機械に疎いイメージのあるシニア世代にも、スマートフォン化の波は確実に押し寄せている。そのような調査結果が、スマホやタブレット端末に関する消費者動向を追うMMD研究所から発表された。
シニアのモバイル端末保有者、スマホ率が約9割に
MMD研究所が実施した「第1弾 2022年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」。予備調査は60~79歳の全国の男女10,000人を対象に、さらに本調査はスマホメイン利用者500人、スマホ利用検討者500人、スマホ利用未検討者500人を対象に2022年9月2~5日の3日間で行われた。
まず、モバイル端末の所有率について。シニアの所有率は全体で94.0%、内訳はスマホが89.0%とほぼ9割、フィーチャーフォンは7.3%と、シニアといえども、いわゆるガラケーは少数派となった。2021年と比べてスマホ利用者は4.2ポイント増加しており、代わりにガラケー利用者は4.1ポイント減少。シニア世代でもスマホへの乗り換えが進んでいると見られる。
2012年時点では、スマホ利用者が12.7%、ガラケー利用者が87.3%だったが、2018年からスマホ所有者が多数派となり、10年をかけてその割合はほぼ逆転したかたちだ。
44%のシニアが、スマホへの乗り換えを検討中
ガラケーが利用する3G電波については、今年3月末の時点で、docomoやソフトバンクに先立ってauが供給を停止している。これを機にスマホに乗り換えざるを得なかったという人もいるかもしれない。しかし、「止むを得ず」というシニア世代は意外にも少ないようだ。
スマホへの乗り換え意向を尋ねたところ、「いますぐにでも乗り換えたい」が2.3%、また「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」が41.8%と、乗り換えの意向は合わせて44.0%となった。また検討中の人を含むスマホ利用者に対して、スマホの利用開始についての決定者について尋ねると「自分が中心に決定」が73.5%と大多数を占めていた。多くのシニアが、スマホ利用に前向きであることがうかがえる。
また通信会社については、スマホ利用中・検討中の人いずれにおいても、docomoが最も人気となっていた。理由としては「家族が同じ通信会社を利用しているから」や「安心できる会社だから」といったものが多く、格安スマホよりは、昔ながらの堅実な大手を選びたいという意思が伺えた。
この先、2024年1月下旬にはソフトバンクが、2026年3月31日にはdocomoが3G電波の供給を停止すると発表している。積極的にスマホを利用するシニアはますます増えていきそうだ。
出典元:「第1弾 2022年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:fizkes / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています