スマホは12月26日までに買うのがお得!? 27日から法令改正でスマホ値引規制

「ぼちぼちスマホを買い替えようかな?」と考えているアナタ、もし、スマホを買うなら23年12月26日までに買ったほうがいいかもしれません。実は、23年12月27日に電気通信事業法に関わる改正総務省令が施行されるため、スマホの割引額の制限が変更されて、スマホ単体の1円販売などが難しくなるようです。いったいどういうことなのか、分かりやすく解説しましょう。

スマホの価格割引に関する規制が12月27日から変更される!

最近スマホのバッテリーの持ちが悪くなった、画面にヒビが入って使いにくいといった理由で、スマホの買い替えを検討している人も多いでしょう。

もし、スマホを買い替えるなら、2023年12月26日までに購入したほうがいいかもしれません。

その理由は、23年12月27日より総務省が電気通信事業法第27条の3を改正して、スマホの割引に関するルールが変更され、1円でのスマホ販売などが難しくなるから。

電気通信事業法第27条の3では、「通信料金と端末代金の完全分離」と「行き過ぎた囲い込みの禁止」を規定しています。

2019年の電気通信事業法の改正から3年経過後の状況を踏まえ、2023年11月22日には電気通信事業法第27条の3がまたもや改正されることが決定されたのです。

●総務省「電気通信事業法施行規則等の一部改正に関する意見募集の結果及び情報通信行政・郵政行政審議会からの答申」は→こちら

スマホの価格割引に関する規制が12月27日から変更される1

こちらが、今回の改正の概要をまとめた資料(PDF)。「割引上限規制」「継続利用割引」「対象事業者」「その他」の4項目があります(画像は総務省公式サイトPDFより引用)

■電気通信事業法第27条の3の改正ポイント

【割引上限規制】
[現行]上限は一律2万円
→上限は原則4万円までに緩和(税別)。ただし、4万円~8万円のスマホは50%まで、4万円以下のスマホは2万円までに
[現行]白ロム割は非規制
→スマホ単体販売での割引も規制対象に

【継続利用割引】
[現行]長期拘束を意図しない継続割引規制
→長期(6カ月超)拘束する契約が対象に
[現行]通信料金以外は非規制
→通信料金以外の利益供与も規制対象に

【対象事業者】
[現行]契約数が0.7%(100万人)を超える独立系MVNO(IIJ/オプテ-ジ)
→契約数が4%(500万人)を超える独立系MVNO(対象なしに)

【その他】
[現行]通信方式変更/周波数移行時の特例
→廃止(3Gから4G/5Gへの移行は存続)
[現行]複数の価格を設定する場合は調達価格と比較しない
→複数の価格を設定しても調達価格と比較する

割引上限は4万円に緩和されるもののスマホ単体販売も規制対象に!

それでは、今回の「電気通信事業法第27条の3」の改正内容を個別に確認していきましょう。

まず、「割引上限規制」に関しては現行2万円(税別)までですが、今回の改正で最大4万円までに緩和されます。

しかし、スマホの販売価格によって割引額が変化することになり、スマホの価格が4万円~8万円までなら最大50%まで、4万円以下の場合は2万円までの値引きとなります。

これによって最大4万円の値引きを受けられるのは、8万円以上のスマホに限定されることになりました。

次に、これまではスマホ単体での購入は規制対象外だったので、「白ロム割」として1円で販売することが可能でしたが、改正後はスマホ単体の場合も規制対象になります。これはいわゆる転売ヤー対策になります。

スマホの価格割引に関する規制が12月27日から変更される2

こちらが「割引上限規制の見直し」です。これまでは一律2万円が上限でしたが、原則4万円に緩和されました。しかし、4万円~8万円は50%までで、4万円以下は2万円となります(画像は総務省公式サイトPDFより引用)

「継続利用割引の見直し」では、継続利用を条件とした割引の規制も改正されました。

これまでは、具体的な継続期間が設定されていなかったものが“6カ月を超える期間”と具体的な目安が示されました。また、継続利用に応じた通信料金の割引以外の利益提供も、今後は規制対象とみなされます。

「継続利用割引の見直し」では、具体的な期間を6カ月超とし、通信料金以外の利益提供も規制対象となります(画像は総務省公式サイトPDFより引用)

「対象事業者の見直し」では、大手キャリア以外の格安SIM(MVNO)でも、シェア率が0.7%(100万人)を超えると規制対象となっていました。

しかし、今回の改正では4%(500万人)に変更されたため、IIJやオプテージ(mineo)が規制の対象外となっています。

「対象事業者の見直し」では、これまで格安SIM業者(MVNO)のシェア基準が0.7%から4%に変更したことにより、IIJやオプテージが規制対象外となりました(画像は総務省公式サイトPDFより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 電気通信事業法第27条の3では、「通信料金と端末代金の完全分離」と「行き過ぎた囲い込みの禁止」を規定していますが、それでもスマホの1円販売が行われており、転売ヤーがこれをターゲットにしていました。

スマホの1円販売

家電量販店などの1円販売ポップ(筆者撮影)

そこで、2023年12月27日からは、スマホの割引に関して法令が変更されることになったのです。今後はスマホの1円販売ができなくなり、お得な料金割引キャンペーンが受けられなくなる可能性がありますので、買い替えるなら12月26日までに購入したほうがいいかもしれませんね。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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