NTTドコモが開始した「5G SA」って何? “真の5G”ってどういう意味?!

ドコモは5G対応料金プラン利用者に対し、2022年8月24日から真の5G通信サービスと言われるSA(スタンドアローン)方式「5G SA」の提供を開始しました。この5G SAは月額550円(税込)のオプションサービスですが、当面はキャンペーンとして無料で提供されます。それにしても、5G SAとはいったい何なのでしょうか? 従来の5Gとはいったい何がどう違うのか、初心者にも分かりやすく解説します。

ドコモの上下ギガ超え「5G SA」が8月24日からサービス開始!

ドコモは2022年8月24日から、下り最大4.9Gbps/上り最大1.1Gbpsの上下ギガ越えSA(スタンドアローン)方式を採用した真の5G通信サービスとなる「5G SA」の提供を開始しました。

利用できるのは、ドコモの5G対応料金プラン「5Gギガホ プレミア」「5Gギガライト」「5Gデータプラス」、「ahamo」「はじめてスマホプラン(5G)」「U15はじめてスマホプラン(5G)」の契約者となっており、ahamoでも利用可能なようです。

また、5G SAの利用には月額550円(税込)のオプションサービスへの申し込みが必要になりますが、当面の間はキャンペーンとして無料で利用できるとのこと。

5G SAが提供される場所も、当初は札幌駅、仙台駅、東京駅、名古屋駅、金沢駅、大阪駅、広島駅、高松駅、博多駅などに限定されます。

さらに、5G SAに対応するスマホは限られており、8月24日時点で利用できるのはAQUOS R7 SH-52Cのみ。8月末以降から利用可能となるのはGalaxy S22 SC-51CおよびGalaxy S22 Ultra SC-52Cで、Xperia 1 IV SO-51Cは9月以降となっています。

なお、最新の現行モデルでも5Gの「ミリ波」に対応するモデルがないiPhoneでは、残念ながら5G SAを利用することはできません。

■ドコモ「5G SA」の詳細

【サービス開始日】2022年8月24日
【理論速度】下り最大4.9Gbps/上り最大1.1Gbps
【料金】月額550円(税込)のオプション
※当面はキャンペーンで無料提供される
【利用可能なプラン】ドコモの5Gプラン5Gギガホ プレミア/5Gギガライト/5Gデータプラス、およびahamo/はじめてスマホプラン(5G)/U15はじめてスマホプラン(5G)
【申し込み方法】全国のドコモショップおよび量販店/ドコモオンラインショップ/ドコモオンライン手続き/ahamoオンライン手続き
【対応SIMカード】Ver.6以降の「ドコモUIMカード」(水色/緑色)かahamo用ドコモUIMカード(青色)
【当初のサービス提供場所】札幌駅/仙台駅/東京駅/名古屋駅/金沢駅/大阪駅/広島駅/高松駅/博多駅や大規模イベント会場など
【利用可能なスマホ】AQUOS R7 SH-52C(8月24日)/Galaxy S22 SC-51C・Galaxy S22 Ultra SC-52C(8月末以降)/Xperia 1 IV SO-51C(9月以降)
※一部機種はアップデートで対応可能

ドコモが今回提供を開始した5G SAでは、下り最大4.9Gbps、上り最大1.1Gbpsという上下ギガ超えを実現していると言いますが、そもそも5G SAとはいったい何なのでしょうか? どうして5G SAが“真の5G”なのか、このあとじっくり解説しましょう。

●ドコモ「スマートフォン対応「5G SA」を提供開始」→こちら

2022年8月23日、ドコモは上下ギガ越えの「5G SA」サービスを、8月24日より提供すると発表した(ドコモ公式サイトより転載)

5G SAの理論値は下り最大4.9Gbps/上り最大1.1Gbpsで、推定実測値は下り441Mbps~833Mbps/上り187Mbps~385Mbps程度になると見られている(画像はドコモ公式サイトより転載)

「5G」とは“第5世代(Generation)の通信規格”という意味で、従来の4G(第4世代)よりも格段に高速で遅延が少なく、多数同時接続が可能な次世代通信規格のことです。

その特徴をざっくり説明すると、従来の「4G」が50Mbps~1Gbps程度の通信速度だったのに対し、5Gでは最大20Gbpsと20倍も速く、データの遅延は1/10に抑えられ、同時接続は10倍になります。

従来の4G(LTE)と5Gでは、5Gのほうが利用する周波数の帯域幅が広いため、より高速で大容量を実現できる(画像はドコモ公式サイトより転載)

具体的に5Gで何ができるのかといえば、超高画質の4K動画配信サービスや自動車の自動運転などができるようになると言われています。「5G」の基本をもっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

しかし、5Gを普及させるには新たな設備を日本全国に設置する必要があります。そこで日本では、とりあえず4G設備を転用することでコストを抑えられる3.7GHz帯や4.5GHz帯の「Sub6」を整備することになりました。これは俗に“なんちゃって5G”などと呼ばれていますが、詳しくはこちらの記事で確認してください。

これに対し、5G本来の実力がフルに発揮できる“真の5G”と言われているのが、今回投入された「5G SA」というわけです。5G SAでは新たに28GHz帯の「ミリ波」をサポートしますが、これにより下り最大4.9Gbps、送信最大速度は1.1Gbpsを実現できますし、データの遅延も大幅に低減できるのです。

なんちゃって5Gは「NSA(Non-Stand Alone)」であり、既存の4G基地局を活用して運用していた。これに対し、真の5Gは「SA(Stand Alone)」で、5G専用基地局を単独で設置して運用する方式になるためコストや時間がかかる(画像はドコモ公式サイトより転載)

5Gで使われる周波数帯はいくつかあるが、700~3.5GHzは4G(LTE)と同等の速度しか出ない。これに対しドコモの「瞬速5G」ではSub6(3.7GHzと4.5GHz)とミリ波(28GHz)の3つが採用されており、高速な5Gデータ通信を実現しているという(画像はドコモ公式サイトより転載)

●ドコモ「5G SA(Stand Alone)」→こちら

まとめ

いかがでしょうか? 実は5Gといっても現在普及しているのは4Gを活用した“なんちゃって5G”であることを知らなかった人は、結構多いのではないでしょうか? 

しかし、ようやく“真の5G”である「5G SA」が投入されたことで、これまでの4Gとは次元の違う超高速データ通信を体感できることになるというわけです。

もちろん、5G SAは始まったばかりで、対応スマホは数機種しかなく基地局も限定されています。もし、5G SAに対応するスマホを持っているなら、是非、“真の5G”とやらを体感してみてください。きっと異次元のスピードに圧倒されることでしょう。

こちらが8月24日時点で唯一「5G SA」に対応している「AQUOS R7 SH-52C」。本体価格は新規契約時で19万8,000円と非常に高価だ(写真はドコモ公式サイトより転載)

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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