ソフトバンクは、新料金プラン「ペイトク」を10月3日から開始する。“魔法のようにポイントが貯まる!”をうたい文句にしているが、はたして実際はどうなのだろう? ソフトバンクに限らず過去の事例では、「新料金プラン=実質値上げ」というケースも少なくないが……。
月間利用データ容量30GB・50GB・無制限の3種類のプランを用意
ペイトクは、月間の利用可能データ容量と、決済アプリ「PayPay」利用時(残高/クレジット)のポイント還元率を組み合わせたもので、大容量かつ、高額のプランになるほどPayPayの還元が多く受けられる仕組み。
プランは3種類用意。「ペイトク30」は30GB・月額7,425円(税込。以下同)で、還元率は+1%・付与上限1,000円相当。「ペイトク50」は50GB・月額8,525円で、還元率は+3%・付与上限2,500円相当、「ペイトク無制限」は無制限・月額9,625円で、還元率は+4%・付与上限4,000円相当となっている。
3プランとも、家族や固定回線とセットで利用すると割引が適用される「新みんな家族割」や、「おうち割 光セット」の対象。加えて、新たに提供される「PayPayカード割」で月額187円が割引される。そのため、たとえば月額9,625円の「ペイトク無制限」に加入し、新みんな家族割(3人以上)、おうち割光セット、PayPayカード割が適用されると、1人あたりの月額は7,128円となる。
さらに、1カ月にPayPayで、8万円分の決済を行った場合は4,000ポイントが付与され、それを料金の支払いに充てれば、実質負担額は3,128円という計算だ。
月額料金を最大4,000円下げるには、月8万円のPayPay決済が必要
これだけ見るとおトク感もかなりあるものの、あくまでPayPayの利用が前提なのは言うまでもない。上記のとおりペイトク無制限で上限まで受け取るには月8万円、それ以外のペイトク50Gなら月8万3千円強、ペイトク30Gなら月10万円、PayPayで決済しなければならない。かなりのPayPayユーザーでないと上限達成は難しそう。また、税金や公共料金などを支払える「請求書払い」の他、一部ポイント付与の対象外となるものもあるので、注意してほしい。
こういった事情も踏まえてか、新料金プランの開始に合わせて「ペイしてトクトクキャンペーン」を実施。2024年2月20日までの決済期間に、対象決済時のPayPayポイントの付与率が3倍になる。その他、2024年3月31日までに「ペイトク」に加入し、ソフトバンクプレミアム「エンタメ特典」の対象サービスに加入すると、月額料金の最大50%のPayPayポイントが付与されるキャンペーンなども行う予定だ。
なお、データ容量無制限プランとして、これまであった「メリハリ無制限」は10月3日以降、「メリハリ無制限+」として新たにサービスを開始。月額基本料は、これまでの7,238円から7,425円と値上がりしたが、新たに追加される「PayPayカード割」で相殺可能だ。ただし、月のデータ利用量が200GBを超えると、月末まで通信速度4.5Mbpsに制限されるほか、勝手に割引してくれるデータ利用量が従来の3GBから2GBへと下げられており、あまり使い勝手がよいとは言えないかもしれない。