今年秋にも発売されるといわれている「iPhone 14(仮称)」シリーズ。もちろんユーザーからは、新たな進化を期待されている新機種だが、どうやらデータ通信の規格が進化することになりそうだ。これまでと同じLightningケーブルが採用されるとみられているものの、その通信速度がこれまでのUSB 2.0相当からUSB 3.0相当に高速化し、これまでデータ転送にかかっていた時間が約半分になることが見込まれるのだという。
iPhone14でLightningケーブルが変わりそう
アップルが、2022年秋に発売がうわさされているiPhone 14シリーズのLightning端子の通信速度を、これまでのUSB 2.0相当からUSB 3.0相当に高速化しようと、開発に取り組んでいることをアメリカメディアのiDrop Newsが報じた。
Lightning端子といえば、iPhoneやiPadなどのアップル製品の充電・データ通信の際などに使われるアップル独自のコネクタだ。使い勝手にこそ大きな不満はないものの、これまで「USB-Cなどに統一できないのか?」という声はたびたび聞かれてきた。というのも、Lightningケーブルはアップルの承認なしに、他社が製造することが難しいため、価格が高くなりやすい。
アップルはサードパーティーによる互換アクセサリーを出しにくい仕組みをつくることで利益を得ているのだが、消費者にとっては購入先の選択肢を奪われている状況と言えるからだ。また、USB-Cを使うパソコンなど他の機器とケーブルを共有することができず、身の回りがごちゃついてしまうのも地味なデメリットだ。
互換性がなく値段も高いLightningケーブルだが、アップル製品を利用するならまだまだ縁は切れない……と思わせられるのが今回のニュースだ。
USB 3.0相当なら通信速度は倍以上になる見込み
開発が報じられているiPhone 14シリーズにおけるLightning端子の通信速度。USB 2.0相当からUSB 3.0相当に高速化するというが、実際どのくらい変わるのだろうか。
1秒あたりに転送できるビット数の単位(bps)で比べると、USB2.0の規格値が480Mbpsであるのに対し、USB 3.0は5Gbps(5,000Mbps)。数値で比較すると、約10倍の速度でデータを送ることが可能になるとされている。しかし、これはあくまでも理論上の数値で、実際の速度は2~3倍程度だともいわれている。それでも、データ転送がこれまでの半分で終わるのであれば飛躍的なスピードアップと言っても過言ではないだろう。
しかし残念なのは、現段階では「iPhone 14 Pro(仮称)」と「iPhone 14 Pro Max(仮称)」に実装する予定だ、という発言に留まっている点だ。このニュースを報じたiDrop Newsは現状で「iPhone 14」「iPhone 14 Max(仮称)」に実装されるという情報を確認できていないとして、「誤った希望を与えたくありません」と、言及を避けたのだった。
アップル自身も宣伝するように、少し前なら大層な機器を使わなければできなかった映像や音楽といったクリエイティブな画像や映像が、今やiPhoneやiPadさえあれば自由自在に作り出すことができる。しかしProRes動画など扱うファイルサイズの巨大化に、これまでLightningケーブルが追いついていなかった。今回の開発は、その不便さを解消してくれることになりそうだ。
USB-Cなど他の端子と統一される気配がないのは残念だが、2024年に発売が見込まれる「iPhone 16仮称」シリーズでは、外部接続端子を廃止したポートレスモデルが導入されるともいわれている。あと数年、Lightning端子でもうけておきたいと考えるアップルの気持ちは分からなくもない。
引用元:【iDrop News】
※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com)