スマホの割引規制が22,000円から44,000円に見直す方向で話が進んでいる。5月30日に開催された総務省の有識者会議で見直しの方向性が示された。2019年10月の改正で、通信サービスの継続利用を条件とする割引が禁止され、通信と端末の分離が実現したのと同時に、通信サービスとセット販売する端末の割引は、上限を税込み22,000円としたが、それを見直すという。
スマホの割引規制が税込み2.2万円から4.4万円に規制される見込み
この規制が緩和されることで、スマホの端末は買いやすくなるのだろうか。総務省が5月30日に行った有識者会議「競争ルールの検証に関するWG」で、電気通信事業法第27条の3に関する見直しが行われた。この法令は、「通信料金と端末代金の完全分離」や「行き過ぎた囲い込みの禁止」を目的としたもので、2019年10月の改正で通信と端末の分離が実現した。
これは、通信サービスの継続利用を条件とする割引は禁止するというもので、いわゆる「2年縛り」が廃止になった。それと同時に、通信サービスとセット販売する端末の割引は上限22,000円と制限していた。3年前の改正からさらに状況が変わってきており、このたび、今までスマホ端末の割引額は最高22,000円だったのを、44,000円へと変更しようという話になっている。
今回の規制緩和で状況は改善するのか 抜け穴を利用した価格設定は変わらないのでは?
2023年5月に入って、富士通が事実上携帯電話市場からの撤退を発表し、京セラも個人向け携帯電話事業から撤退するとしている。今後は国内外の警察や消防など法人向けに高耐久性スマートフォンを販売していく方針のようだ。また、バルミューダも同月スマホ事業からの撤退を発表。バルミューダというとおしゃれなトースターなどの家電のイメージが強いが、2年前に参入したスマホ事業は次モデルの開発が困難などの理由でこのような結果になったようだ。各社とも原材料の高騰や円安、5Gスマホへの移行にともなう開発コストの増加など、要因はさまざまありそうだが、総務省が2019年に定めた2万円の割引規制のために高額な端末が売れない市場になってしまい、採算性が悪化したことも一因とする考えもある。
これで、国内の残る大手メーカーはソニーとシャープになりそうだ。これだけ普及しているスマホ事業から大手メーカーの撤退が続くというのは、採算の困難さが伝わってくるようだ。
少し話はそれたが、今回の規制緩和は功を奏すのだろうか。70,000円のスマホを回線契約の有無にかかわらず47,999円値引きして、端末価格を22,001円に設定して割引上限の22,000円を利用し、実態は1円スマホとして販売されていたケースもある。このような抜け穴が存在するので、今回、規制を緩めて割引上限を44,000円にしたところで、大きく変化するのか…今後の動向に注目したい。
引用元:【総務省】
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