長年iPhoneを使っていると、写真やメールなどのデータでストレージがパンパンになってきますよね。もちろん、iPhoneではAppleが提供するクラウドストレージ「iCloud」を利用できますが、無料で使えるのはたった5GBしかありません。そこで注目したいのが、15GBまで無料で使える「Googleドライブ」です。果たして、データのバックアップはどちらを使うのがいいのでしょうか?
iPhoneユーザーなら有料のiCloud+を利用するのが定番だが……
iPhoneのカメラは画質がいいので、日常の風景や旅先、飲み会などのイベント写真もバンバン撮ってしまいますよね。
ほかにも、iOSのアップデートや新しいアプリのインストールなどもありますので、数年でiPhone本体のストレージ容量がパンパンになってしまう人も多いでしょう。
そのような状況の解決策として、真っ先に思い浮かぶのがAppleが提供するクラウドストレージサービス「iCloud」でしょう。
そもそもiCloudはApple IDを作成時に「~@icloud.com」のメールアドレスで登録することで、5GBまでのクラウドストレージを無料で利用できます。
しかし、正直言って5GBはアッという間に使い切ってしまうので、不要な写真やアプリを削除するか、「iCloud+」という有料ストレージサービスを申し込むことになると思います。
23年10月25日現在、Appleの提供する有料クラウドストレージ「iCloud+」は、50GBで月額130円、200GBで月額400円、2TBで月額1,300円、6TBで3,900円、12TBで7,900円の5プランがあります。
ちなみに、AppleではApple tv+、Apple Music、Apple Arcadeがセットになった「Apple One」というプランも用意されています。
こちらは「個人」なら50GBのストレージが付いて月額1,200円、家族5人まで共有可能な「ファミリー」なら200GBのストレージが付いて月額1,980円というお得なプランになっています。
しかし、iPhoneユーザーにとって本当にiCloud+が最善の選択肢なのでしょうか? そこで今回は、iPhoneでも利用できるGoogleのクラウドストレージサービス「Googleドライブ」とサービス内容を比較してみたいと思います。
Googleの「Googleドライブ」ってiPhoneでも使えるの?
AndroidスマホではGoogleアカウント(Gmail)を取得することで、Googleが提供するさまざまなサービスを利用できるようになっています。
なかでも、クラウドストレージサービスの「Googleドライブ」はiPhoneにおけるiCloudのようなサービスで、Googleアカウントがあれば、誰でも15GBまでは無料で利用できるのです。
有料プランは「Google One」という名称で提供されており、Google ドライブ、Gmail、Googleフォト共通の容量を追加で購入できるプランになっています。
もちろん、iPhone向けにもGoogleドライブアプリが提供されており、Googleアカウント(Gmail)を取得するとことで、15GBまでは無料で使えるのです。
また、有料サービスのGoogle Oneは100GBで月額250円(年額2,500円)、200GBで月額380円(年額3,800円)、2TBで月額1,300円(年額1万3,000円)となっており、年契約すると16%ほど割引されて、さらにお得に利用できるようになっています。
iCloudとGoogleドライブはどちらがお得なの?
それでは、iPhoneに保存された写真や動画、書類データなどをバックアップすることを前提に、iCloudとGoogleドライブを比較してみましょう。
まず、iCloudは無料でクラウドストレージが5GBまで利用できます。この容量には、写真や動画以外にもiCloudメールや書類データなども含まれています。
したがって、iCloudを写真や動画のバックアップに使うには限界があり、やはり有料プランのiCloud+を利用するのが現実的でしょう。
次に、Googleドライブは無料でクラウドストレージが15GBまで利用できますので、iCloudより3倍もお得です。
ただし、この容量にはGmailやGoogleドライブ、Googleフォトのバックアップ分も含まれています。
この両者の有料サービス料金を比較してみると、iCloud+は50GBの月額130円から利用できますが、Google Oneは100GBの月額250円から利用可能となっています。
また、200GBプランはiCloudが月額400円なのに対しGoogle Oneは月額380円とやや安く、年間契約では1,000円ほどお得になります。
2TBプランはどちらも月額1,300円ですが、Google Oneのほうは年間契約で16%オフとなり、2,600円も安くなるのことに注目しましょう。
つまり、単純にクラウドストレージサービスとして比較してみれば、iCloud+よりもGoogle Oneのほうがお得に利用できるということになります。
iCloudとGoogleドライブを組み合わせて使うのがオススメ!
