日本経済新聞が、ソニーグループはAppleに最新の最先端イメージセンサーを供給する予定であると報じた。次期モデルの「iPhone 15(仮)」シリーズには、ソニーの最先端イメージセンサーが搭載される予定のようだ。そのようなソニーの提供するイメージセンサーの詳細についてご紹介していこう。競合サムスンとのシェア争いも気になるところだ。
最先端イメージセンサーによって、逆光の中でも人物の顔が鮮明に撮れるようになる
NIKKEI Asiaによると、ソニーセミコンダクタソリューションズのグループ会社が、長崎工場にて開発・製造する最先端イメージセンサーをApple含めたスマートフォンメーカーに出荷を開始するとのこと。
この最先端イメージセンサーは、従来のセンサーに比べ、各ピクセルの飽和信号レベルを約2倍にするもの。各ピクセルの飽和信号レベルが約2倍になることによって、センサーはより多くの光を取り込み、特定の設定で露出オーバー(または露出不足)を減らすことが可能になる。簡単に説明すれば、被写体が強い逆光に逆らっていても、カメラで人物の顔を鮮明に撮影することができる、ということだ。
ソニーは、フォトダイオードとトランジスタを別々の層に配置する、半導体アーキテクチャを使用しているため、より多くのフォトダイオードを使用できるようだ。
ソニーのCMOS市場シェアは今後どうなる?
またMacRumorsによれば、すべての「iPhone 15(仮)」モデルにソニーの最先端センサーが搭載されるのか、はたまた「iPhone 15 Pro(仮)」などのハイエンドモデルに限定するのかは明らかになっていない。
Appleは通常、レンズごとに異なる技術を使用するようだが、今回、取り上げたソニーのイメージセンサー技術は、iPhoneの「メイン」カメラとみなす広角カメラに使用される可能性があるとも述べられている。
ソニーが最新のイメージセンサーを今後のiPhoneに組み込むことによって、ソニーは競合の他社より高精細写真技術において、優位に立つことができるようになるのではないだろうか。
英国の分析会社オムディアによると、昨年のソニーはCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサーの世界シェアで44%を占めていたようだ。なお、この時、最大のライバルであるサムスン電子は18.5%で2位であった。NIKKEI Asiaによると、今回の一件でサムスンはソニーへの圧力を強めているとのこと。
だが、2020年の米国-中国間の緊張によって主要なクライアントである中国のスマートフォンメーカー「Huawei Technologies」との取引を失い、ソニーのシェアは近年減少傾向にある。ソニーは、2025会計年度までにCMOSイメージセンサーで60%の市場シェアを獲得したいと語っているが、はたして目標は達成されるのだろうか。
参照元:【Nikkei Asia】
引用元:【MacRumors】
引用元:【IMEDIA】
※サムネイル画像(Image:Diego Thomazini / Shutterstock.com)