ahamo(アハモ)は本当に電波悪い?実測速度の例とパケ詰まりの原因・対処法

「ahamo(アハモ)」はNTTドコモが2021年3月から提供を始めた携帯電話のオンライン限定料金プラン。ahamoはドコモ回線を利用しているので、基本的には電波は安定しています。しかし実際には、SNSなどで「電波が悪い」との口コミを見かけることもありますよね。

ahamoが本当に電波が悪いかどうか、実際の速度やドコモ回線に多く発生する「パケ詰まり」「パケ止まり」とはどういった現象なのか、対処法も含めて詳しく解説します。

ahamo(アハモ)は本当に電波悪い?

前述の通り、ahamo(アハモ)はドコモ回線を使用しているため基本的には電波は安定しています。ahamo(アハモ)の電波が繋がらない際には「パケ詰まり」と「パケ止まり」が起きている可能性があります。

【パケ詰まり】ドコモ回線は都市部で「パケ詰まり」が起こりやすい

アンテナバーが表示されているにもかかわらず、インターネットにつながらないという経験をしたことがある人も多いのでは。このような現象は「パケ詰まり」と呼ばれています。

「パケ詰まり」とは、携帯電話のアンテナが立っていて圏外ではないのに、通信速度が極端に遅くなる現象のことです。パケ詰まりは、通信中の「パケットロス」によって引き起こされ、通信速度が遅くなりデータの転送処理が追いついていない状態です

災害発生時や花火大会など、人が多くいる場所で同時に携帯電話が使用される場合、電波の干渉が発生しやすくなります。この場合、電波品質が劣化し、パケ詰まりが発生することがあります。

また、都市部や駅周辺など、トラフィックが増えている場所では、パケ詰まりが起こりやすくなります。増加したトラフィックを混雑エリアでさばききれなくなったため、通信が遅くなることがあります。

【パケ止まり】4Gから5Gに切り替わる際に電波が途切れやすい

「パケ止まり」とは、5Gマークが表示されているのに電波が繋がらない状態を指します。

「パケ止まり」とは、5Gを利用している際にパケット通信が止まる現象のことです。5G電波が弱い4Gと5Gのエリアの境目で、5Gへ優先的に接続しようとすることで、パケ止まりの事象が発生すると言われています

ahamo(アハモ)では5G回線が利用可能ですが、2023年現在、5G対応エリアはまだ拡張期の最中です。そのため基地局不足などによって、5Gに切り替わる際にahamoの電波が悪くなりやすいのは事実です。

屋内での電波は悪い?

屋内での電波の良し悪しは、環境によるところが大きいです。たとえば自宅でahamo(アハモ)の電波が悪い場合は、ドコモが公式に提供する電波を増幅する装置「ドコモレピータ」を利用することで、電波状況を大きく改善できます。この点については後半で詳しく紹介します。

ahamo(アハモ)は実際に電波悪い?実測速度の例

ahamo(アハモ)の通信速度はどのくらいなのでしょうか。ahamoの実測速度を調べてみました。

ahamo(アハモ)の回線速度
平均Ping値 48.74ms
平均ダウンロード速度 71.6Mbps
平均アップロード速度 9.62Mbps

※2023年9月20日現在の直近3カ月の平均速度になります。

参照元:みんなのネット回線速度「ahamoの通信速度レポート」

Ping値はインターネット接続時の応答速度を指標化したもので、50ms以下であれば「速い~普通」の速度と言えます。ahamoの平均Ping値48.74msは標準的な速度です。

ダウンロード速度は、ビデオ会議の利用で25Mbps、オンラインゲームをするには最低30Mbps必要と言われていますが、ahamoの平均ダウンロード速度は71.6Mbpsとこれをクリアしています。また、平均アップロード速度も9.62Mbpsと、動画をアップロードするにはやや時間がかかるおそれがありますが、テキストメッセージや写真はストレスなくアップロードできる速度があります。

総じて通常のスマホ利用であればストレスなく使える回線速度といえるでしょう。

ahamoの時間帯別の平均速度は以下の通りです。

時間帯 Ping 下り 上り
48.53ms 69.16Mbps 10.55Mbps
51.55ms 50.03Mbps 7.86Mbps
夕方 47.45ms 77.54Mbps 10.55Mbps
48.59ms 66.66Mbps 9.23Mbps
深夜 47.42ms 77.6Mbps 9.44Mbps

