【今さら聞けない】スマホの急速充電はどうして早いの?

スマホやタブレットなどのバッテリーを短時間でチャージしたいときに役立つ「急速充電」機能。しかし、アナタは本当に急速充電機能を使いこなせているだろうか? 正しい知識をもっていないと、急速充電可能な端末でも充電速度は遅いままかもしれない……。今回は、意外に知られていないモバイル端末の充電機能の秘密を解き明かしてみよう。

急速充電のポイントはアンペア数!

(Image:Shutterstock.com)

 スマホやタブレットのバッテリーを充電するとき、短時間でバッテリーをチャージできる「急速充電」機能を使えば、通常より早く充電できることはご存じだろう。しかし、スマホが急速充電機能に対応していても、電源周りの機器すべてが対応していないと、急速充電されないことはあまり知られていない。
 まず覚えておきたいのが、USB充電器やモバイルバッテリーの電流量(アンペア[A])だ。このアンペアの数値が高いほど充電量が多くなるため、充電スピードも早くなるのである。つまり、スマホが急速充電対応であっても、0.5~1A対応のモバイルバッテリーやUSB充電器を使っていると0.5A~1Aでしか充電されないのだ。急速充電したいなら、必ず2A~3Aに対応している製品を使う必要がある。
 ちなみに、現在パソコンで使用されているUSB端子は2.0と3.0が混在しているが、規格上パソコンのUSB2.0では「0.5A」、USB3.0でも「0.9A」である。もし、急速充電するならパソコンで充電するのは避けた方がよいだろう。

(Image:Shutterstock.com)

スマホやタブレットが急速充電に対応していても、電源周りの製品の充電性能が不足していては、急速充電は行われない。たとえば、USB2.0は0.5Aだが、USB Type-Cなら3Aの充電にも対応する。つまり6倍も充電量が違うのだ

USBは種類によって充電量が6倍も違う!

(Image:Shutterstock.com)

 スマホの急速充電で意外と見落としがちなのが、USBケーブルとコネクタだ。実は一口に「USB」といっても、種類によって扱える電流量は大きく違う。最近のノートパソコンやスマホでは、端子の形状に表裏がないUSB Type-Cの採用が増えているが、USB Type-Cは規格上3Aまでに対応しているのだ。また、新しく電流量を1.5Aまで拡張した「USBバッテリーチャージ(BC)」という規格も策定されており、多くのAndroid端末で採用されている。つまり、もっとも短時間で充電したいなら、USB Type-Cを使うのがベストということになる。
 なお、iPhoneなどのアップル製品では、見た目は同じでもiPhone 6以降やiPadなどは高い電流量に対応したタイプとなっている。これ以前のACアダプターは急速充電に対応していないので、いつまでも古いACアダプターを使わないようにしよう。

文=すずきあきら/フリーライター

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