iPad購入時に選ぶポイントのひとつとなる画面の大きさ。Appleからは同じ10.9インチで「iPad(第10世代)」と「iPad Air(第5世代)」が販売されています。

iPad(第10世代)は2022年10月に発売。iPad Air(第5世代)は2022年3月に発売されています

10.2インチのRetinaディスプレイだったiPad(第9世代)と比べ、iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)はどちらも10.9インチかつLiquid Retinaディスプレイ。薄型・軽量モデルだったはずのiPad AirとiPadの違いが分かりにくくなっています
(画像引用元:「Apple 公式」より)
価格を見ると、iPad(第10世代)のWi-Fiモデルは68,800円(税込)~。iPad Air(第5世代)のWi-Fiモデルは92,800円(税込)~。24,000円の差があっても、これまでのイメージから「iPad Airを買うべきではないか」と迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)の違いや選ぶ際のポイントについて解説します。
iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)どちらを選ぶべき?大きな違いを比較
まずは、iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)の選び方について解説します。
クリエイティブ作業をしたい:iPad Air(第5世代)がおすすめ
イラストや動画編集など、クリエイティブな作業をしたい方にはiPad Air(第5世代)がおすすめ。

iPad Air(第5世代)をおすすめする理由は、iPad(第10世代)よりも高速なM1チップを搭載しているから。また、 iPadOS 16のマルチタスク機能「ステージマネージャ」の外部ディスプレイサポートが使え、作業領域を増やすことも可能。快適なクリエイティブ作業が実現できます
(画像引用元:「iPad Air公式」より)

iPad Air(第5世代)に搭載の「M1チップ」は、iPad(第10世代)に搭載の「A14 Bionicチップ」の約1.5倍の性能と言われるほど、高スペックなチップ。ほかにも、iPad Air(第5世代)はiPad(第10世代)よりも細かい色表現ができる広色域ディスプレイ (P3)を採用。色表現の柔軟性・忠実さはiPad Air(第5世代)が優れています
費用を抑えつつ軽い資料作成など日常使いをしたい:iPad(第10世代)がおすすめ
資料作りやブログ執筆、動画視聴程度の日常使いなら、より安価なiPad(第10世代)がおすすめ。M1チップを搭載していない端末でも十分で、購入費用を24,000円ほど節約できます。
iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)を詳しく解説
iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)について、そのスペックを詳しく解説します。
価格とストレージ容量
先述した通り、iPad Air(第5世代)は最低価格92,800円(税込)。iPad(第10世代)は68,800円(税込)です。

双方とも容量は64GBか256GBの2択。iPad Air(第5世代)は日常使いのタブレットとしては容量も価格も少々オーバースペックかつ割高な印象。日常使いが目的なら、iPad(第9世代)を視野に入れたり、中古で購入したりするのも一つの手
デザインとカラー
見た目がほぼ同じiPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)ですが、カラーはそれぞれ異なります。

iPad Airは、スペースグレイ・スターライト・ピンク・パープル・ブルーの5色。落ち着いた仕上がりの印象があります
(画像引用元:「iPad Air公式」より)

iPadは、シルバー・ブルー・ピンク・イエローの4色。iPad Airと比べて、ポップなカラーの印象があります
(画像引用元:「iPad公式」より)
ディスプレイと画面サイズ 、端末サイズ
結論から述べると、ディスプレイサイズは同じですが、端末のサイズはiPad(第10世代)よりもiPad Air(第5世代)の方が薄く、小さく、軽めになっています。
iPad Air(第5世代) | iPad(第10世代) | |
高さ | 247.6 mm | 248.6 mm |
幅 | 178.5 mm | 179.5 mm |
厚さ | 6.1 mm | 7 mm |
重量(Wi-Fi) | 461 g | 477 g |
重量(Wi-Fi + Cellular) | 462 g | 481 g |
なお、解像度やピクセル密度は同じ。しかし先述した通り、iPad Air(第5世代)は細かい色表現ができる広色域ディスプレイ (P3)を採用。さらに、フルラミネーションディスプレイや1.8%の反射率など、クリエイターに嬉しい機能が多くあります。
チップとパフォーマンス
iPad Air(第5世代)にはM1チップを搭載。iPad(第10世代)にはA14 Bionicチップが搭載されています。

A14 Bionicチップは、前世代のチップと比べてCPUが20%、グラフィックスが10%向上したとされています。A14 Bionicチップも決して低スペックではないものの、M1チップは高性能・省電力・高い機械学習性能・アプリケーションの互換性・強化されたセキュリティ面など、あらゆる点で優れています。より高いパフォーマンスを求めるなら、やはりiPad Air(第5世代)がおすすめ
カメラとフロントカメラ
メインのカメラ、フロントカメラともに、性能も機能も違いはありません。しかし、iPad(第10世代)のフロントカメラは「横向き」なのが特徴。

