IT専門調査会社のIDC Japan株式会社が12月4日、国内の従来型携帯電話およびスマートフォン端末の2023年第3四半期(7~9月)の出荷台数を発表した。熾烈なシェア争いが繰り広げられているスマートフォン市場では、iPhoneシリーズを展開する米・Apple社が半数以上を超えるシェアで1位に。他社の追い上げに注目が集まりそうだ。
従来型携帯電話およびスマートフォン端末の出荷台数内訳が判明
同社によると、2023年第3四半期における国内市場の従来型携帯電話およびスマートフォン端末の合計出荷台数は、前年同期比4.2%減の693万台だった。また、スマートフォンの出荷は689万台(前年同期比4.4%減)で、出荷された端末のほとんどをスマートフォンが占めているといっても過言ではない状況が続いている。
OS別では、iOSが前年同期と比べると1.8%増加しているのに対し、Android系が10.1%も数字を落としている。この現象について同社は「Top5の常連であったFCNTが当該四半期においては出荷がなかったこと、またキャリアの在庫調整も終わっていないことが影響」と分析した。
Appleがシェアの半数を獲得 スマホ市場の競争激化
また、調査ではスマートフォン市場のベンダー別シェアも公表された。1位のAppleは51.0%のシェアを誇り、前年同期比から3ポイント上昇させるなど、そのトップの座を譲ることは当面なさそうだ。2位のGoogleは、2023年10月に「Google Pixel 8」を新たに市場に投入。プロモーションに力を入れており、市場拡大を着実に狙う姿勢を見せている。
同社のマーケットアナリスト・井辺将史氏は「キャリアの在庫調整はいまだに続いており、急激な円安の影響で、今まで日本市場でのプレゼンスを高めていたグローバルベンダーも日本でシェアを伸ばすことに苦戦している」と市場の動向を分析。さらにGoogleのほか、FCNTを買収したLenovoが日本市場への出荷量を増やしていることに触れ、日本における競争環境の激化とベンダーの統合整理が進むことを予想している。
出典元:【IDC Japan株式会社】
※サムネイル画像(Image:Yasin Hasan / Shutterstock.com)