「au」の携帯電話の製造元「京セラ」が、一般消費者向けスマートフォンから撤退することを発表した。三太郎CMや個性あふれるデザインで知られるauの携帯電話を製造する京セラが5月15日に決定したもので、これで日本の携帯メーカーはわずか3社となる。今回は「京セラの一般向けスマホ事業から撤退」についてお伝えしよう。
京セラが一般向けスマホ事業から撤退
京セラは5月15日、一般消費者向けスマートフォンの販売から撤退すると発表した。これは、スマートフォンの買い替えサイクルの長期化と、5G化に伴うコスト上昇が採算性が悪化したためである。ただし、法人向け販売は続ける予定だ。谷本秀夫社長は、「5Gに移って部品が増え、価格も上がった。値上げに、市場からの許容性もあまりない。原価が上がって、とても利益が出せない」と説明した。
また、2019年10月の総務省による法改正で、スマートフォンの割引が上限22,000円に制限された。そして、2020年春以降の5Gの導入で端末価格は上昇。一部の高性能5Gスマートフォンは、20万円近くにも達している。この割引制限は現在も適用され、キャリアの提供する端末購入サポートプログラムは機器返却が前提だ。そのため「レンタル方式の購入」が主な負担軽減の手段となっている。
5Gの影響と採算性の悪化が原因
(画像引用元:MEDIA SKIN:ケータイ図鑑)
(画像引用元:INFOBAR 2:ケータイ図鑑)
1989年から携帯事業を展開してきた京セラは、亀の甲羅のようなデザインの「W11K」や「MEDIA SKIN」など、独特のデザインで支持を集めてきた。とくに耐衝撃・防塵・防水に優れた「TORQUEシリーズ」は、アウトドア愛好家や過酷な環境で働く人々の心をつかんできた。また「かんたんスマホ」は操作の簡単さからスマホ初心者やシニア層に愛用されるなど、京セラの製品は全年齢層へのスマートフォン普及に大きく貢献した。
京セラの撤退は、日本の携帯メーカーの減少という観点からも大きな損失となる。かつて10社以上あった日本の携帯電話メーカーは、ガラケーからスマートフォンへの移行や統合、撤退により、現在では「ソニー」、台湾の鴻海精密工業傘下の「シャープ」、「FCNT」のわずか3メーカーが残るのみである。京セラ創業者であり、KDDI設立に深く関わった稲盛和夫氏が2022年8月24日に逝去。その訃報との関連も指摘され、同氏の影響力の大きさが改めて偲ばれる。
※サムネイル画像は(Image:「ケータイ図鑑」公式サイトより引用)