競争激しいスマートフォン市場。年末商戦に向けて、秋口からAppleやサムスンなど、日本で名の知られたメーカー各社は新機種を投入し、その魅力を訴求するCMや広告で目にする機会も増えている。そのようなスマホ業界でいま、注目を集めているのが「Nothing Phone (1)」。日本でも二大巨頭に割って入る可能性を秘めたスマートフォンである。
独特のデザインで、早くも100万台突破!
「Nothing Phone (1)」は、イギリスのコンシューマー・テクノロジー・ブランド「Nothing」が手がける、ブランド発のスマートフォン。日本では今年8月に発売され、家電量販店を中心に取り扱われている。しかし、iPhoneやGalaxyといったブランドが広く普及する日本において、その存在をはじめて知った、という人がいても不思議ではない。Nothing自体、2020年に生まれた新進気鋭のブランドである。
「Nothing Phone (1)」の特徴は、透明感が目を引く斬新なデザイン。背面に搭載されたLEDは、さまざまな光のパターンが設定されており、通知や充電状況などをユニークな点灯モーションで知らせる。YouTubeで公開されている動画では、システマチックな光のパターンが先進性を感じさせ、スタイリッシュな演出は、トレンドに敏感な層をターゲットにしていることがうかがえる。
Something worth shouting about. 1,000,000 products sold. Thank you for believing in @nothing. pic.twitter.com/H6pGnS4e4f
— Nothing (@nothing) December 5, 2022
唯一無二のデザイン性がアーリーアダプター層の心をとらえたのか、12月6日には累計販売台数が世界で100万台を突破したと発表された。スマートフォン本体だけでなく、同ブランドのワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (1)」「Nothing Ear (stick)」を合わせた数字ではあるが、大台突破はブランドとして、次なるステージに上がったと言えるだろう。
iPhoneの買い替え需要を取り込んだ?業界構造を変えられるか
世界中で支持者を獲得し、一躍、スマホ業界で注目を集める存在となった「Nothing Phone (1)」。その要因として考えられるのが、iPhoneの買い替え需要の獲得である。Nothingの調査によると、他の競合製品と比べて、iPhoneから買い替えが多い傾向にあるという。
先進性のあるブランドイメージという点では、iPhoneと「Nothing Phone (1)」は近いカテゴリーかもしれない。ただ、iPhoneにおいては、他にも流出を許してしまう原因があるように思える。
原因のひとつは、iPhoneを含めたApple社製品の価格高騰である。とくに日本においては、円安ドル高の継続により、iPhoneならびに周辺機器も価格帯が上がり、旧機種のiPhone13でも10万円を超える状況で、SNS上では価格が高すぎて購入を控えるユーザーが散見する。一方、「Nothing Phone (1)」は、8GB/128GBでは8万円前後で推移しており、価格面でのインパクトがiPhoneユーザーの心を動かした可能性はおおいにあるだろう。
世界的なテクノロジーの発展で、機能面での明確な差別化が難しくなったこともあり、スマホ業界における勝負のわかれ目は「価格」というシビアな部分にかかっているのかもしれない。スタイリッシュでありながら、お手頃という魅力を兼ね備えた「Nothing Phone (1)」が、スマホ業界でどこまで上り詰めるか今後も注目だ。
出典元:【NOTHING TECHNOLOGY LIMITED/PR TIMES】
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※サムネイル画像は(Image:「NOTHING TECHNOLOGY LIMITED」プレスリリースより引用)