「スマホの2台持ち」メリットとデメリットは? どうすれば安く運用できる?

会社員はもちろん、個人事業者やフリーランスの人のなかには、スマホを2台持ちしている人もいます。これは主に、個人(プライベート)と仕事(ビジネス)を切り分けて使うためですが、そのほかにどのようなメリットがあるのでしょうか? そこで今回は、スマホ2台持ちのメリットとデメリット、どうすれば安く運用できるのか解説します。

なぜ、スマホを2台持ちする人がいるの?

社会人になると、個人(プライベート)だけでなく仕事(ビジネス)でもスマホを使うことになります。

しかし、個人用のスマホに会社関係の電話番号やLINE、メールアドレスなどを登録してしまうと、ついつい、LINEで友だちと間違って会社の悪口を上司に誤爆したりするリスクも出てきます。

営業職になると会社からスマホを支給される場合もありますが、そうでない会社員や個人事業者、フリーランスの人のなかには、個人的にスマホを2台持ちしている人は意外と多いのです。

会社員や個人事業主などは一人で2台のスマホを持っている人も珍しくはない。確かに個人と仕事で使い分けるほうがトラブルは少ないかもしれない

スマホ2台持ちにどのようなメリットがある?

会社員や個人事業主などが、プライベートとビジネスでスマホを使い分けるためにスマホを2台持ちしている理由は何となく想像できますが、ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、スマホを2台持ちする8つのメリットを紹介しましょう。

【メリット1】個人と仕事で使い分けられる

仕事の付き合い先の人からの電話なのに、勘違いしてタメ口で話したり、LINEで会社の不満を上司に誤爆したりしたことはないでしょうか?

このようなトラブルを避けるには、プライベート用とビジネス用でスマホを使い分けたほうがいいでしょう。これがスマホを2台持ちする大きな理由となっています。

(Image:Mr.Mikla / Shutterstock.com)

もし、LINEで上司に会社の悪口を誤爆したりすると目も当てられない! 2台持ちならこのようなトラブルを避けることができるだろう

【メリット2】通信障害があっても対処できる

最近、大手キャリアの通信障害が増えており、いきなり電話やメールが使えなくなることがあります。ビジネスでスマホが必須となっている人にとっては死活問題ですよね。

ほかにも、不注意でスマホを落として故障したり、紛失してしまうことも考えられます。

このようなとき、スマホを2台持っていれば片方のスマホに不具合があっても、もう一方のスマホで対応することができるのは安心感があるしょう。

(Image:mokjc / Shutterstock.com)

最近、大手キャリアでも通信障害が発生することがある。しかし、ドコモとauのように異なるキャリアのスマホを2台持っていれば、このようなトラブル時にも何とか対応できるはずだ

【メリット3】バッテリー切れでも対応できる

何年か同じスマホを使っているとバッテリーが徐々に劣化していき、1日持たないときもあります。

もちろん、モバイルバッテリーを一緒に持ち歩けばいいのですが、大容量のものは結構重いですし、それなら、もう1台スマホを持っていても同じでしょう。

こちらも、スマホが使えないと仕事に支障をきたす人のトラブル回避策のひとつになります。

(Image:alexgo.photography / Shutterstock.com)

外出先でスマホのバッテリーが無くなると仕事にも支障が出る。しかし、スマホを2台持ちしていれば、このような事態にも対応できるだろう

【メリット4】データの保存容量が増える

最近、スマホのカメラはデジカメと変わらない高性能なものを搭載しているので、写真はスマホで撮るのが当たり前になっています。

ところが、高画質になったぶん、写真の容量も増えており、無料で利用できるクラウドが満杯になってしまうことも少なくありません。

もちろん、有料のクラウドサービスを契約したり、こまめにパソコンなどにバックアップを取ればいいのですが、スマホを2台持ちしていれば、無料で使えるクラウドの容量も2倍になります。

たとえば、カメラ性能の高い方のスマホで写真を撮って、長期保存したい写真だけをもう片方のスマホのクラウドサービスを利用するといった使い方も可能になるのです。

こちらはAndroidスマホのクラウドサービス「Google One」。誰でも1アカウント15GBを無料で利用できるが、スマホ2台持ちなら30GBまで利用できるようになる

なお、iPhoneはMicroSDカードを追加できず、本体ストレージ容量で価格が大きく変わりますが、AndroidスマホはSDカードを利用できる機種も多いので、ストレージ容量を簡単に増やせます。現在、128GBのMicroSDカードなら2,000円程度で追加できます。

Androidスマホは、MicroSDカードを追加してストレージを大幅に増やすことができる機種も多い(筆者撮影)

【メリット5】利用料金が安くなる場合も!