※2023年9月20日現在の直近3カ月の平均速度になります。

参照元:みんなのネット回線速度「ahamoの時間帯別の平均速度情報(直近3カ月)」

昼の時間帯に回線速度がやや落ちますが、おおよそ快適に利用できる速度を保っています。

【都道府県別】ahamoの実測速度

実際に都道府県別だとahamoの実測速度はどのようになっているのでしょうか。東京都、大阪府、愛知県、福岡県で測定された平均速度を比較してみました。

測定場所 平均ダウンロード速度 平均アップロード速度
東京都 58.21Mbps 8.78Mbps
大阪府 80.79Mbps 9.82Mbps
愛知県 123.64Mbps 12.3Mbps
福岡県 74.86Mbps 10.18Mbps

※2023年9月20日現在の直近3カ月の平均速度になります。

参照元:みんなのネット回線速度「都道府県別のahamoの通信速度レポート」

上記表を見ると、同じahamo回線であっても都道府県によってかなり速度の差があることが分かります。特に人口が集中している東京都では上りも下りもかなり速度が遅くなっています。逆に愛知県では平均回線速度よりかなり速い状態で通信を利用できます。

ahamo(アハモ)の電波が悪い際の改善策

ahamo(アハモ)の電波が悪い場合、ユーザーはどういった対処方法が取れるのでしょうか。

まず前提として、ahamo(アハモ)の電波の状態は、スマートフォン画面上部のステータスバーで確認しましょう。上の画像の通り、ぎりぎり電波が1本立っている場合は、かなり通信が不安定です。可能なら電波が状態が良い場所へ移動しましょう

電波が良い場所へ移動する以外のユーザーができる対処法は、以下の通りです。

【1】機内モードのオンオフ切り替え

電波が悪い原因が、基地局や4G通信と5G通信の切り替えが上手くいっていないことである場合、機内モードをオンオフするだけで改善することがあります。

機内モードを一旦オンにしてからオフにしてみましょう。iPhoneの場合はディスプレイの右上から下にスワイプして「コントロールセンター」を表示し、飛行機のマークをタップすることで簡単に機内モードをオンオフできます。Android端末の場合、「設定」を開き「ネットワークとインターネット」をタップし「機内モード」のオンオフが可能です

【2】端末を再起動

スマホ端末自体に問題が生じている場合、スマホを再起動すると電波の悪さが改善する場合があります。

スマホの電源を落とし、少し待ってから再度電源を入れます。Android端末で再起動ボタンがある機種を使っている場合、再起動ボタンを利用しましょう。再起動直後は通信しにくい場合があるので、時間を置いてから通信状況を確認しましょう

【3】「ネットワーク設定」のリセットを試す

iPhoneであれば「ネットワーク設定」をリセットすることで回線に接続できる場合があります。ただし、これまで使っていた Wi-Fi ネットワークとパスワード、モバイルデータ通信設定、VPN や APN の設定もリセットされ、再度情報の入力が必要になるので注意しましょう。

iPhoneで「ネットワーク設定」をリセットする手順は以下の通りです。

【1】「設定」アプリから①「一般」をタップします。【2】②「転送またはiPhoneをリセット」をタップします

【3】③「リセット」をタップします。【4】④「ネットワーク設定をリセット」をタップし、パスコードを入力して再度「ネットワーク設定をリセット」をタップするとネットワークの設定をリセットできます

【4】5Gをオフにする

5G通信と4G 通信の切り替えが上手くいかず、前述した「パケ止まり」が頻繁に起こる場合には、5G通信をしないよう設定を変更し、通信状況の安定を図ることもできます。

