株式会社ICT総研は2024年1月4日に「2024年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」を公表した。日本のスマートフォン料金と通信品質について、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国と比較。日本のスマホ料金が安価である一方、通信の品質については平均的であると報告している。
スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査
日本国内のスマートフォン利用価格が高騰していることを受け、2018年に政府が「4割値下げする余地がある」と指摘したことをきっかけに、大手ブランドがオンライン専用プランの提供を開始するなど、スマートフォンの料金事情は目まぐるしく変化してきた。さらに、楽天モバイルがMNO(移動体通信事業者)として参入するなど、業界はまさにカオスに。
今回の調査は、料金と並んで重視すべき「通信品質」との比較も加え、日本のスマートフォン料金の現状を把握することを目的に実施され、調査対象は日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の 6 カ国の主なMNOと幅広く設定。なお、各国のスマートフォン料金は2023年3月1日時点のものとしている。
調査の結果、2023年3月1日時点の調査対象6カ国の月額のスマートフォン料金の平均は、データ容量別に2GB:3,441円、5GB:3,617円、20GB:4,186円、無制限:6,615円だった。中でも、日本はデータ容量2GBの場合の料金が1,513円と6カ国中で最安という結果に。同社が2022年1月に発表した前回調査でも、日本とイギリスが安い水準であることがわかっており、安価な状態が継続している格好だ。
一方で、データ無制限の場合はアメリカと同等程度まで価格が跳ね上がっている。
日本のスマホ料金は安いが… 品質は“並み”
料金と同様に重要視されるのが通信の品質だ。スマートフォン料金と5Gダウンロード速度との関係をまとめた表を見てみると、日本は6カ国中3番目に速いことが判明。もっとも高速で通信できるのは韓国で、5Gダウンロード速度(下り速度)が433Mbps、もっとも遅いのはイギリスで124Mbpsだった。なお、韓国は高速通信を実現しているが、料金は2GBで比較した場合で日本の3倍以上となっている。
これらの調査の結果、同社は日本のスマートフォンについて「通信品質は平均水準」で「料金は安い水準」と言えると結論づけている。さらに同社は日本のスマートフォンの通信品質について「少なくとも欧米以上」としたうえで「今後も携帯電話事業者には、優れた通信品質の提供を期待したい」と言及。今後も同様の調査を実施していくとした。
出典元:【ICT総研】
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