より安く中古スマホを手に入れる手段として、フリマアプリやオークションサイトの活用を検討する人が増えてきた。思いもよらない掘り出し物が定価よりはるかに安価で手に入る可能性もあるが、実際に購入するにあたって注意を払うべきポイントなどもあるようだ。
そこで、今回は「中古スマホのイロハ」を運営しているガジェットブロガーStSt氏に、フリマアプリ「メルカリ」で中古スマホを購入する前にチェックすべきポイントを教えてもらった。
購入前に必ずチェックすべきポイントとは
iPhoneやAndroidが数多く出品されているメルカリだが、同じ機種でも出品者によって値段が大きく異なったり、記載されている情報にも違いがあったりと、比較して迷ってしまう人も少なくないのではないだろうか。中古スマホをメルカリで購入するなら、どのような点に気を付けて検討するべきなのか。
StSt氏によると、まず注目すべきは「ネットワークの利用制限」だという。
「まず最初にネットワークの利用制限に関しては、必ず確認しましょう。出品者がスマホを分割払いで購入していた場合、まだ本体代の残債があり、何かしらの理由でこの支払いが滞ると、スマホの電話回線は使用できなくなり、ロックがかかってしまいます。
中古スマホ市場では、支払いが完了しておらず利用制限がかかる可能性のあるスマホは“△”、既に利用制限がかかっているスマホは“×”、残債なくネットワーク利用制限がかかる可能性のないスマホは“◯”というステータスで表記されます。
メルカリでは上記の△、×の状態のスマホを出品してはいけないというルールになっていますが、出品者がルールを理解せず出品している可能性もあるため、自衛の意味でも購入前に必ず確認しましょう」
顔の見えない相手だからこそトラブルを防止するためにも、IMEI(端末識別)番号を出品者から聞き出しておくほうがいいという。
「15桁のIMEI番号を入力すると、各キャリアで利用制限がかかっていないかどうか確認できるチェッカーがネット上にありますので、ステータスが◯と記載されて出品されているスマホでも、念の為に調べてみたほうが安心でしょう。
また、ネットワーク利用制限のステータスが“-(ハイフン)”のスマホが出品されている場合もあります。基本的に“-”は、キャリアに登録していないSIMフリースマホなどで、◯と同じ扱いと捉えても問題ないのですが、やはりIMEI番号でチェックする手順は取るべきでしょう」
逆に、IMEI番号を伏せる出品者の場合は、取引を控えたほうが良さそうだ。その他のポイントについては、どうだろうか。
「バッテリーの劣化具合に関してもチェックをおすすめします。最大容量が80%を下回っている場合は、当然ながら本来の8割以下の時間しか利用できなくなるので、使い勝手は悪くなります。Androidの場合、Pixelシリーズのように外部のアプリを導入してバッテリー状態を推定するしかない機種もあり状態がハッキリわからない場合もあるので、その点も注意しておいたほうがいいでしょう。
SIMロックの有無については、2021年10月1日以降に発売されたスマホであれば基本的にSIMロックはかかっていないのですが、例えば人気のiPhone SEの第2世代は2020年の4月に発売された機種になるのでロックがかかっている可能性があります。少し古い機種を検討している場合は、SIMロックが解除されていると明記されているものを選びましょう。楽天モバイルで販売されているスマホはすべてSIMロックが解除されているので、『楽天モバイルで購入』と記載されている場合は解除されている可能性が高いです」
こうしたバッテリーの劣化状況やSIMロックの有無について、「商品の説明」欄に記載がない場合は、出品者に問い合わせるべきだという。これらの情報をハッキリさせない出品者からは、購入を避けたほうが無難だろう。
コスパ◎な狙い目中古スマホは…?
新品を買おうとすれば10万超えが当たり前のiPhoneだが、中古となると基本的にメルカリでどのくらいの価格で購入できるのか。
メルカリでの中古スマホ相場を調べるのであれば、売り切れになった同機種の販売価格を目安にすると良いようだ。
「購入したいスマホの直近の販売済価格を検索すると、大体どのような状態のスマホがいくらで売れているかが分かるので、相場勘を養えます。メルカリ以外の中古スマホのオンラインショップなどを覗いてみて、比較するのもオススメです。『中古スマホのイロハ』では、いくつかの中古スマホショップを横断検索できる機能が利用できるので、こうした横断的な検索が可能なサイトを活用してみてはいかがでしょうか」
いま中古スマホ市場で狙い目は、どの機種なのだろうか。
「iPhoneであれば、iPhone SEの第2世代がさらに人気になりそうです。SEシリーズがそもそも廉価版という位置付けで価格が安く設定されていて、中古スマホ市場でも大体2万強ぐらいが相場にも関わらず充分なスペックを備えているので、コスパはかなり高いと言えます。同じく人気だったiPhone 8が、今秋で最新のOSのサポートが打ち切られると発表されたため、乗り換え先の選択肢としても最有力候補になりそうです。
Androidでは、Pixelシリーズのコスパが他と一線を画していると言われています。現時点ではPixelの6aがオススメですが、先月登場したPixelの7aは今後の中古スマホ市場で狙い目の機種になってくるでしょう。最近のスマホは中古市場に出回るまでが早く、未使用品が出品されることも珍しくありません。欲しい新型スマホが発売されたら、少し我慢して中古市場に出回るのを待ってみてもいいかもしれません」
中古スマホをメルカリで購入するのは、「失敗したくない」という心理が働いてハードルが高いと感じる人もいるかもしれない。
「購入後に『思っていたものと違った』と感じたとしても、そのスマホをもう1度自分で出品してもいいわけですから、多少の損は取り返せます」とStSt氏がいうように、自分にはハマらなかった商品でも、他の誰かにとっては需要があるのがメルカリの面白いところ。
悪質な出品者と注意点さえしっかり抑えれば、破格で人気のスマホを手に入れることも可能かもしれない。
取材協力:『中古スマホのイロハ』StStさん