画面の破損や水没などスマホのあらゆるトラブルを解決してくれる“スマホ修理店”。ひと口に言ってもさまざまな店が展開されているため、「どのような修理店を選べばいいかわからない」と悩む人も多いでしょう。そこで今回はスマホ修理をおこなっているプロに、「スマホ修理店を選ぶ際の基準」について取材しました。プロ目線からの回答なので、今後の店選びの参考になるかもしれません。
スマホ修理のプロに「スマホ修理店事情」について聞いてみた!
正規店と非正規店に違いはあるの?
「スマホ修理店の選び方」について回答してくれたのは、スマホ修理をおこなっている「スマホステーション」の修理担当者。以前も「スマホを充電する最適なタイミング」について教えてくれたスマホ修理のプロで、今回も詳しく話を伺うことができました。
「スマホを充電する最適なタイミング」についてはこちらの記事を参考にしてください。
――そもそもスマホ修理店には正規店と非正規店がありますが、それぞれにどのような違いがあるのでしょうか?
スマホステーション修理担当者:『まず正規店と非正規店の大きな違いは“取り扱っている部品”で、正規店は純正品、非正規店は互換品を使っていることが多いです。
他は『保証内容』に違いがあって、たとえば正規店の場合、購入からの初期保証や加入可能な有料保証があります。初期保証は初期不良などが対象、有料保証は『AppleCare+』のような形式が多く、加入者は安価な修理が可能です。
一方で、非正規店は独自の保証を設けていることがあり、保証期間にばらつきがあるため修理依頼時に確認が必須です。非正規店での修理後、正規修理保証は対象外となる可能性が高いですね。
修理費用に関しては、非正規店は純正ではなく“互換品”を使用するため、安価で修理できることが多い印象を受けます。正規店は保証内の場合、安価な修理費用で済みますが、保証外だった時は高くつくことも少なくありません。
また、修理依頼した端末のデータの返却方法にも違いがあります。非正規店は故障部位を交換するため、基本データは“そのままの状態”で手元に返ってきますが、正規店の場合は症状によって本体を交換する場合もあり、データを“初期化した状態”で手元に返ってくることもあります。
これはちょっとした違いですが、正規店の多くは事前予約が必要で、非正規店は予約受付と飛び込みの対応をしている店が多いですね』
やはり、修理店を利用する側として費用が気になるところですが、非正規の方が互換品のために安く済む模様。しかし純正品ではないことで、受けられるはずだった修理保証が受けられなくなるため、価格だけを基準に利用するのは損する可能性があります。しっかりとスマホの保証期間を確認した後、正規店か非正規店のどちらが目的とマッチするか考えるべきでしょう。
「非正規店の方が失敗しやすい」という、うわさは本当なのか?
続いて質問したのは、ネット上で囁かれている「非正規店だと修理に失敗することが多い」といううわさについて。スマホ修理のプロとして、どのような回答なのか気になりますね。
――iPhoneの激安修理店(非正規店)では修理の失敗がよくあると耳にしたのですが、やはり正規店の方が失敗するケースは少なくなるのでしょうか?
スマホステーション修理担当者:『やはり修理スタッフ技術や設備は店によって違うため、修理に失敗する可能性はゼロではありません。
正規店は修理可能部位が絞られていることが多く、画面やバッテリーなどであれば部位交換をする場合もあります。ですが、カメラや充電口などは端末本体の交換になることがほとんどなので、失敗という心配は少ないかと思います。
ただ前述したように本体交換は、データや引き継ぎなどには注意をしないといけません』
正規店であれば本体ごと変えられる一方、非正規はそれができないためにリスクをともなう修理が多くなるようです。もちろん、どの店舗も修理スタッフの技術力によって失敗に終わることもありますが、それはスタッフの力量次第なので、正規や非正規は関係ないのかもしれません。
実は修理価格が安い機種は、iPhoneだった!?
正規店と非正規店の違いや失敗が起こりやすい店について聞きましたが、やはり「修理の際にかかる費用の相場」も気になりますよね。せっかくなので、修理の料金設定や店選びの基準に関する質問もしてみました。
――たとえば画面がつかない場合や、ひび割れの修理など、修理費用の相場はどのくらいなのでしょうか?
スマホステーション修理担当者:『画面の作りや流通量によって金額は変化します。地域によって物価差がありますが、たとえばiPhone 7などは2,000~5,000円ほどで画面交換できる非正規店が多いですね。
これは画面が現在、主流の高価なパーツである『OLED(有機ELディスプレイ)』ではなく、比較的安価な『LCD(液晶ディスプレイ)』であることや、iPhoneの場合、互換パーツは多くの種類があることが要因となります。
iPhone XやiPhone 11以降は『OLEDディスプレイ』になるため、非正規店でも修理費用が10,000円以上と高くなる傾向にあります。これはiPhoneに限らずXperiaやGalaxy、Aquosなどに関しても同様です。また、iPhone以外の機種はパーツ流通が少ないので、高価になりやすいとも言えます。
なお、正規店は『AppleCare+』なしの場合だと金額がグッと高くなり、機種や店の金額設定によりますが、画面修理代は約2万~6万ほどの価格になると思います』
日本では利用している人が多いiPhoneは、パーツの種類が多いなどの理由から、修理費用を比較的安価に抑えられることがわかりました。他機種の修理の場合は費用が高くなりやすいことを考えると、故障する回数が多めの人はiPhoneを利用するのが無難ですね。
スマホ修理店の選定基準は、サービス内容をしっかり確認すること!
続いて、今回のテーマの肝となる「スマホ修理店を選定する際のポイント」についても伺いました。
――スマホ修理のプロから見て、修理店を選定する際の目安やポイントがあれば教えてください
スマホステーション修理担当者:『一概にどういったお店に気をつけた方がよいのかというのは難しいのですが、まずは、修理方法や使用パーツの品質などを申請して許可された『総務省登録修理業者』なのかを確認することが非常に大切なポイントです。理由としては、一定基準以上のスキルや安全性があると判断できるためです。
他には“修理後の保証期間”が数日~数週間というケースにも注意してください。少なくとも初期不良として、1カ月~3カ月は保証してもらえる店が安心でしょう。
著しく保証期間が短かったり保証がない場合は、大量生産された互換パーツなどで安かろう悪かろうという品質の可能性があるため、避けた方が無難かもしれません。
企業努力により、安くて良い品質のサービスを提供されている店もあるので、あくまでも目安としてご留意ください』
取材協力:スマホステーション
まとめ
回答によれば、数多くあるスマホ修理店の中には「利用者に優しくないサービス」もあるとのこと。正規店や非正規店にかかわらず、修理を依頼する際はさまざまな店のサービス内容を比較して、最も自身の目的とマッチした店を選ぶようにしてみてくださいね。
●取材に協力して頂いたのはiPhoneやスマホの修理をおこなう「スマホステーション」は→こちら
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)