iPhoneの XS/ XS Max/ XR 以降のモデルは「eSIM(イーシム)」に対応しています。eSIMが利用できれば、物理SIMカードと合わせて2つの異なる回線(SIM)を利用できる「デュアルSIM」運用も可能となり、大規模通信障害や大災害時にどちらか片方の回線が使えるのが安心ですよね。そこで今回は、iPhoneで利用するのにピッタリな格安SIMの「eSIM」対応プランを7つ紹介しましょう。
今やトラブルに備えて「eSIM」でデュアルSIM運用するのは当たり前?
最近、大手キャリアでは大規模通信障害があったり、大震災も増えており、これらに備えて「デュアルSIM」運用をする人が増えています。
デュアルSIMとは、ひとつのスマホに2つのSIMをセットして、異なるキャリア回線を利用できるようにすることです。
たとえば、ドコモとau、ソフトバンクと楽天モバイルといった組み合わせでデュアルSIM運用すれば、万一どちらかが通じなくなっても家族や友だちと連絡が取れるかもしれません。
デュアルSIM運用について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
実は、デュアルSIM運用する場合、必ずしもSIMカードスロットが2つ必要になるわけではありません。最近は物理SIMカードではなくスマホ本体のチップが電子的なSIMカードとして使える「eSIM(イーシム)」も存在するからです。
たとえば、iPhoneは2018年9月以降に発売された XS/ XS Max/ XR 以降のモデル(iOS 12.1以上)ならeSIMに対応していますので、物理SIMカードと合わせてデュアルSIM運用することが可能です。
eSIMは、ネットから簡単に申し込めますので、その場ですぐに利用できるのが便利です。最近は大手キャリアだけでなく、格安SIMでもeSIMが申し込めますので、今回はiPhoneに適したプランを7つ紹介しましょう。
●Apple「iPhoneでデュアルSIMを使用する」は→こちら
●Apple「eSIM でデュアル SIM を活用する」は→こちら
もっともオススメなのは基本料0円で使える「povo2.0」
iPhoneで使える「eSIM」の最有力候補は、KDDI(au回線)の格安プラン「povo2.0(ポヴォ)」です。
何と言ってもpovo2.0は月額基本料が0円で電話番号が付与され、au回線が契約できるのです。もちろん、0円の場合はネット速度が128Kbpsなので実用的ではありません。
●povo2.0(公式)は→こちら
しかし、高速ネット回線のトッピングを購入することで、イザというときはネットに接続することも可能となっています。
たとえば、「データ使い放題(24時間)」は330円、「データ追加1GB(7日間)」は390円、データ追加3GB(30日間)は990円ですので、必要なときだけトッピングを購入すればいいのです。
ただし、povo2.0は180日間一度も電話やSMSを利用しなかったりトッピングを購入しないと利用停止されますのでご注意ください。
もちろん、利用停止されても突然契約解除されるわけではありません。詳しくはこちらの記事で確認してください。
「IIJmio」はデータプラン ゼロが月額165円で利用可能!
次におすすめしたいのが格安SIMの最大手「IIJmio(アイアイジェイミオ)」です。こちらは「音声プラン」と「データ専用プラン」の両方でeSIMを提供しています。
●IIJmio(公式)は→こちら
まず、「音声eSIM」は通常の物理SIMプラン「ギガプラン」と同一料金。2ギガで月額850円から利用できます。
さらに23年4月からは増量され、5ギガで990円、10ギガでも1,500円と非常にリーズナブルに利用できますので、メイン回線として利用するのもアリでしょう。
ただし、音声eSIMはau回線のみとなっていますので、メイン回線がドコモやソフトバンク、楽天モバイルの人向けになります。
次に、音声通話ができない「データeSIM」は、2ギガプランで月額440円から利用可能です。データ専用なので電話はかけられませんが、イザというときにネットに接続できればメールやSNSで連絡を取ることができます。
こちらも23年4月からは増量され、5ギガで660円、10ギガでも1,100円と、音声eSIMよりも安く設定されているのが特徴です。
ただし、データeSIMはドコモ回線のみとなっていますので、auやソフトバンク、楽天モバイルをメインとして使っている人向けになります。
また、IIJmioのデータ専用eSIMには「データプランゼロ」というプランも用意されています。こちらは月額165円で回線が維持でき、高速データ通信は1GBあたり330円で利用できるので、サブ回線として使うには最適でしょう。
「mineo」では月額250円のマイそくスーパーライトがオススメ
関西電力の子会社オプテージが提供する「mineo(マイネオ)」には、通信速度を抑えて使い放題になる音声通話付プラン「マイそく」があります。
なかでも、マイそくの「ライト」プランは最大300Kbspで月額660円、「スーパーライト」プランは最大32Kbpsですが月額たった250円で利用できます。
もちろん、この速度では満足にWebサイトも見られませんので、「24時間データ使い放題」オプションが1回198円で用意されています。イザというときは高速データ回線が利用できるので安心ですね。
なお、mineoはドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアに対応しますが、ソフトバンクの「Sプラン」はeSIMに対応していませんのでご注意ください。
●mineo(公式)は→こちら
「日本通信」の合理的シンプル290プランは月額290円から!
