現在、スマホは大きく分けてiOSを搭載する「iPhone」シリーズと、Android OSを採用する「Androidスマホ」の2種類が存在します。とりわけ日本ではiPhone人気が異常に高いのですが、そもそもiPhoneとAndroidは何がどのように違うのでしょうか? そこで今回は、意外と知られていないiPhoneとAndroidの違いを紹介しましょう。果たしてどっちのスマホがいいのでしょうか?
日本ではなぜかiPhoneのほうが大人気!
現在、スマートフォン(スマホ)はApple社のiOSを搭載する「iPhone」と、Google社が提供するAndroid OSを利用した「Androidスマホ」の2つに大別されます。
「statcounter」の調査によると、iPhoneの世界シェアは2022年6月時点でわずか27.2%、それに比べAndroidスマホは72.1%と圧倒的なシェアを誇っています。
でも、なぜか日本ではAndroidスマホのシェアは35.1%しかなく、iPhoneは実に64.56%を占めるという異常現象が起きています。
出典元:statcounter「Mobile Vendor Market Share Worldwide」は→こちら
世界的にAndroidのシェアが高い理由は、iPhoneより低価格で買えることが大きな要因です。発展途上国では10万円以上する高価なiPhoneはそう簡単には買えません。
逆に、日本でいまだにiPhoneの人気が高い理由のひとつには、やはりAppleブランドのiPhoneのほうが何となくスタイリッシュでカッコいいという認識があるからでしょう。
それに加え、日本の大手キャリアにとってはiPhoneが顧客獲得の戦略商品となっており、頻繁に一括0円や1円~10円で型落ちモデルのiPhoneが投げ売りされています。つまり、日本でもっとも安く買えるスマホは、実は型落ちや中古のiPhoneというのが実情なのです。
iPhoneのほうがAndroidより高性能という認識はもう古い!
今から10年ほど前、格安なAndroidスマホの性能は非常に低く、中華製の粗悪品も見受けられました。これに対し、iPhoneは高性能で信頼性が高かったのは事実です。
そのせいで、今でも海外製スマホは“安かろう悪かろう”といった認識がある人も多いのではないでしょうか?
しかし、現在では韓国のSAMSUNG(サムスン)や中国のOPPO(オッポ)、Xiaomi(シャオミ)、台湾のASUS(エイスース)といったメーカーであれば信頼性も非常に高く、安価なエントリーモデルだけでなく、iPhoneに勝るとも劣らない高性能モデルもたくさん販売されています。
実際、カメラやディスプレイなどの性能を比較してみれば、必ずしも“iPhoneのほうが高性能である”とは言えない状況です。
しかも、iPhoneはいまだに外部ストレージ(microSDカード)を利用できない仕様なので、動画や写真、音楽データを大量に保存するために、わざわざ割高な大容量ストレージモデルを購入しているユーザーも多いはずです。
これは、自由に安価なSDカードを追加できるAndroidスマホユーザーから見れば、非常にバカバカしいことです。
iPhoneは洗練されたイメージがあり、10万円を超えるモデルが多くても日本でのシェアが高いのが特徴です。また、クローズドOSのiOSはセキュリティ的にもかなり安全だと言えます。ここでは、iPhoneがAndroidスマホに対して優位である点を具体的に4つ紹介しましょう。
【1】セキュリティはAndroidよりかなり強固
まず、Androidスマホで利用されている「Android OS」はオープンOS(ソースが公開されている)なので、誰でも好きにイジることができます。
その分、サードパーティが自由にアプリを開発できたり、スマホメーカーが独自機能を搭載しやすいのですが、どうしてもセキュリティ的には甘くなってしまいます。
これに対し、iPhoneのOSはApple社が提供する「iOS」で、社外の人間が勝手にOSをイジることはできないクローズドOSであるため、セキュリティ的にはAndroid OSよりもかなり強固だと言われています。
また、iPhoneではAppStoreでのみアプリが提供されるため、ウイルスが含まれるアプリが紛れ込む可能性はAndroidより低めです。
【2】 初めてでも使いやすくiPhoneユーザー同士で利用できる機能が多い
iOSはマニュアルを見なくても直感的に操作できるため、初めてスマホを使う人でも使いやすいのが特徴です。とくにパソコン操作が苦手な、70歳前後の高齢者のスマホデビューにはiPhoneがピッタリです。
ほかに、Wi-Fi&Bluetoothでデータをやり取りできる「AirDrop(エアドロップ)」や、音声&ビデオ通話が可能な「FaceTime(フェイスタイム)」など、iPhoneユーザー同士でできる便利な機能が搭載されているのもiOSの優れた点でしょう。
【3】iPhoneユーザー同士なら操作で分からないことがあってもすぐに聞ける
iPhoneなら新型に機種変更してもインターフェースがさほど大きく変わらないため、ユーザーは以前の機種と同じように扱えるのも便利な部分です。
たとえば、エントリーモデルのiPhone SEはすでに第3世代が登場していますが、2016年に発売された初代(第1世代)から、見た目や操作系がほとんど変わりません。
そのため、使い方などで分からないことがあっても、同じiPhoneユーザー同士であれば気軽に相談できますが、Androidスマホはメーカーや機種ごとに操作性や表示される設定項目が異なるため、同じAndroidユーザー同士でも分からないことがよくあります。
【4】iOSはアップデート対象期間が長い!