iCloudとGoogleドライブの料金を確認したところで、実際の運用方法を考えてみたいと思います。
そもそも、iCloudはiPhoneデフォルトのクラウドサービスなので、iPhoneのデータを丸々バックアップしておけるのが最大のメリットです。
機種変更や、端末の故障&紛失時のバックアップとして決してハズすことはできません。
したがって、iCloud+有料で50GBプランくらいは各種データのバックアップ用に使用し、写真や動画などのデータだけをGoogleドライブにアップロードしておくというのが現実的でしょう。
Googleドライブの無料分(15GB)を使い切ったら、そのときは100GB~2TBのプランを契約すればいいと思います。
たとえばiCloud+の50GB(月額130円・1年で1,560円)プランでiPhone全体のバックアップを取っておき、写真や動画の保存用にはGoogle Oneの100GBプランを年契約して年間2,500円支払います。
この場合、両方のプランの利用料金を合計しても、年額では4,060円で済む計算になります。
年間4,060円が高いか安いかは、人によって感じ方が違うと思いますが、たとえば、パソコンに保存していても、パソコンのHDDが壊れたりした場合は、過去の思い出がすべて消えてしまう恐れがあります。
万一のことを考えると、やはりデジタルデータは信頼のおけるクラウドストレージサービスを使うのがもっとも安全でしょう。
自分の思い出(写真や動画)の価値がいくらなのか、ここで改めて考えてみてください。
外部ストレージにデータを保存するという選択肢も!
ここまで、クラウドストレージの話をしてきましたが、お金を払ってこのようなサービスを契約することに抵抗がある人もいるでしょう。
その場合は、やはりiPhoneをUSBで接続してパソコンにデータをバックアップするか、パソコンがない人は、USBメモリやUSB接続のSSDなどにバックアップすることになります。
そもそも、SDカードスロットのあるAndroidスマホなら、SDカードに写真や動画を簡単にバックアップできますが、iPhoneにはSDカードスロットがありません。
しかし、最新のiPhone 15シリーズでは汎用性の高いUSB-Cが利用できますので、格安なUSB Type-C接続のUSBメモリなどを簡単に利用できるようになりました。
とくにUSB-3対応のiPhone 15 Proシリーズなら、高速なSSDタイプがオススメになります。
たとえば、アイ・オー・データ「IODATA スティックSSD 1TB USB-A&USB-C搭載 小型 ポータブル【iPhone15動作確認済み】」は、1TBで8,480円、500GBなら4,980円で購入できます(23年10月25日現在)。
しかも、反対側の端子はUSB Type-Aになっているのでデスクトップパソコンにもそのまま接続可能です。これなら、2重、3重にiPhoneの写真や動画をバックアップすることが可能ですね。
なお、USBメモリやUSB接続のSSDの寿命は、5~10年程度と言われており、永久にデータを保存できるわけではありません。
とくに通電せずに放置しておくとデータが早めに消えてしまうという説もありますので、USBメモリやUSB接続のSSBに保存したからと言って、100%安全ではないことは理解しておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか? 今回はiPhoneユーザーがデータのバックアップをどうすればいいか検討してみました。
基本的にはiPhoneユーザーはiCloud+を契約すればいいのですが、写真や動画の容量が大きい場合は、やはりGoogleドライブの利用も検討したほうがいいでしょう。
クラウドストレージサービスは月額利用料がかかるので、そこに抵抗を感じる人もいると思いますが、万一のことを考えると、もっとも安全にデジタルデータを保存できる方法です。
もし、iPhoneのストレージがパンパンだという人は、ぜひ一度有料のクラウドストレージ契約も検討してみてください。
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)