iPhoneの最近モデルが発売されるたびに話題になるのが、カメラや画像加工アプリの性能だ。そのようなカメラと加工アプリの性能を発揮するための、iPhoneとiPadでの撮影に限定した写真コンテスト「iPhone Photography Awards(IPPA)」があるのはご存じだろうか。2023年3月末が締め切りのiPhone Photography Awardsの募集が開始された。最優秀賞の受賞者には賞金ではなく、金の延べ棒が贈呈される。今回はこのiPhone限定写真コンテストについてご紹介しよう。
作品応募の条件は「iPhoneまたはiPadで撮影した未公開の写真」
iPhone Photography Awardsは2008年の開始以来、毎年行われ、今回で16回目の開催となる。主催者側は「世界中の最高の iPhone フォトグラファーのキャリアをスタートさせるのに役立った」と述べ、受賞作は多くのメディアに取り上げられているとしている。
応募条件は「iPhoneまたはiPadで撮影した未公開の写真であること(SNSなどに公開済みの写真は不可)」で、撮影者に関する条件はなく、誰でも応募可能。撮影に使用するiPhoneとiPadの機種もとくに問われない。手持ちのiPhoneが型落ちでも使い慣れたもので、撮影・応募することができる。アドオンレンズの使用や、iPhone/iPad用アプリでの加工は認められているが、「Photoshop」などのデスクトップ用画像加工ソフトの使用は不可なのは留意しておきたい。
締め切りは2023年3月31日で、それまでに公式サイトの応募ページから写真をアップロードしてエントリーする。ただし、参加費用が1 画像につき5.50ドル(約700円)から枚数に応じて費用がかかるので注意が必要だ。
ユニークな商品とiPhoneの性能にこだわらない審査条件の理由は…
コンテストは、アブストラクト(抽象)、動物、建築、子ども、シティライフ/都市景観、風景、ライフスタイル、自然、人物、ポートレート、シリーズ(3枚の画像)、静物、旅行、その他の14カテゴリで、芸術的メリット、独創性、主題、スタイルに基づいて画像を審査。各カテゴリにおける1位の受賞者には、金の延べ棒が、2位と3位にはプラチナバーが贈られる。
iPhoneといえば、カメラが高機能であることも特長のひとつだ。しかし、この写真コンテストでは、過去の最優秀作品は最新機種で撮影された写真とは限らない。2022年の大賞である「モスルの子供」は「iPhone 11」で撮影され、戦場のがれきの中での優しさの瞬間を切り取ったものだ。同年の「フォトグラファー オブ ザ イヤー賞」は 、マスキングを演劇行為に変えた”アンチ ソーシャル ディスタンシング”をテーマにしたもの。
過去の作品を見ても、2021年は「iPhone 7」、2020年と2019年は「iPhone X」と、数年前に発売されたモデルで撮影された作品だ。さらに、受賞者の国籍もバラバラで、イタリア、スウェーデン、アメリカ、カナダ、中国…と世界中のほぼすべての地域から10カ国以上に渡る。
2022年の静物カテゴリで、1位に輝いたのは日本人だ。賞品が「現物支給」であること、最新機種で撮影されていない写真が多く受賞していることなど、世界情勢が不安定でも写真の持つ魅力や影響力を伝えたい、という主催者側の意図が深く反映されたコンテストだと感じる。
たとえ、最近機種を持っていなくても、iPhoneで写真を撮ることが好きで、腕に自信がある人はぜひ、応募してみてはいかがだろうか。
引用元:【iPhone Photography Awards】
※サムネイル画像は(Image:「iPhone Photography Awards」公式サイトより引用)