Android端末の場合、端末によって細かい箇所が異なる場合がありますが、一般的に「設定」を開き「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「優先ネットワークの種類」をタップし、5Gを除いた「4G /3G/2G」を選択することで、5G通信をしないよう設定を変更できます。

iPhoneで5Gをオフにする方法は以下の通りです。

【1】「設定」アプリから①「モバイル通信」をタップします。【2】②「通信のオプション」をタップします

【3】③「音声通信とデータ」をタップします。【4】通信回線の中から④「4G」をタップすれば、4G回線のみの利用になり、5G通信をしないよう設定を変更が完了です

【5】(屋内の場合)電波改善装置(ドコモレピータ)を利用する

自分の部屋の電波状況を改善したい場合、電波改善装置の「ドコモレピータ」を利用する方法があります。

「ドコモレピータ」とは、窓際まで届いている基地局からのLTE、FOMAの電波を増幅し、屋内の電波状況を改善する装置で、改善範囲はおおむね一部屋程度です。ahamoユーザーも利用できます

(画像引用元:ドコモ公式サイト

「ドコモレピータ」はドコモのお問い合わせ窓口に問い合わせ、電波改善策として提案を受けることにより利用が可能。ドコモから送られてきたドコモレピータは自身で窓際に設置する必要があります。レンタル料および配送料は無料ですが、利用中の電気料金はユーザー負担となります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

デュアルSIMの利用もおすすめ

ahamoの利用を継続したまま安定的に通信を利用したいならば、デュアルSIMを利用する方法もおすすめです。デュアルSIMとは、1台のスマホに2種類のSIMカードを挿入して利用することを言います。

一方のキャリアの電波が悪い場合に別キャリアで通信可能

大手通信会社でも近年大規模通信障害が発生しています。このようなとき、別キャリアのSIMカードも利用できる状態にしておけば、予備として機能します。ahamoの電波が安定しない場合にも利用できますし、いざというときに安心です。

ドコモ網以外のおすすめ格安SIMの例

物理的にSIMカードを2枚挿入できるスマホもありますが、iPhoneに代表されるように「物理SIMカードの挿入は1枚のみ、2枚目はeSIMのみ」という端末が多くなっています。そこで、ドコモ回線以外でeSIM、月額料金がおよそ1,000円程度のおすすめ格安SIMのプランをご紹介します。

通信会社
プラン名
月額料金
(税込)
データ容量 音声通話 通信回線
IIJmio
音声eSIM
2ギガプラン
850円 2GB au
povo
データ追加3GBトッピング
990円 3GB
(30日間)
au
楽天モバイル
Rakuten最強プラン
1,078円 3GBまで 楽天
LINEMO
ミニプラン
990円 3GB ソフトバンク

ahamo(アハモ)の電波の悪さについてよくある質問

ahamo(アハモ)の電波やサービスについて、よくある質問をまとめました。

ahamo(アハモ)の電波エリアのカバー率はどれくらい?

ahamoはドコモ回線を利用しており、4G通信対応エリアは人口カバー率が全国で約99%となっており、日本全国で安定して利用できます。ドコモによると、5G通信対応エリアは2024年3月までに全国すべての市区町村へ展開、人口カバー率90%以上の実現を目指しているとのことです。

参考元:ドコモ「5Gサービスのエリア展開を加速」

ahamo(アハモ)の解約方法は?

上述した対処法を講じても自宅や職場のahamoの電波がどうしても安定しない場合、ahamoを解約し、他の回線を使用するキャリアへ乗り換える手段もあります。ahamo(アハモ)の解約方法は、利用中のドコモUIMカード/ドコモeSIMカードを用意し、「ahamoお手続きページ」にアクセスしてログインし、「解約」を選択して手続きを進めます。ドコモショップ店頭での解約は基本的にできません。

なお、ahamoの料金は日割り計算されず、定額の月額料金がかかります。また、定期契約のある割引サービスや、留保解約金がある場合、解約の時期などにより解約金が発生する場合があります。解約手続きを行う前に、確認することをおすすめします。

まとめ

今回はahamoの電波が悪いかどうか実際に検証し、その対処法などを解説しました。ahamoの通信スピードは決して遅くなく、電波が悪いとは言えないのですが、利用者も多いためパケ詰まりを起こしやすく、また5G拡張期のためパケ止まりが発生しやすいエリアが多くなっています。音声通話やデータ通信ができなくなると仕事や家庭の事情で特に困る人は、万が一に備えて今回ご紹介したデュアルSIMの導入をおすすめします。

※サムネイル画像(Image:yu_photo / Shutterstock.com

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