長期間の契約を結ばず、一時的にスマートフォンを使用したい場合に便利な「プリペイドSIM」。たとえば出張時にメインのスマホとは別に、短期的にもう一台スマホで通信できる状態にしておきたい場合などに重宝されます。
プリペイドSIMは家電量販店以外にもコンビニでも取り扱われていますが、近年は「データチャージカード」の取り扱いが拡大傾向にあり、プリペイドSIMの取り扱いはやや減少気味。
今回はプリペイドSIMをコンビニで購入する方法や、具体的に取り扱いがあるSIMの例を紹介します。
プリペイドSIMをコンビニで購入するには?どこで売ってる?
プリペイドSIMは、コンビニのプリペイドカードコーナーやマルチコピー機周辺で販売されています。コンビニでプリペイドSIMを探すときの目印は以下の通り。
プリペイドカード・金券コーナー
プリペイドSIMを取り扱うコンビニの場合の多くは、プリペイドカード・金券コーナーで販売しています。
マルチコピー機(SIM別売り)| データ通信のリチャージ向け
携帯・MVNO関連のプリペイドサービスは、店頭のマルチコピー機で扱われていることもあります。店頭にプリペイドカードや金券の取り扱いが無い場合は、マルチコピー機を見てみましょう。
(画像引用元:セブン-イレブン公式サイト「マルチコピー機」)
ただし、マルチコピー機で扱われているSIMは、厳密には「プリペイドSIM」ではなく「データチャージ向け」であることが多いです。データチャージ向けSIMはギガを使い切ってしまったときに再チャージしたり、子どもなどにギガをプレゼントするときのギフトカードとしての用途が想定されています。
その要因のひとつとして考えられるのが、格安SIMの普及。誰でも安くSIMを持てるようになり「SIMは持っているがギガが追加でほしい」ケースの方が増えたことが影響していると考えられます。
先述した通り、プリペイドSIMカードは、残念ながらコンビニ店頭での取り扱いは減少傾向。どちらかと言えば、家電量販店での取扱いの方が充実している傾向なのは事実です。
プリペイドSIMを販売している主なコンビニチェーン
プリペイドSIMは、ファミリーマート・ローソン・セブン-イレブンで取り扱っています。コンビニごとに、販売しているプリペイドSIMをご紹介します。
ファミリーマート
ファミリーマートは全国16,499店舗(2023年6月時点・ファミリーマート公式発表)。2015年11月15日から「BIC SIM えらべる SIM カード powered by IIJ」を販売しています。
参考元:ファミリーマート「コンビニエンスストア初! 「BIC SIM えらべるSIMカード powered by IIJ」 全国のファミリーマートで11月10日より販売開始!!」
ローソン
ローソンは全国14,631店舗(2023年2月時点・ローソン公式発表)。「IIJmioえらべるSIMカード」の取り扱いがあります。
ちなみにローソンではプリペイドSIMのほかに、IIJmioやauのデータチャージ向けのカードも販売しています。
セブン-イレブン
セブン-イレブンは全国21,407店舗(2023年6月時点・セブン-イレブン公式発表)。プリペイドSIMの販売はなく、データチャージ向けのカードおよびソフトバンクのプリペイド携帯の通信料向けのプリペイドカードを扱っています。
ほかにも、セブン-イレブンではauのLTE対応スマートフォン・タブレットにデータ容量をチャージできる「データチャージカード」を販売しています。
コンビニで買えるプリペイドSIMやデータチャージカードの例
ご紹介してきた通り、コンビニで取り扱っているプリペイドSIMやデータチャージカードは、おもに3種類。それぞれの特徴をご紹介します。
【プリペイドSIM】BIC SIM えらべるSIMカード powered by IIJ
ファミリーマートで購入できる「BIC SIM えらべるSIMカード powered by IIJ」の概要は以下の通り。
SIMカードサイズ | 標準SIM・microSIM・nanoSIM |
販売価格(課税対象外) | 3,000円 |
