モバイル社会研究所より公開された「モバイル社会白書」について、2部にわたってお送りするうちの1部。第1部の今回は、携帯電話の所有・利用状況について。2部にわけどもご紹介するトピックはかなり多いため、冒頭にていくつかのポイントを挙げてご紹介させていただこう。端的に言えば、「誰がどんな携帯電話をどのように使っているか」のデータ集だと思っていただきたい。
第1部の主要ポイント6点
さて、まずは第1部全体のポイントを挙げていく。次の通りだ。①スマートフォン比率(2台目所持も含む)は94.0%、②主要3社については、家族間で同じ携帯電話事業者を契約する傾向、③スマホ所有者の自宅での無線LAN(Wi-Fi)利用率は91.6%、④Appleが1台目、2台目ともに継続してメーカーシェアトップ、⑤端末の平均所有期間はスマホが2年、フィーチャーフォンが5年1ヶ月、⑥携帯電話の買い替え時の重視点は1位が端末価格、2位が通信料金の安さ、という6点が主なトピックだ。
さらに、個人的に気になった点として「携帯電話事業者のシェア」についても後半では言及していく。
トピックそれぞれへの言及
①スマートフォン比率について。2022年のスマホ比率は94.0%、前年の92.8%から1.2ポイント伸ばしている。②主要3社において、家族間で同じ事業者を契約する傾向。同じ携帯電話事業者を契約する傾向は、強い順に「配偶者」「子・子の配偶者」「母」「父」「兄弟姉妹」という結果。③スマホ所有者の無線LAN利用率。自宅が91.6%と最も高いのは言わずもがなだが、次点で多いのは「宿泊施設」の44.3%、僅差で「職場・学校」の44.0%という結果であった。
④Appleが1台目、2台目ともにシェアトップ。Appleは、2016年の23.1%から2022年の43.6%と、約20ポイントの増加だ。⑤携帯電話の所有期間の推移。スマホの平均所有期間は、2016年の「1年6ヶ月」から2022年の「2年」に延びている。機種価格の上昇も原因だろうか。⑥携帯電話の買い替え時の重視点。「端末料金」「通信料金の安さ」が2011年以降上位を独占、価格重視の傾向が強いようだ。
また、個人的に気になった点は「携帯電話事業者のシェア」だ。1台目で最も多いのは、33.9%の「NTTドコモ(ahamo含む)」。2台目でも26.9%で「NTTドコモ(ahamo含む)」が最も多いが、1台目では6.8%だった「その他(MVNOなど)」が2台目では15.6%と伸ばしている。全体的に1台目から2台目では数字が落ちる会社がほとんどない中、「その他(MVNOなど)」の他にもう1社、2台目で数字を伸ばしているのが「楽天モバイル」だ。楽天モバイルは、1台目の9.7%から2台目では19.0%との推移。両者とも、2台目では2倍以上に伸びている。
出典元:モバイル社会白書Web版<2022年版>第1章 携帯電話の所有・利用状況【モバイル社会研究所】
出典元:モバイル社会白書Web版<2022年版>第1章 携帯電話の所有・利用状況(PDF)【モバイル社会研究所】
※サムネイル画像(Image:Farknot Architect / Shutterstock.com)