1980年代に誕生して以来、加速度的に進化が進む携帯電話。これまでにさまざまなモデルが形を変えながら発売されているが、現在では、ほとんどの人がスマホを使っているだろう。しかし、メールや電話しか使わないという人やこだわりがある人など、今でもガラケーを利用している人も少なくない。そのようなガラケーのあるモデルが美術展に展示されると発表され、SNSで話題となっている。
発売当時、画期的なデザインで人々に衝撃を与えたガラケーが美術展に出展
折りたたみ携帯電話が主流だった時代に革命的存在だった《INFOBAR》が「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」展にて展示されます。ニューヨーク近代美術館(MoMA)に所蔵され、世界的にも評価された本作品は4月からご覧いただけます。お見逃しなく👀 pic.twitter.com/NiiCkRNt8L
— 大阪中之島美術館 (@nakkaart2022) March 19, 2023
左が「NISHIKIGOI」、右が「ICHIMATSU」というモデル
ガラケーが作品として展示されるのは、大阪中之島美術館の開館1周年記念展「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」という展示会だ。2023年4月15日(土)~6月18日(日)に開催が決まっており、1950年代~2010年代までのデザインが話題となった生活品やアート作品が展示される。日常にあふれる「デザイン」と「アート」を同時に紹介し、100品ほどの作品を通して「デザインとアートの境界」を見つけられることが魅力の一つ。数ある展示作品の中でとくに注目を集めているのが、2003年に発売されたKDDIの携帯電話「INFOBAR」だ。
INFOBARは、折りたたみ携帯電話が主流だった時代に革命的なデザインをもたらした、ともいわれており、その洗練されたデザインからニューヨーク近代美術館(MoMA)でも所蔵されるほど世界中で評価されている。昔からのファンは多いようで、記念展でINFOBARの展示が発表されると瞬く間にSNSで話題に。
「まだ持っている」「今見ても洗練されたデザイン」「これ欲しさにキャリア変えた」など、20年前に誕生したデザインを今なお称賛する声が多く寄せられた。また、「ガラケーが美術館に飾られる時代になったのか…」と、時間の流れの早さを実感させられた人もいるようだ。
INFOBAR は、20年が経過した現在でも色あせないデザイン
INFOBARのデザインを担当したのはプロダクトデザイナーの深澤直人氏。2003年は「写メ」や「着うた」などが流行り、機能面に特化した機種が多い時代であったが、可愛らしい配色やクリアなタイルキーなどデザインを重視したこの機種は人気を博した。とくに、鮮やかな赤と白の独特な配色が特徴の「NISHIKIGOI」という機種は、端末のボディカラーのほとんどがシルバーやブラックという状況下で登場したため、当時の人々に大きな衝撃を与えた。
その人気と影響は凄まじかったようで、後にはNISHIKIGOIモデルの次世代端末やスマートフォン、さらにトランスフォーマーとコラボによって誕生した、変形する初代INFOBARも登場。現在でも一定の需要があるほど、画期的で印象深いデザインであるようだ。
展示会では、INFOBARのほかにも多数の作品が出展される。村上隆氏や草間彌生氏、横尾忠則氏など総勢70名以上のアーティストが手がけた作品が集まり、デザインとアートの関係について紐解いていく。制作当時の時代背景や「これはデザインかアートか」ということを意識しながら作品を見てまわると、展示会をより深く楽しめるかもしれない。
数十年前に人気だったものが現在でも流行り、レトロやクラシック感を楽しむ若者が多い現代。INFOBARが登場した2003年を経験した人はもちろん、当時を知らない世代でも、あの独創的なデザインに惹かれる人は多いのではないだろうか。
参照元:【大阪中之島美術館】
参照元:【デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン(PDF)】
引用元:大阪中之島美術館公式Twitterは→こちら
※サムネイル画像は(Image:「大阪中之島美術館」公式Twitterより引用)