2023年12月22日、総務省が電波法令改正を施行したことで、新たに6GHz帯の帯域幅320MHz通信が利用可能となりました。これにより、日本国内メーカーのバッファローなどが最新規格「Wi-Fi 7」に対応したWi-Fiルーターの開発や発売を発表しています。でも、そもそも6GHz帯の帯域幅320MHz通信っていったい何のことでしょうか? そこで今回は、従来のWi-Fi 6Eに比べWi-Fi 7がどのくらい速いのか解説しましょう。
そもそも最新規格「Wi-Fi 7」ってどんなもの?
スマホやパソコンで利用できるWi-Fi規格は、年々高速化されており、現在、一般に普及しているものではWi-Fi 6Eが最新規格となっています。
とくにWi-Fi 6Eでは従来の2.4GHzと5GHz帯に加え、新たに6GHz帯が利用できるようになっており、より高速で安定した高速通信が可能となりました。
そのようななか、米国電気電子学会(IEEE)では、最新無線LAN規格としてWi-Fi 6Eをベースに通信効率や遅延を改善した「IEEE 802.11be」規格が定められており、Wi-Fi Allianceではこれを「Wi-Fi 7」として発表しています。
●Wi-Fi Alliance(公式)は→こちら(英語)
Wi-Fi 7では、6GHz帯の帯域幅が従来の2倍となる320MHz通信が利用できるので、最大通信速度や接続の安定性が向上し、最大通信速度は理論値で36Gbpsとなり、Wi-Fi 6Eよりも約3.7倍も高速化されます。
しかし、日本国内における6GHz帯の帯域幅は最大160MHzまでだったため、“Wi-Fi 7”対応を謳うルーターであっても、高速化が見込める320MHz幅を利用できない状況でした。
そのようななか、総務省が2023年12月22日の電波法令改正を施行したことで、新たに6GHz帯の帯域幅320MHz通信が可能となったのです。
これによって、ようやく日本国内でも最新規格「Wi-Fi 7」対応ルーターが販売されることになりました。
6GHzの帯域幅が320MHzに拡大され日本国内でもWi-Fi 7対応ルーターが発売へ!
2024年1月9日、パソコン周辺機器を販売する日本のメーカー「バッファロー」は、Wi-Fi 7対応ルーター「WXR18000BE10P」を近日中に発売すると発表しました。
このモデルは「Wi-Fi CERTIFIED 7」を正式に取得した家庭用Wi-Fiルーターとしては、国内メーカー初になります。
●バッファロー「「Wi-Fi 7」対応商品、近日登場!電波法令改正により6GHz帯の帯域幅320MHz通信が可能に。」は→こちら
また、2023年12月22日には、エレコムとアイ・オー・データ機器からも、2024年春にWi-Fi7対応ルーターを開発あるいは発売する予定であることが発表されています。
●エレコム「エレコムがWi-Fi 7 ルーターを来春発売予定」は→こちら
●アイ・オー・データ機器「Wi-Fi最新規格「Wi-Fi 7」に対応したWi-Fiルーターを開発中」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? 6GHz帯の帯域幅320MHz通信が認可され、いよいよ日本国内でもWi-Fi 7対応ルーターが発売されることになりました。
最新のiPhone 15 Pro/15 Pro MaxでもようやくWi-Fi 6Eに対応したばかりなので、少々気が早いように感じるでしょうが、将来Wi-Fi 7が普及していくのは確実なので、今後Wi-Fiルーターを買い替えるときは、Wi-Fi 7のことを気に留めておいたほうがいいでしょう。