NTTドコモのモバイル社会研究所は2022年1月、関東1都6県に住む60~79歳に対して「シニアのタブレット所有率」に関するアンケート調査を実施。709名から回答を得た。
同研究所による過去の調査によれば、シニア世代のスマートフォン所有率が60代で約8割、70代で約6割に達していることが明らかとなっており、令和のシニアはモバイル機器慣れしているようだ。そうしたことから、今回の調査対象となっているタブレット端末も所有率は高そうに思えるが、実際はどうなのだろうか。
シニア世代のタブレット所有率は?
さっそく結果を紹介すると、シニアのタブレット所有率は60代で「23%」、70代は「12%」だった。60代男性では所有率「28%」と最も高く、60代女性では「19%」。60代全体の平均所有率は「23%」となった。そして70代男性は「15%」、70代女性では所有率が最も低くなり「10%」。70代全体では「12%」という結果に。つまり、70代よりも60代の方が所有率は高く、また、同世代同士で比較すると女性よりも男性の方が所有率が高い傾向にあることが明らかとなった。
しかし、スマートフォンと比較すればタブレット端末の所有率はまだまだ低く、スマートフォンを持つプラスアルファの存在としてタブレットが認識されているようだ。
タブレットを持っていると回答した人に対し、スマホとパソコンの両方を所有しているか聞いたところ、「両方所有している」と答えた人は70%と、かなり多いことがわかった。やはり、この質問でも70代よりも60代の所有率が高くなっており、60代男性と60代女性ではともに75%の人がスマホとパソコンの両方を所有していた。
そして、70代男性では64%の人が、70代女性では60%の人がスマホとパソコンの両方を所有していた。この結果からも、所有するならスマホが第一で、その次にタブレットやパソコンという考えの人が多いことがうかがえるだろう。
では、どのような人がタブレットを所有しているのだろうか。ズバリ、子と同居している、あるいは配偶者と二人暮らしの場合に多くなる傾向にあった。子と2世代で同居している人でタブレットの所有率は21%、配偶者のみと同居している人も21%という結果に。一方、孫と3世代で暮らしている人と、一人暮らしの人では、ともに5%と所有率は低く留まった。
筆者は、孫と離れて暮らしている場合に画面の大きいタブレットでテレビ電話をしたいニーズが高くなるのではないかと想像していたため、一人暮らしの人のタブレット所有率が低くなったのは意外だった。タブレットがあればいいな、というニーズがあったとしても、タブレット端末の購入の際、近くにサポートしてくれる家族がいないことがネックとなっているのかもしれない。
調査の結果、思いの外、シニアのタブレット端末所有率は低かった。しかし、画面が大きいため写真が見やすい、メールの文字を読みやすいなど、シニアにとってのメリットは多そうだ。身近なシニア世代にタブレットの魅力を紹介してみれば、喜ばれるかもしれない。
出典元:シニアのタブレット所有率 60代で2割強、70代で1割強―タブレット所有者の7割がスマホ・パソコンも所有している―【モバイル社会研究所】
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