会社」公式サイトより引用)