通信速度は、下り最大225Mbps・上り最大50Mbps(低速時は最大200kbps)。プラン・サービスの内容は以下の通りです。
ミニマムスタートプラン | ライトスタートプラン | ファミリーシェアプラン | |
音声通話機能付き(みおふぉん) | 1,600円 | 2,220円 | 3,260円~ |
SMS機能付き | 1,040円 | 1,660円 | 2,700円~ |
データ通信SIM | 900円 | 1,520円 | 2,560円~ |
バンドルクーポン (高速データ通信量) |
3GB/月 | 5GB/月 | 10GB/月 |
SIMカード枚数 | 1枚 | 最大3枚まで |
※税抜価格
【プリペイドSIM】IIJmio えらべるSIMカード
ローソン、ファミリーマートなどで購入できる「IIJmio えらべるSIMカード」の概要は以下の通りです。
SIMカードサイズ | マルチSIM(標準SIM・microSIM・nanoSIMに対応)、eSIM |
販売価格(税込) | 3,300円 |
SIMカード発行手数料 | タイプD:394円 タイプA:406円 eSIM(音声/データ):200円 |
IIJmio えらべるSIMカードのタイプA・タイプDの違いは、使用する通信回線。タイプAはau回線、タイプDはdocomoの回線を使用します。なお、プランの料金は以下の通りです。
2ギガプラン | 5ギガプラン | 10ギガプラン | 15ギガプラン | 20ギガプラン | |
音声SIM・音声eSIM(タイプAのみ) | 773円 | 900円 | 1,364円 | 1,637円 | 1,819円 |
SMS | 746円 | 882円 | 1,337円 | 1,619円 | 1,800円 |
データ(タイプDのみ) | 673円 | 819円 | 1,237円 | 1,573円 | 1,773円 |
データeSIM(ドコモ網のみ) | 400円 | 600円 | 1,000円 | 1,300円 | 1,500円 |
※税抜価格
【データチャージ】IIJmioクーポンコード
ローソン、ミニストップ、ファミリーマート、セブン-イレブなどで購入できる「IIJmioクーポンコード」は、IIJmioのSIMカードに対応したデータチャージカード。IIJmioクーポンカード・IIJmioクーポンカード/セレクタブル・IIJmioクーポンカード(デジタルギフトカード)の3種類があり、それぞれの詳細は以下の通りです。
・IIJmioクーポンカード(取扱店舗:ローソンなど)
データ量 | 価格 |
500MB | 1,500円(非課税) |
2GB | 3,000円(非課税) |
・IIJmioクーポンカード/セレクタブル(取扱店舗:ローソン・ファミリーマート)
データ量 | 価格 |
1GB | 2,300円(非課税) |
3GB | 4,100円(非課税) |
5GB | 5,400円(非課税) |
・IIJmioクーポンカード/デジタル(取扱店舗:セブン-イレブン、ローソン、ミニストップ、ファミリーマート)
データ量 | 価格 |
1GB | 2,300円(非課税) |
2GB | 3,000円(非課税) |
3GB | 4,100円(非課税) |
5GB | 5,400円(非課税) |
IIJmioクーポンカードは、いずれも利用期限が3カ月。利用期限が切れる前に使用しましょう。なお、IIJmioクーポンカードへのリチャージは、6カ月を過ぎるとできなくなる点にも気を付けてください。
コンビニでプリペイドSIMを購入するときの注意点
プリペイドSIMは、コンビニでの取り扱いが減少傾向にあるほか、いくつかの注意点があります。購入前に確認しておくと安心です。
ファミリーマート、ローソン店頭でも取り扱いはまちまち
前述の通り、プリペイドSIMはコンビニでの取り扱いが減少傾向にあります。そんななかで「BIC SIM えらべるSIMカード powered by IIJ」や「IIJmio えらべるSIMカード」は、ファミリーマート、ローソンでの取り扱いが続いている貴重なプリペイドSIM。しかし、プリペイドSIMの店頭在庫はファミマ、ローソンの各店舗によってまちまちなのも事実です。