横向きフロントカメラなら、ビデオ通話の際に相手の顔や動作を映しやすくなり、より快適な通話ができます。また、グループセルフィーを撮る際など複数人が映る場合にも、すべての被写体を画面内に収めやすくなります
(画像引用元:「iPad公式」より)
バッテリー容量と駆動時間
直近に発売されたiPadのバッテリー容量と駆動時間の目安をご紹介します。駆動時間はWi-Fiでのインターネット利用・ビデオ再生を想定したものです。
モデル名 | 世代 | 発売年月 | バッテリー容量 | 駆動時間の目安 |
iPad | 第8世代 | 2020年9月 | 32.4 Wh | 10 時間 |
第9世代 | 2021年9月 | 32.4 Wh | 10 時間 | |
第10世代 | 2022年10月 | 28.6 Wh | 10 時間 | |
iPad Air | 第4世代 | 2020年10月 | 28.6 Wh | 10 時間 |
第5世代 | 2022年3月 | 28.6 Wh | 10 時間 |
iPad Air(第5世代)・iPad(第10世代)ともにバッテリー容量は28.6 Wh、駆動時間の目安は10時間となっています。
Apple Pencilには大きな違いがある
iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)のApple Pencilには大きな違いがあります。

Apple PencilはiPad上でのイラストの描画や手書き入力、書類の制作・編集などに使えるAppleの純正タッチペン。2023年3月現在、第1世代と第2世代が販売されており、対応する機種以外は使用不可となっています
(画像引用元:「Apple Pencil公式」より)
モデル | iPad Air(第5世代) | iPad(第10世代) | iPad(第9世代) |
対応Pencil | 第2世代 | 第1世代 | 第1世代 |
充電方法 | 磁気コネクタ(ワイヤレス) | USB-C – Apple Pencilアダプタ | Lightningコネクタ |
iPad Air(第5世代)はApple Pencil第2世代に対応していますが、iPad(第10世代)はApple Pencil第1世代です。
iPad Air(第5世代): 第2世代のApple Pencilに対応
iPad Air(第5世代)に対応しているApple Pencil(第2世代)は、使い勝手が改善され、高速なレスポンスを実現。さらに、磁気コネクタでの装着によって紛失を防止でき、取り出しやすくなっています。
側面のセンサーにより、タップジェスチャーを使ってツールの切り替えや消しゴム機能との切り替え、カラーパレットの表示などが簡単にできます。充電方法も改善され、磁気コネクタを使ったワイヤレスでの充電が可能になりました。
しかしもっとも重要なポイントは、より高速で自然な描画体験が可能な点。第2世代のApple Pencilは、従来のApple Pencilよりもレスポンスが高速で、描画や書き込みの反応がより自然で滑らかなものになりました。
iPad (第10世代): 第1世代のApple Pencilに対応
iPad(第10世代)に対応しているのは、Apple Pencil(第1世代)です。ただしiPad(第10世代)はUSB-Cポートが採用されている一方、Apple Pencilに採用されているのはLightningコネクタ。充電・接続の際にはUSB-C – Apple Pencilアダプタを使用する必要があり、ユーザーからは不評の声を集めています。
対応しているキーボードアクセサリも異なる
iPad Air(第5世代)とiPad(第10世代)では、対応している純正キーボードも異なります。
iPad Air(第5世代):Magic Keyboardに対応
iPad Air(第5世代)で使える純正キーボードは、「Magic Keyboard」です。

Magic Keyboardは、iPad Airのマグネットによって簡単に取り付けが可能。バックライトキーのおかげで、暗い場所でも快適に入力できます。キーボード自体も軽量かつコンパクトで、持ち運びに便利。Magic KeyboardはiPad Airに完全にフィットし、しっかりと固定されるため、タイピング時のぐらつきが少なく、安定感のある操作が可能です。また、iPad Airが充電されると同時にMagic Keyboardも充電されるため、電池の管理が簡単です
(画像引用元:「Magic Keyboard公式」より)
iPad(第10世代):Magic Keyboard Folioに対応
iPad(第10世代)で使える純正キーボードは「Magic Keyboard Folio」です。

Magic Keyboard Folioは、キーボード部分とバックパネルの2つに分かれ、どちらもマグネットで取り付け可能。軽量なキーボードは、iPadと一緒に持ち運んでも負担になりません。移動中はスリムで頑丈なカバーとして、iPadを守ってくれます
(画像引用元:「Magic Keyboard Folio公式」より)
iPad AirとiPadのまとめ:どちらがおすすめか?
本記事では、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)の違いについてご紹介しました。
価格には24,000円ほどの差があるため、普段使いで簡単な資料作成や動画視聴のために使うなら、iPad(第10世代)で十分。一方、イラストや動画の編集などクリエイティブな作業を想定しているなら、高機能なM1チップを搭載したiPad Air(第5世代)がおすすめ。iPad Air(第5世代)なら、より自然で滑らかな描画が可能なApple Pencil第2世代にも対応しています。
具体的な利用シーンをイメージしたうえで、最適なモデルのiPadを選びましょう。