格安スマホやSIMを提供している「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」は、「MNO(移動体通信事業者)」と呼ばれる大手携帯電話会社の基地局や、帯域を間借りする形で通信やインターネットのサービスを提供しています。大手と比較して料金の安さに魅力を感じている人も多いと思いますが、その実態はどうなのでしょうか。MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、18歳~69歳の男女40,000人を対象に、「2023年9月MVNOのシェア・満足度調査」を実施し、契約しているサービスやその満足度などについて質問していました。
スマートフォン利用者の1割弱がMVNOを利用
最初に、18歳~69歳の男女40000人のうち、通信契約しているスマートフォンを所有している36331人を対象に、「メインで利用しているスマートフォンの通信サービス」を質問。すると、「MVNO」を契約していると回答した人は全体の9.8%でした。
2021年11月の9.3%以降は9%台で横ばいの状態が続いており、1割程度がMVNOを利用するというバランスで落ち着いているようです。
メインで契約しているサービス第1位は「OCN モバイル ONE」
次に、メインのスマートフォンでMVNOを契約している3544人を対象に、どのサービスを契約しているのか質問。すると、最も多かったのは「OCN モバイル ONE」で19.8%、続く2位が「楽天モバイル」の14.8%、3位が「mineo」の12.9%、4位が「IIJmio」の11.4%、5位が「イオンモバイル」の6.7%という結果になりました。
2023年6月に新規契約受付を終了(既存の契約者へのサービスは継続中)してしまった「OCN モバイル ONE」ですが、非常に安い価格で利用できるのが人気の理由の1つのようです。10GBまでのプランしかありませんが、それで十分容量が足りるという人には支持されているようです。
利用者が増加したのは「OCN モバイル ONE」のみ
続いて、MVNOの6つのサービスについて、その割合の推移を調べています。その結果、前回との比較で割合が増加しているのは、1.4ポイント増の「OCN モバイル ONE」のみで、最も減少しているのは「楽天モバイル」のマイナス1.7ポイントでした。
また、2022年2月の結果と比較すると、4.5ポイント増加した「OCN モバイル ONE」と、1.4ポイント増加した「IIJmio」を除く4つのサービスの利用割合が減少しているのがわかります。
総合満足度では「イオンモバイル」が1位を獲得
さらに、予備調査でMVNOの6サービスを利用していると回答した900名を対象に、「利用しているサービスの総合満足度」を尋ねました。すると、最もポイントが高かったのは「イオンモバイル」の767ポイントで、ついで2位が「IIJmio」の764ポイント、3位が「OCN モバイル ONE」の759ポイント、4位が「mineo」の757ポイント、5位が「BIGLOBEモバイル」の718ポイント、6位が「楽天モバイル」の706ポイントとなりました。
「イオンモバイル」には、0.5GBから50GBまでの豊富な料金プランがあります。また、イオンのほとんどの店舗に実店舗があり、対面でサポートが受けられる安心感が満足度を底上げしているのかもしれません。
NPS(顧客推奨度)では「IIJmio」が1位に
最後に、MVNOの6サービスを利用していると回答した900名を対象に、「家族や友人におすすめしたいかどうか」について質問。10点満点で9~10点が「推奨者」、7~8点が「中立者」、0~6点が「批判者」として、推奨者から批判者を引いたNPS(ネット・プロモーター・スコア/顧客推奨度)を算出しています。
すると、最もNPSが高かったのは「IIJmio」でマイナス2.7ポイントでした。ついで、2位が「イオンモバイル」のマイナス5.3ポイント、3位が「OCN モバイル ONE」と「mineo」のマイナス15.3ポイントという結果に。「IIJmio」は、通話料金が安く、容量を家族でシェアできる、端末が安く購入できるといった価格面に加え、サービスセンターの対応のよさも人気の理由となっているようです。
MVNOの6サービスについて調査結果をご紹介しましたが、料金プランや回線の速度、サービス対応など、それぞれに支持される理由があるようです。MVNOへの乗り換えやサービスの切り替えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
出典元:【MMD研究所】