各種サービスで値上げラッシュが続く中、家計における通信費を見直す世帯も多いことだろう。MM総研の発表によると、今年度の携帯総出荷台数は2000年度以降で過去最少の見通しだという。このような状況下でも健闘しているシェア1位の「アップル」を中心に、今回は「2022年度上期国内携帯電話端末の出荷台数調査」についてお伝えしていきたい。
アップルが11期連続で1位を獲得【2022年度上期国内携帯電話端末】
ICT市場調査コンサルティングのMM総研は2022年11月14日、2022年度上期の国内携帯電話端末の出荷台数に関する調査結果を発表。その内容によれば、2022年4月から9月の総出荷台数は1,475万3,000台と減少傾向にあり、前年度上期を8.5%下回った。これは2000年度以降の上期出荷統計としては、3番目に少ない台数だという。2022年度通期の出荷台数は前年比17%減少の3,041万台の予測で、過去最少になると見込まれている。
2022年度上期のメーカー別スマートフォン出荷台数シェア1位はアップルの43.8%で、11期連続でトップとなった。ついで「シャープ」、3位には「ソニー」、4位の「FCNT」が続き、5位は「サムスン電子」の順となった。これら上位5メーカーでスマートフォン総出荷台数の約86%を占めている。
シェア1位のiPhoneも、物価上昇により出荷減少か?
円安・物価上昇の影響で各種サービスの値上げラッシュが続く中、端末価格や購入頻度など通信費を見直す世帯は、今後、ますます増加するとMM総研は予測している。同社が2022年10月に発表した「iPhone指数」とは、世界各国の平均賃金に占めるiPhone直販価格を示したものである。 この指数によれば日本は2.06%で、iPhoneシェアが40%以上の国の中でも高いことがわかる。物価上昇で高価格帯に属するiPhoneの販売動向への影響が注目される。
スマートフォン出荷台数シェア1位のアップルも7月に、日本市場での販売価格を値上げして大きな話題を呼んだ。円安による価格調整とみられるが、9月に発売されたiPhone 14シリーズは、値上げ後のiPhone 13シリーズをさらに上回る価格となっている。アップルの7月の値上げに対するユーザーの反応が反映されるのは下期になるとみられ、人気のiPhoneが、通信費引き締めを図るユーザーから今後、どのように評価されていくか目が離せない。
出典元:円安・物価上昇により携帯出荷は減少基調に「2022年度上期 国内携帯電話端末の出荷台数調査」【MM総研】
出典元:日本のiPhone販売価格は世界37の国・地域の中で最安「世界のiPhone販売価格調査(2022年9月)」【MM総研】