プリペイドSIMは、家電量販店やオンラインでの販売へと移行しつつあるため、確実に入手したい場合は、コンビニ以外で探す方法も検討しましょう。
プリペイドSIMとデータチャージ向けカードを混同しないように注意
プリペイドSIMに比べて、ギガを補充する「データチャージ」向けのカードは、コンビニでの取り扱いが充実しています。
ただし、データチャージ向けカードには、SIMカードが同包されていない点に気をつけてください。「使いきりのSIMカードの購入ができる」のは、あくまでプリペイドSIMのみです。間違えて購入しないよう、確認しましょう。
購入後、すぐに使えるとは限らない
今回紹介した「BIC SIM えらべるSIMカード powered by IIJ」や「IIJmioえらべるSIMカード」は、いずれも「購入後、SIMを差すだけで使える」わけではありません。プリペイドSIMの購入後、専用ページで各種申し込みを経て、発送されてきたSIMカードを端末に挿入してはじめて利用できます。
SIMの発送までには、最短でも3~4日かかるため、その点を踏まえて購入しましょう。なお、「IIJmioえらべるSIMカード」はeSIMを選択できるので、スムーズに手続きできれば最短で開通可能。
より詳しい情報はIIJmioの公式サイトを確認してください。
コンビニでプリペイドSIMが見つからないときの対処法
コンビニでプリペイドSIMが見つからない場合は、家電量販店・大学生協・空港をチェックしてみるのがおすすめ。ここでは、コンビニでプリペイドSIMが見つからないときの対処法をご紹介します。
家電量販店での購入
プリペイドSIMはコンビニ店頭での取り扱いが減少している一方で、ヨドバシカメラやヤマダデンキなどの家電量販店では、いまだ多く取り扱っている場合も。コンビニ店頭でプリペイドSIMが見つからない場合、近くの家電量販店でも探してみましょう。
【学生の場合】大学生協で取り扱いがある場合も
学生の場合は、プリペイドSIMを大学生協で探してみるのもおすすめ。プリペイドSIMは大手キャリアと契約するよりも料金の節約になるケースがあります。学生からは一定の支持があり、大学生協でプリペイドSIMを販売していることも。
コンビニでプリペイドSIMが入手できない場合は、大学生協の売り場を探してみましょう。
参考元:IIJmio「大学生協でIIJmioの格安SIM販売中!」
【観光の場合】空港で取り扱いがある場合も
空港では、訪日客や観光客向けにプリペイドSIMを販売していることも。ちなみに成田空港では、SIMカードの自動販売機も存在します。空港の売店や自販機をチェックしてみるのも良いでしょう。
参考元:成田空港「携帯電話・Wi-Fiの貸出/SIMカード販売場所 第1ターミナル」
【海外での緊急の場合】iPhone 14は衛星経由での緊急SOSが可能なケースも
iPhone 14シリーズには衛星経由で緊急SOSを送信できる機能があります。電波の届かない場所からでも緊急通報するのが目的の機能で、簡単な操作で通報可能。
ただし衛星経由の緊急SOS機能は、日本での利用開始日等は未定。衛星経由のSOSに対応している国にiPhoneを持ち込んだ場合には、機能を利用できます。
ちなみにiPhoneの衛星経由のSOSは、米国グローバルスター社の技術を利用しています。グローバルスター社の衛星サービスは既に日本でも展開しています。そのためiPhone 14の本機能の日本展開も、意外と遠くないのではないでしょうか。
まとめ
プリペイドSIMは、審査や手続きが不要な手軽さが魅力で、コンビニでも一部で取り扱いがあります。しかし事実として、「データチャージ」に比べるとプリペイドSIMの需要は限定的とみられます。そのためコンビニでの取り扱いは非常に縮小傾向です。
なおプリペイドSIMを使う場合、物理SIMの場合はすぐに使えないケースがある点にも注意が必要。すぐに使いたい場合、ファミリーマートやローソンなどで購入できる「IIJmio えらべるSIMカード」の「データeSIM」を選ぶこともおすすめします。