1日の時間が限られるなか、ほぼすべての人が仕事や家事、勉強などの効率化にいそしんでいるはずだ。目標時間を設定して、気合いを入れて取り掛かりはじめたときに、スマホの画面が光るとともに「ピロン!」という音が鳴る……。集中が途切れてしまう、なんとも間が悪い“スマホあるある”だ。こうした日常の出来事に対して、「スマホに邪魔された」と感じる人もおり、それは世代間によって差があることがわかった。
スマホ利用者の40%以上が「スマホに邪魔されたことがある」とくに多い世代は?
スマホに関する調査結果を公開するモバイル社会研究所は5月25日、2023年2月にスマホ利用者を対象に調査した「スマホ利用時の経験」の結果を発表した。今回紹介するのは、「何かに集中しているときにスマホに邪魔された経験の有無」に関するデータだ。15~79歳までの計5652人の回答にもとづくグラフからは、スマホの受け止め方に世代間で差があることを浮き彫りにしている。
回答者全体では、「スマホに邪魔された経験がある」と答えたのは43.9%と半数に満たないという結果になった。しかし、年代別では結果が異なっており、10代では68.6%、20代は61.4%が「邪魔されたことがある」と回答するなど、若年層ほどその割合は高い傾向にある。一方で、60代は31.1%、70代は26.2%と少数派といえるほど「経験あり」の割合は低くなっている。
同調査では、スマホに邪魔されないための方法として「プッシュ通知」についてもアンケートを行っている。「自身でスマホのプッシュ通知の設定・解除をしている割合」では、全体で29.1%にとどまっており、集中して作業している際、スマホに邪魔されないための“自衛”はまだまだ活用する余地が残されているようだ。
「自分の時間を奪われたくない」Z世代の心情を象徴する結果に
「スマホの通知が鳴る」という事象に対して、邪魔されたと感じる人もいれば、何事もなくスマホを確認する人もいる。そのなかでも若年層に「邪魔された」と感じる人が多いことには、「電話嫌い」に代表されるZ世代に目立つ傾向が関係していると考えられる。会社というシーンでは、取引先などから電話がかかってくるのが常だが、近年は若年層が電話に出たがらないことがニュースでも話題になった。その理由として「LINEが当たり前で、電話のコミュニケーションが苦手」ということのほかに、「作業が中断するため集中力が途切れ、仕事の作業効率が上がらない」が挙げられ、いかに自分の時間や作業環境を大事にしているかがうかがえる。
通知へのリアクションひとつをとっても、ジェネレーションギャップがあることが明らかになった今回の調査。「たかがLINE、たかが電話」ではなく、相手がどうとらえるかに配慮してコミュニケーションをとる時代になるのかもしれない。
出典元:【モバイル社会研究所】