米国の経済制裁によってGoogleとの取引が中止された中国のスマホメーカーHUAWEI(ファーウェイ)。これをうけて、2019年5月22日にはドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリア3社がHUAWEIの最新モデル「P30」シリーズの予約販売を一斉に延期すると発表した。今後、HUAWEIのスマホでは本当にGoogle関連のアプリが使用できなくなるのか? 今後HUAWEIのスマホを買っていいのか? ここでは、急速に過熱してきたHUAWEI問題を解説しよう。
HUAWEIスマホでGoogleが使えなくなる可能性は高い!
米国の経済制裁によって、今後、中国のHUAWEI(ファーウェイ)はGoogleと取り引きできないことになった。これによって、2019年5月22日、日本でもドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアが、HUAWEIの最新モデル「P30」シリーズ「HUAWEI P30 Pro」「HUAWEI P30」「HUAWEI P30 lite」などを一斉に販売延期すると発表した。
すでに、オトナライフでもHUAWEIスマホのバックドア問題や5G問題を取り上げてきたが、ここまで急激に米国と中国の貿易戦争が過熱するとは予想していなかった。とはいえ、HUAWEIはGoogleと取り引きできなくなったため、今後販売されるHUAWEIのスマホでは、Googleが提供するGoogle Play、Google MAP、Gmail、YouTubeなどが使用できなくなるのでは? と大騒ぎになっている。
もちろん、すでに販売されているHUAWEIのスマホで直ちにGoogle関係のアプリが使えなくなることはないが、今後はセキュリティアップデートやアプリの追加や更新ができなくなる可能性は十分あり得る。今回の大手キャリアの措置も、HUAWEIの「P30」シリーズについて、そのあたりの状況確認ができるまでは販売しないという、当たり前の措置だったと言えるだろう。
HUAWEIはハードの製造にも赤信号!
中国のHUAWEIは、すでにiPhone(米国アップル)を抜いて、韓国サムスンに次ぐ世界2位のスマホメーカーに成長した。日本でも高性能なカメラや価格の安さなどを背景にシェアの伸ばしており、非常に人気の高いメーカーである。だが、そもそもHUAWEIが利用しているモバイル端末向けOSの「Android」や、Androidスマホの機能を拡張できるアプリを提供する「Google Play」のほか、「Google MAP」「YouTube」「Gmail」は、すべて米国Google社のものだ。
それにもかかわらず、中国国内では「Google MAP」「YouTube」「Gmail」「Twitter」「Facebook」など米国製アプリの使用は禁止されており、米国が今回のような強硬措置に出るのも理解できる部分がある。しかも、英国「Arm(ソフトバンク傘下)」がHUWAEIとの取り引きを停止するというニュースも飛び込んできた。
実は、HUAWEIは独自CPU「Kirin」を製造しているのだが、KirinはArmの技術をベースにしているため、今後はHUAWEIが新規でCPUの開発をすることは困難だと言われているのだ。もちろん、日本のパナソックなどもHUAWEIとの取り引きを停止すると発表しているので、HUAWEIはソフトだけでなくハードの製造も難しくなる可能性も出てきた。今後、中国がどのような対応をするのかわからないが、少なくとも今スマホを買い替えるなら、しばらくはHUAWEI以外のスマホを検討したほうが賢明であろう。
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※2019年5月23日、パナソニックはHUWAEIとの取り引きは通常通り行うとし、取り引き停止の報道を否定した。
(※2019/5/24 記事の一部を訂正いたしました)