iPhoneはスマホ本体もiOSもすべてAppleが自社開発しているため、過去の機種も含めて適切にアップデートのサポートが受けられます。
たとえば、21021年9月にリリースされた「iOS 15」は、2015年9月発売のiPhone6sや2016年3月発売のiPhone SE(第1世代)などもサポートしており、発売から6年経過してもなお、最新iOSのアップデート対象となっています。
これに対し、AndroidスマホではGoogleが最新OSを公表しても、各スマホメーカーが独自にアレンジするため、メーカーごとでアップデートの状況はかなり異なります。
Androidスマホは、2~3年でアップデートが打ち切られる場合もありますので、iOSはAndroid OSに比べるとかなり長くサポートしてもらえると言えるでしょう。
世界的に見れば圧倒的なシェアを誇るAndroidスマホ。ひと昔前までは「Androidなんてダサい」「Androidなんて安かろう悪かろうだ」なんて思っている人も多かったと思いますが、今ではiPhoneより優位な点がたくさんありますので、ここでは5つの特徴を紹介しましょう。
【1】iPhoneにはない独特のスマホが揃っている
AndroidはGoogle社がライセンスフリーで公開しているオープンOSです。そのため、メーカーが自由な発想でスマホを開発することが可能となっているのが大きな特徴です。
たとえば、高性能カメラに特化したスマホや、ディスプレイを2つ折りにできるスマホ、防水・防塵に優れアウトドアに強いスマホなど、自分の趣向にあった機種をたくさんのメーカーや機種から選べるのがメリットです。
【2】iPhoneより安く買える機種が多い
iPhoneとAndroidスマホでもっとも異なる点は価格でしょう。iPhoneはエントリーモデルでも6万円台からですが、Androidスマホはエントリーモデルなら1万円台、ミドルクラスでも3~5万円程度で購入できます。
ミドルクラスといっても、数年前のハイエンド機種並みの高性能スマホなのでコスパは非常に高いと言えます。もちろん、最新機種なら非常にサクサク動作しますし、中国・台湾・韓国メーカーのクオリティや信頼性は以前に比べると格段に上がっています。
【3】最新機能をいち早く試すことができる
iPhoneユーザーは、常にiPhoneが最先端の機能を備えていると考えているかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
Androidスマホでは、最新のテクノロジーを搭載したハイスペックな機種もたくさん発売されています。たとえば、日本のスマホメーカーとしては唯一グローバル展開を続けているソニーの「Xperia 1 IV」は、世界初となる4Kの120Hz HDRディスプレイを備えています。
【4】スマホ決済がスピーディーに行える
iPhoneでApple Pay(アップルペイ)を使って支払うときは、Touch ID(指紋認証)かFace ID(顔認証)による本人認証が必要になります。
しかし、Google Pay(グーグルペイ)なら、支払い前の認証は不要ですのでサクッと決済できちゃいます。これは意外と便利ですよね。
【5】Androidスマホにはテレビを受信できる機種もある
iPhoneシリーズにテレビチューナー(ワンセグやフルセグ)が搭載されている機種はありません。どうしても直接受信したい場合は、別売りチューナーなどを購入しなければなりません。
これに対し、Androidスマホではワンセグ/フルセグチューナーを搭載している機種も多く、スマホでテレビを直接受信することができます。
ただし、2021年以降はテレビチューナーを搭載するモデルは姿を消してしまったので、どうしてもテレビチューナー搭載スマホが欲しい場合は2~3年前の中古を探してみましょう。
まとめ
いかがでしょうか? iPhoneとAndroidスマホの違いが何となくお分かりいただけたと思います。現状では、価格的にも性能的にも決してiPhoneが優位であるとは言えない状況でしょう。
もし、初めてスマホを購入するなら、きっとAndroidスマホのほうがコスパに優れた機種を選びやすいはずです。
とはいえ、iPhoneにはAppleブランドという強みがありますし、いくらAndroidスマホがコスパに優れていても、iPhoneユーザーがいきなりOSの異なるAndroidスマホへ乗り換えることはほとんどないでしょう。
■iPhoneとAndroidスマホの違いまとめ
iPhone | Android | |
OS | iOS | Android(カスタマイズ可) |
OSサポート | 5~6年程度 | 3年程度 |
セキュリティ | 非常に高い | iPhoneに比べるとやや低い |
操作性 | 直感的に使える | メーカーで異なる |
SDカードの追加 | × | △(一部機種は非対応) |
カスタマイズ性 | 少ない | 自由に変更できる |
価格 | 高い | 低価格~高価格まで様々 |
決済時の本人認証 | 必要 | 不要 |
最新技術の採用 | 遅い | 早い |
テレビ | × | △(2年以上前の機種) |
iPhoneとAndroidスマホの違いをまとめてみた。現状ではAndroidスマホのほうが安くて高性能。ストレージも自分でSDカードを追加できるのが大きなメリットとなっている(一部機種は非対応)
※サムネイル画像(Image:Mr.Mikla / Shutterstock.com)