スマホキャリアを選ぶ際、通信速度は重要なポイントのひとつ。自宅ではWi-Fiに接続できても、外出先では動画がカクカクする、オンラインゲームも満足にできないという場合、モヤモヤしてしまうでしょう。
そこでこの記事では、キャリア別のスマホの通信速度の平均値を徹底調査。キャリアの一覧と、スマホの速度が遅い場合の対処法もご紹介します。
【主要キャリア】スマホの通信速度の平均:回線速度が高速なキャリアはどこ?
ネットの回線速度は「上り」「下り」と表現されます。「上り」はアップロード速度を指し、「下り」はダウンロード速度を指します。
今回調査したキャリアの速度について、結論を下の表にまとめました。
キャリア&格安SIM | 平均速度 |
au | 平均ダウンロード速度: 78.02Mbps 平均アップロード速度: 13.52Mbps |
povo | 平均ダウンロード速度: 100.38Mbps 平均アップロード速度: 16.96Mbps |
ドコモ | 平均ダウンロード速度: 120.64Mbps 平均アップロード速度: 14.29Mbps |
ahamo | 平均ダウンロード速度: 74.85Mbps 平均アップロード速度: 9.49Mbps |
ソフトバンク | 平均ダウンロード速度: 100.96Mbps 平均アップロード速度: 17.71Mbps |
LINEMO | 平均ダウンロード速度: 76.3Mbps 平均アップロード速度: 16.01Mbps |
楽天モバイル | 平均ダウンロード速度: 82.85Mbps 平均アップロード速度: 29.85Mbps |
mineo | 平均ダウンロード速度: 42.57Mbps 平均アップロード速度: 10.27Mbps |
イオンモバイル | 平均ダウンロード速度: 35.21Mbps 平均アップロード速度: 9.43Mbps |
(参考元:みんなのネット回線速度)
詳細については以下の項目で解説します。
au:(下り)78.02Mbps
(画像引用元:au公式サイト)
なお、ICT総研が2023年7月に行った通信速度実測調査で、山手線内の通信速度でもっとも通信速度が速かったのがauだったと判明しています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
povo:(下り)100.38Mbps
(画像引用元:povo公式サイト)
povoはauの格安プランであり、auの通信回線を利用しています。そのため、たとえばauで定評がある山手線内での利用でも同等に通信できると期待されます。一部注意点こそあるものの、povoは0円運用もできるため2回線目として確保するのも良いでしょう。
ドコモ:(下り)120.64Mbps
(画像引用元:ドコモ公式サイト)
なお従来、ドコモは「ギガライト」「ギガホプレミア」といった料金プランを提供していました。詳しくはこちらで紹介しています。
一方で2023年現在、ドコモは「ahamo」を中心とした料金プランへと切り替えを進めています。そのため新しくドコモに乗り換える場合は「ahamo」「irumo」「eximo」のいずれかに加入するのが良いでしょう。
ahamo:(下り)74.85Mbps
(画像引用元:ahamo公式サイト)
ahamoの通信速度や電波についてはこちらでより詳しく解説しています。
ソフトバンク:(下り)100.96Mbps
(画像引用元:ソフトバンク公式サイト)
ソフトバンクは新料金プラン「ペイトク」の提供を開始。データ無制限プランも提供しており、PayPayユーザーの方にとってはお得感が強まっています。こちらの記事でより詳しく解説しています。
LINEMO:(下り)76.3Mbps
(画像引用元:LINEMO公式サイト)
なおMMD研究所の調べでは、LINEMOは「おすすめしたい」キャリアとして注目されています。契約データ容量を越えてもLINE関連の通信は維持されるため、データ容量が小さなプランでもLINEは快適に使える点が独創的と言えるかもしれません。
楽天モバイル:(下り)82.85Mbps
(画像引用元:楽天モバイル公式サイト)
なお従来、楽天モバイルは「エリアによっては自宅でも圏外」など通信品質の低さが話題になっていました。しかしau回線のローミングや、2023年秋のプラチナバンド獲得によってこれらの懸念の大半は解消される見込みです。
こちらの記事でも解説しています。
【格安SIM】mineo:(下り)42.57Mbps
(画像引用元:mineoモバイル公式サイト)
なお、筆者はmineoを6年以上利用していますが、都心であっても過疎地であっても「繋がらない」と感じたことは一度もありません。2023年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査でMVNO業種の顧客満足1位を獲得していることもあり、おすすめできる格安SIMのひとつです。
【格安SIM】イオンモバイル:(下り)35.21Mbps
(画像引用元:イオンモバイル公式サイト)
イオンモバイルは公式サイト上で参考速度を毎年公開しており、それによるとタイプ1(au回線)の平日昼間の速度はおおむね50~60Mbps。実際に検証した結果、公表されているデータよりも少々遅いという結果になりました。
スマホの通信速度の見方について、詳細を解説します。
「アップロード速度」「ダウンロード速度」とは?