格安SIMの老舗「日本通信」はドコモ回線のみですが、音声通話SIMの「合理的シンプル290プラン」が月1GBまで月額290円から利用できます。
このプランは100GBまでの従量制となっており、データ容量は1GBあたり220円で追加可能となっていますので、サブ回線としてはもちろんメイン回線としてもオススメです。
●日本通信「合理的シンプル290プラン」→こちら
ちなみに、日本通信の公式ではSIMフリーかドコモ版iPhoneのみが動作保証対象となっていますが、SIMフリー化されていれば、他キャリアのiPhoneでも使える可能性は高いでしょう(利用は自己責任でお願いします。
日本通信「合理的シンプル290プラン」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「HISモバイル」は100MBまでなら月額290円で利用できる
旅行代理店として有名な「H.I.S(エイチ・アイ・エス)」と日本通信が共同で立ち上げた「HISモバイル」も音声通話対応のeSIMを提供しています。
HISモバイルはドコモ回線のみですが、「自由自在290プラン」の音声通話付プランは月額290円から利用できます。
ただし、290円なのは月100MB未満のときだけで、100MBを超えると月1GBまでは550円となりますのでご注意ください。
また、HISモバイルにはデータ通信専用の「データ定額440プラン」もあり、こちらは月1GBで月額440円から利用できます。
●HISモバイル「自由自在290プラン」→こちら
ちなみに、HISモバイルの「自由自在290プラン」は月7Gのプランが月額990円と驚異的な安さです。ここまで安いのなら、逆にメイン回線として利用するのもアリですね。
「LINEMO」は月3GBのミニプランが月額990円で利用できる
ソフトバンク傘下の「LINEMO(ラインモ)」は、ソフトバンク回線での音声通話付eSIMが申し込めます。
月20GBの「スマホプラン」は月額2,728円ですが、月3GBの「ミニプラン」であれば月額990円で利用できます。
ソフトバンク回線のeSIMは限られているので、どうしてもサブ回線にソフトバンク回線のeSIMを利用したいならアリでしょう。
●LINEMO(公式)は→こちら
「UQモバイル」はくりこしプラン +5GをeSIMで申し込み可能
auのサブブランド「UQ mobile(ユーキューモバイル)」でも、au回線を使用した格安プランでeSIMが利用可能です。
オンラインなら年中無休で申し込めて最短45分で開通できますが、受付時間は10~20時となっていますのでご注意ください。
料金プランは、「くりこしプラン +5G」のプランS(月3GB)が月額1,628円、プランM(月15GB)が月額2,728円、プランL(月25GB)が月額3,828円となっています。
サブ回線としては高額になるので、どちらかといえばメイン回線として使う感じになるでしょう。
●UQ mobile(公式)は→こちら
大手キャリアなら「副回線サービス」という手も!
現在、ドコモ(ahamo含む)、au(povo2.0)、ソフトバンク(LINEMO含む)、楽天モバイルの大手キャリア4社はいずれもeSIMに対応しています。
しかし、どのキャリアも過去には大規模通信障害を起こした経験があるので、その解決策としてKDDIは「au」と「UQ mobile」ユーザーが、ソフトバンクの回線を利用できる「副回線サービス」を、2023年3月29日から開始しました。
副回線サービスの料金は最大300kbpsのデータ通信(月500MBまで)で月額429円。国内通話料は22円/30秒となり、平日でも利用可能です。
●au「副回線サービス(お申し込みのお客さま)」は→こちら
ソフトバンクも、23年4月12日よりauとの副回線サービスを開始しました。料金もauと同じ月額429円で、音声通話と最大300kbpsのデータ通信(月500MBまで)が利用可能となっています。
●ソフトバンク「副回線サービス」は→こちら
auやソフトバンクの副回線サービスは、格安SIMと比べると、あまりお得感はありません。
しかし、格安SIMの申し込みやeSIMのことが良く分からない。あるいは、自分でやる自信がないという人は、大手キャリアが提供する副回線サービスのほうが安心でしょう。
なお、auとソフトバンクの副音声サービスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
いかがでしょうか? もし今、通信障害や災害によって、スマホでネットや電話ができなくなったら、けっこう困りますよね。
eSIM対応のiPhoneを持っているなら、万一の事態に備えて、デュアルSIM運用を検討してみてはいかがでしょうか。毎月数百円の負担で最悪の事態を回避できるかもしれませんよ。
なお、iPhoneで格安SIMを利用してデュアルSIM運用する場合は少し注意が必要な部分もあります。まず、iPhoneは必ずSIMロック解除された「SIMフリー」状態であること。
また、大手キャリアを利用しているユーザーが、新たに格安SIMを導入してデュアルSIM運用するのは問題ありませんが、メイン回線を格安SIMにしている人は、iPhoneにネット接続設定の「APN構成プロファイル」がひとつしかインストールできません。
そのため、格安SIM2枚でのデュアルSIM運用ができない場合があります。実際に申し込む前にそのあたりをよくチェックしておきましょう。
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)