スマホを2台持ちすれば、月額利用料が2倍になると思っている人も多いと思いますが、そのようなことはありません。

格安SIMでデータ専用SIMカードを利用すれば、月額利用料をかなり安く抑えることができます。

たとえば、IIJmio(アイアイジェイミオ)のギガプランでデータ専用の「eSIM」を契約すると、2GBで月額440円、8GBで1,100円、20GBでも1,650円という低価格で利用できるのはご存じでしょうか? 格安SIMについてはこちらの記事を参考にしてください。

●IIJmio「ギガプラン」→こちら

大手格安SIMの「IIJmio」では、データ専用の「eSIM」が月額440円から利用できる(画像はIIJmio公式サイトより転載)

また、データ通信用スマホを格安SIMに変更すれば、メインのスマホは通話メインとして使えばいいので、データ通信量を減らしてさらに安いプランに乗り換えられます。

OCN モバイル ONEの500MB/月コース(エコノミーMVNO)は、月10分の無料通話が付いて月額550円なので、このようなプランを利用することで月額利用料を抑えることができます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

●OCN モバイル ONE「500MB/月コース」→こちら

OCN モバイル ONE「500MB/月コース」はデータ通信量が月500MB(0.5GB)だが、月10分無料通話付きで月額550円という安さ。ドコモショップでも契約できる(画像はOCN モバイル ONE公式サイトより転載)

【メリット6】通話しながら同時に調べものができる

スマホで通話をしているとき、ネットで調べ物をしたいときや、メモアプリで住所や電話番号などを書き取りたいときは、意外と困ってしまいますよね。

でも、スマホを2台持ちしていれば、電話をかけながらもう1台のスマホで調べ物をしたり、メモアプリを利用することができます。

通話中にネットで調べものをしたいときは、スピーカーにしたり、一旦通話を終了する人が多いと思うが、スマホが2台あればもう片方で調べものができる

【メリット7】片方のスマホはテザリングで利用する

2台のスマホを両方ともキャリアや格安SIMで契約するのが嫌な人は、片方のスマホはSIMカードの契約をせずにWi-Fi接続のみで運用することもできます。

外出先では、SIMカード契約をしているスマホのテザリング機能を使えば、両方のスマホでネットに接続することも可能です。テザリングについて詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

ただし、テザリングはデータ通信容量の上限があったり、有料オプションになっていることもありますので、たとえば、月20GBを超えると月額3,278円で無制限利用できる楽天モバイルなどでテザリングするのがオススメです。

●楽天モバイル→こちら

楽天モバイルは「Rakuten UN-LIMIT VII」の従量制ワンプラン。データ通信量が月20GBを超えると月額3,278円で無制限利用できるので、テザリングするのにオススメ(画像は楽天モバイルより転載)

【メリット8】iPhoneとAndroid両方のアプリが使える

スマホのOSには大きく分けてiOS(iPhone)とAndroidの2種類があることはご存じでしょう。どちらでも使えるアプリも多いのですが、なかには片方のOSでしか使えないアプリもあります。

そのようなときは、iPhoneとAndroidスマホの組み合わせで2台持ちしてみましょう。これで両方のアプリが利用できるようになりますよ。

iPhoneとAndroidの両方で使えるアプリもあるが、各OS独自のアプリも多い。iPhoneとAndroidスマホの組み合わせなら、どちらのアプリも利用可能となる(筆者撮影・画像は加工してあります)

スマホ2台持ちのデメリットはないの?

ここまでスマホを2台持ちするメリットを紹介してきましたが、何かデメリットはないのでしょうか?

ここからは、2台持ちにすることで考えられるデメリットについて解説します。

【デメリット1】利用料金が高くなる場合も!

