2019年9月5日、日本経済新聞は「HUAWIE(ファーウェイ)が2019年9月中旬以降に発売する海外向けスマホの新機種では、Googleの主要アプリを搭載しなくなる見込み」と報じた。「Gmail」や「グーグルマップ」が使えないスマホなんて誰が買うのだろうか? 今回は、米中貿易戦争で揺れるHUAWEIの動向を解説する。
本当にHUAWEI(ファーウェイ)でGoogleアプリが使えなくなるの?!
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日本では、韓国との歴史問題による対立が貿易摩擦にまで発展しているが、米国と中国の貿易戦争も一層激しさを増している。その米中貿易戦争の影響をモロに受けているのが中国のHUAWEI(ファーウェイ)だ。オトナライフでも、すでにHUAWEIスマホのバッグドア問題や販売禁止措置についてお伝えしてきたが、日本では3大キャリアが再びHUAWEIスマホを取り扱うようになったため、ここしばらくはあまり話題になっていなかった。
しかし、2019年9月5日に日本経済新聞は、「HUAWIEが2019年9月中旬以降に発売する海外向けスマホの新機種では、Googleの主要アプリを搭載しない見込み」と報じたのである。この報道が本当だとすると、HUAWEIスマホでは「Gmail」や「グーグルマップ」などが使えないことになるが、日本でそんなスマホをいったい誰が買うというのだろうか?
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HUAWEI(ファーウェイ)のスマホは基本性能が高く、LEICAと提携した高画質カメラがウリ。それでも、「Googleマップ」や「Gmail」などが使えないスマホを買う人がいるとは思えないが……
「Google Play ストア」のないAndroidって何?
2019年5月、米国トランプ政権は、事実上HUAWEI(ファーウェイ)に対して禁輸措置を発動した。これにより、GoogleもHUAWEIとの取引が禁止されることになった。そこでHUAWEIは交渉決裂に備え、独自OS「鴻蒙(ホンモン)」を発表して対決姿勢を示していたが、この先、本当にHUAWEIスマホがAndroidと決別するかは不透明なままであった。そんな矢先に、今回の日本経済新聞の報道が飛び出したのである。
そもそも、AndroidはオープンOSであるため、誰でも自由に利用できる。だが、アプリを入手できる「Google Play ストア」や動画共有サイトの「YouTube」などを含む「Google モバイル サービス(GMS)」は、Googleがライセンスを供与している。もし、本当にGoogleがHUAWEIに対して「Google モバイル サービス」のライセンスを供与しなければ、「Google Play ストア」からアプリをダウンロードすることができなくなる。ところが、HUAWEIは2019年9月20日発売の「New HUAWEI P30 Pro」には最新OS「Android 10」と「Google Play ストア」を搭載すると発表しており、情報はかなり錯綜している状態だ。とはいえ、現在もHUAWEIとGoogleの取引禁止措置は継続しているのは間違いなく、米中貿易戦争が解決しない限り、いずれHUAWEIのスマホで「Gmail」や「グーグルマップ」が使えなくなるであろう。
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「Google モバイル サービス」には「Google検索」「Google Chrome」「YouTube」「Google Play ストア」などが含まれる。これがないと、もはやAndroidスマホとは呼べない代物になってしまう