先述した通り、「アップロード速度=上り」、「ダウンロード速度=下り」。アップロード速度は、スマホからインターネットにデータを送信する速度のことで、メールやSNSの投稿などに影響します。ダウンロード速度とは、インターネットからスマホにデータを受信する速度のことで、動画や音楽のストリーミング再生などに影響します。
通常、ダウンロード速度の方がアップロード速度よりも高くなります。
速度の「Mbps」「Kbps」とは?
スマホの通信速度の単位には、MbpsとKbpsがあります。Mbpsとは、メガビット毎秒のことで、1秒間に何メガビットのデータを送受信できるかを表します。Kbpsとは、キロビット毎秒のことで、1秒間に何キロビットのデータを送受信できるかを表します。1メガビットは、1,000キロビットに相当します。つまり、1Mbpsは1,000Kbpsと同じです。スマホの通信速度は、通常、Mbpsで表されます。
スマホを快適に使用できる通信速度はどのくらい?
スマホを快適に使用できる通信速度は、利用するサービスやコンテンツによって異なります。一般的に、以下のような目安があります。
実際にスマホの通信速度を自分で測定してみよう!
スマホの通信速度は「スピードテスト」を行うと簡単に計測可能。スピードテスト向けのサービスは主に光回線向けに各社より提供されていますが、4G/5Gの計測もできます。こちらで詳しくまとめています。
【要注意】スマホの通信速度は環境によって変わる
スマホの通信速度は、そのスマホがいる位置によって大きく変わる点に注意が必要。端的に言えば、基地局が少なく、人が多い場所ではスマホの速度は遅くなります。
mineo(Aプラン)のスマホ(Pixel 6a)でさまざまな場所で速度の計測を行ってみました。
【例】新幹線
夏休みの新幹線に乗った際に計測したところ、下りが140Mbps、上りが8.4Mbpsでした。
【例】東京駅
お盆中の東京駅で計測したところ、下りが9.3Mbps、上りが18Mbps。新幹線内と比べ、明らかに数値が変わっていました。
【例】音楽フェス
事前に主催側が「スマホが繋がりにくい」とアナウンスしていたロックフェスの会場で測定したところ、下り2.1Mbps、上りが24Mbpsともっとも低い数値でした。
スマホの通信速度を上げる4つの方法
スマホの速度を上げるための4つの方法をご紹介します。
通信する場所を変える
先述した通り、通信速度は場所によって変わります。たとえば建物や障害物が多い場所などにいる場合、通信する場所を変えることで速度を上げることができます。
スマホを再起動する
スマホを長時間使っていると、メモリやキャッシュが溜まって、通信速度に影響が出ることがあります。そのため、スマホを再起動することで、メモリやキャッシュをクリアして、通信速度を上げることができます。
速度制限を確認する
スマホの通信速度が遅いと感じたときには、速度制限にかかっていないかを確認しましょう。契約しているプランのデータ容量を使い切っている場合、速度制限がかかり、通信速度が強制的に落とされます。
Wi-Fiを利用したり、データ容量を追加で購入したりしましょう。
キャリアを変える
スマホの通信速度が遅いと感じたときには、キャリアを変えることも一つの手。キャリアによって、提供する回線やプラン、通信速度が異なります。自分の利用状況や予算に合わせて、最適なキャリアを選ぶことで、通信速度を上げることができます。
まとめ
近年は格安プランであっても、大手キャリアに引けを取らないほど通信速度の速いキャリアが登場しています。キャリアを選ぶ際には、自身が普段利用しているサービスやコンテンツに合ったプランや通信速度を選ぶようにしましょう。本記事でご紹介した通信速度や速度が遅い場合の対処法もぜひ参考にしてみてください。
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)