昨今はスマートフォンの機種代の値上がりが止まらない。高価な新品を避けて中古で購入するユーザーが増えているのか、中古スマホの販売台数は年を追うごとに増え、2021年度は初の200万台突破が予想されている。
中古スマホの取引数ランキングを見ると、入れ替わりの激しいAndroidスマホに比べて、iPhone、iPadのアップル社製品は根強い人気の機種が多い。不動のランキング上位はどの機種なのか、そのなかでの入れ替わりはあったのだろうか。詳しく見てみよう。
早くもiPhone 12がランク入り、ここにも新型コロナウイルスの影響が
4月26日、株式会社マーケットエンタープライズが運営するウェブメディア「iPhone 格安SIM 通信」は「2022年1月〜3月中古スマホ取引数ランキング」を発表した。
iPhoneのランキングでは、「iPhone 8」が上位ベスト3を独占。また8位から10位を「iPhone 7」が占めた。これらの2機種は指紋認証「Touch ID」を愛用しているユーザーに人気が高い。まだまだ現役で使えるスペックを備えているうえ、価格もiPhone 7が10,000円前後、iPhone 8が15,000円前後と安く購入できることが理由のようだ。ランクインしたiPhone 8のストレージ容量はすべて最少の64GBとなっており、価格を重視する中古市場ならではの事情もあると考えられる。
また、今回の調査では新たに「iPhone 12」が4位と7位にランク入りを果たした。iOSのアップデートにより、マスク着用時でも顔認証「Face ID」が使用可能になったが、対応しているのはiPhone 12以降のみ。長引く新型コロナウイルス流行により、マスク着用が当たり前になった今、Face IDを活用したいならiPhone 12以降がマストとなっていることも、ランクインした理由のひとつかもしれない。
iPadの中古市場の1位は変わらずiPad Air2、家で「もう1台」需要か
iPadのランキングでは前回の調査と変わらず「iPad Air2」が1位だった。次いで2位「iPad(第5世代)」や3位「iPad(第6世代)」が順位を上げてきてはいるものの、1位をひっくり返すほどではなかった。画面サイズが大きいiPad Airは家で使いやすいと人気が継続していることもあり、ここにも新型コロナウイルスの影響があると考えられる。在宅の時間が増え、家族で取り合いにならないように、なるべく安い価格でもう1台欲しいという需要がある。それを中古市場が受け止めたとも考えられる。
2022年3月に「iPad Air5」が発売されたことで、今後もiPadの買い替え需要が高まると予想されている。しかし、中古市場では新型iPadが登場しただけでは特定の機種の取引数の増加につながるとは考えづらく、影響は限定的になるかもしれない。
3月にはiPad Air5と同時に「iPhone SE(第3世代)」も発表・発売され、iPhoneも買い替えの動きが高まっている。iPhone SE(第3世代)にも根強い人気を誇るTouch IDが採用されたことも、今後の中古市場に盈虚を及ぼしそうだ。
型は古いが根強い人気モデルか、家電量販店で投げ売りされていた少し前のモデルかの選択肢は、iOSアップデートとiPhone SE(第3世代)発売により変わるのだろうか。今後の中古iPhoneの動向に注目したい。
出典元:2022年1~3月中古スマホ取引数ランキング【iPhone 格安SIM 通信】
※サムネイル画像(Image:Roman Zakirov / Shutterstock.com)