スマホの料金は格安SIMを利用することでかなり安くなりますが、ネットでの申し込みが面倒くさい。あるいはキャリアショップで相談できないと不安だという人は、オススメできません。2台とも大手キャリアで契約すると、利用料金がかなり高くなってしまうからです。

どうしてもショップの窓口が利用できないと不安だという人は、auのサブブランド「UQ mobile」や、ソフトバンクのサブブランド「Y!mobile」などがオススメです。

また、店舗数は少ないですが楽天モバイルも店舗を構えていますし、イオンモバイルは全国にあるイオンで契約することができます。

さらに、ビックカメラやヨドバシカメラ、ヤマダ電機などでも、大型店舗には格安SIMを申し込めるカウンターが設置されている場合があります。

【デメリット2】スマホがかさばって重い!

当たり前のことですが、スマホが2台になればかさばりますし、重さも2倍になってしまいます。だんだん2台持ち歩くのが面倒になる人もいるでしょう。

もちろん、バッテリーの充電も2台とも常に管理しないといけないので、途中で煩わしくなってしまうかもしれません。

【デメリット3】同じOSだと勝手に同期される!

スマホを2台持ちするときは、OSが同じスマホのほうがいいと考える人も多いでしょう。しかし、これはオススメできません。

たとえば、iPhoneで2台持ちするときApple IDが同じだと、勝手に同期されてしまい、いろいろ面倒なことになります。

できれば、OSが異なるiPhoneとAndroidスマホの2台持ちのほうがいいでしょう。

iPhone2台持ちで同期させたくない場合はこちらを参考にしてください。

【デメリット4】デュアルSIMで対応できることも多い!

スマホの2台持ちのメリットで「通信障害があっても大丈夫」と紹介しましたが、最近は1台のスマホで2つのSIMカードを同時に利用できる「デュアルSIM運用」することができる機種も増えています。

これなら片方はドコモ回線、もう片方はau回線にすることも可能なので、通信障害時にもバッチリ対応できるでしょう。デュアルSIM運用については、こちらの記事を参考にしてください。

なお、最近のスマホは片方を物理SIMカードを使わず、スマホの本体に内蔵されたチップを書き換える「eSIM」で、デュアルSIM運用することも可能となっています。

こちらが実際にデュアルSIM運用しているスマホ。ひとつのスマホに2枚のSIMカードを挿入することで、同時に2つの異なる回線を利用することができる

SIMカードのおすすめな組み合わせは?

最後に、スマホ2台持ちにおすすめなSIMカードの組み合わせを紹介しましょう。それは、「楽天モバイル」と「povo2.0」の組み合わせです。

まず、楽天モバイルの従量制プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は月20GBを超えると無制限になりますが、月額料金は3,278円でOKです。これは格安SIMでも見られないお得なプランです。

しかも、楽天モバイルは「Rakuten Link」アプリを使うことで、国内通話が無料でかけ放題となるのが大きいのです。

povo2.0はauの格安料金プランで、基本料金はなんと無料です。高速データ通信量を利用するときは、好みのトッピング(オプション)を購入して追加する方式になっています。

ただし、ずっと無料で維持できるわけではなく、半年に1回は何らかのトッピングを購入しなければなりませんが、その料金は年間たった440円です。povo2.0についてはこちらの記事で確認してみてください。

●povo2.0→こちら

こちらが基本料無料のpovo2.0。高速データ通信量のデータトッピングは3GB(30日)が990円、20GB(30日間)が2,700円などとなっている(画像はpovo2.0公式サイトより転載)

どうしてもドコモ回線でないと不安だという人には、ドコモ回線の格安SIM・日本通信の「合理的シンプル290プラン」がオススメです。

このプランは音声通話付きで月1GBまで290円で利用でき、あとは使った分だけ加算されるプランとなっています。

データ通信量は1GBあたり220円で100GBまで追加できるので、たとえば月2Gなら290円+220円=510円で利用可能です。

これならpovo2.0と組み合わせることで、スマホの2台持ちでもかなり月額料金を安く抑えることができるでしょう。

●日本通信「合理的シンプル290プラン」→こちら

日本通信はドコモ回線を利用した格安SIM。「合理的シンプル290プラン」は月1GBまでなら月額290円という激安価格で利用可能。あとは1GBあたり220円で追加される従量プランとなっている(画像は日本通信公式サイトより転載)

まとめ

「スマホを2台持つことなんて考えられない!」と考える人も多いでしょうが、具体的なメリットを確認すれば、「意外といいかもしれない……」と思い直す人もいるでしょう。

事前にデメリットを確認したうえで、これを機会にスマホの2台持ちにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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