新型「iPhone 15」の人気が、前モデルを大きく上回ることが明らかになった。米国では「15」の納期が前年比2倍、中国では4倍にまで拡大している。驚くことに、この爆発的な需要は、転売価格に大きく影響していないという。その要因も含め、Appleが市場の優位性をどのように 維持しているのか解説していこう。
新「iPhone 15」の人気急上昇、他モデルとの入手待ちの差は?
Appleの新しい「iPhone 15」シリーズは注目の的となっており、価格が最も低い基本モデルの入手待ち時間が、昨年発売の前モデルと比べてほぼ2倍に増加している。新しいモデルへの強い需要を示しているといえそうだ。
カウンターポイント・リサーチの調査によれば、米国での基本モデル「iPhone 15」を受け取るまでの待ち時間は10日間となっており、これは前年発売された「iPhone 14」の6日間よりも長い。さらに、最上位機種である「iPhone 15 Pro Max」の納期はこれまでで最長となっている。この2つのモデルが大きくアップグレードしていることが、高まる需要の背景にあるとみられる。しかし、その影響で「iPhone 15 Plus」と、「iPhone Pro」の入手待ち時間は短くなっており、これらの需要を奪っている格好となっている。
「iPhone 15」人気の秘密: 競合機種を凌ぐ注目度と下取りの魅力
Appleの最大の国外市場である中国では、「iPhone 15」の納期が、昨年比4倍に増加しているとカウンターポイントが指摘。「ファーウェイ」の新機種「META 60 Pro」などの競合品の中で、Appleが依然として注目を集めている。
また、配送時期の遅れにもかかわらず、転売価格の大幅な上昇は確認されていない。カウンターポイントは、中国の転売価格は小幅だとする9月22日付ブルームバーグの報道を引用。手持ちのiPhoneの下取りと、新型へのアップグレードの流れが背景にあると考えられている。
カウンターポイントのイバン・ラム氏は、スマホ需要の低下に対し、「下取りプログラムは買い替えを検討している消費者の購入意欲を支える、重要な役割をはたしている」との見解を示している。その上で、Appleの市場支配力を維持する上で「下取りプログラムの存在が、ますます不可欠になりつつある」とも述べており、Appleの競争力の維持は、今後の技術と市場の要となるだろう。
参照元:【Bloomberg】
引用元:【Counterpoint】
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