環境保護や家計の節約など、さまざまな観点から取り組まれることが多い「リサイクル」や「リユース」。スマホもその例外ではなく、中古スマホ市場は活発に動いているようです。株式会社リスマが提供する検索ツール「Smapra」では、2023年1月~12月の「フリマアプリ市場における中古スマートフォン取引実績調査レポート」を公表しています。その詳細を見ていきましょう。
2023年のフリマアプリ上での中古スマホ取引件数は「メルカリ」が全体の55%で1位
まずは、2023年にフリマアプリ上で成約した中古スマホの流通金額・取引件数について調査しています。流通金額の総額は約229億円で前年比111.6%で、最も多かったのは「メルカリ」の126.0億円(55%)でした。続く2位が「Yahoo!オークション」の66.5億円(29%)、3位が「楽天ラクマ」の26.2億円(12%)、4位が「ムスビー」の10.1億円(4%)という結果になっています。
全体の取引件数は約77.9万件で前年比112.0%、最も多かったのは「メルカリ」の42.9万件(55%)で、2位が「Yahoo!オークション」の26.8万件(34%)、3位が「楽天ラクマ」の5.2万件(7%)、4位が「ムスビー」の3.0万件(4%)となっています。
「メルカリ」は金額・件数ともにトップでしたが、平均価格が最も高かったのは「楽天ラクマ」で、「メルカリ」の平均29377円に対し、「楽天ラクマ」は50744円で、2万円以上の差がついています。「楽天ラクマ」は他のフリマと比較した未使用品である「Sランク」の出品率が高い傾向にあり、さらに、ラクマが展開する「ラクマ公式ショップ」でリユース業者が中古スマホの販売を行ったことで、個人間の取引よりも高い価格での取引が行われたのではないかと考えられます。
機種別の成約件数ランキングでは1位から10位を「iPhoneシリーズ」が独占
続いて、中古スマホの機種別に成約件数順のランキングを作成しています。最も成約件数が多かった機種は2017年9月発売の「iPhone 8」で45424件、2位が2020年4月発売の「iPhone SE(第2世代)」で40884件、3位が2019年9月発売の「iPhone 11」で32820件、4位が2016年9月発売の「iPhone 7」で32325件、5位が2018年10月発売の「iPhone XR」で27857件という結果になっています。以下、6位から10位まですべて「iPhoneシリーズ」が独占する結果となり、2番手となったサムスンのGalaxyとは大差がついたようです。
また、同社は機種ごとの流通金額やバッテリー性能残量別の単価についても調査。それによると、流通金額ベースの1位は「iPhone 14 Pro Max」の約11.7億円とのことでした。さらに、バッテリー性能を90%以上残したスマホの平均単価は46,626円、80%未満のスマホは19,875円と、バッテリーが劣化していることにより、単価が57.4%も下落することが分かっています。機種変更の際に中古での売却を考えている人は、外装の凹み、傷だけでなく、バッテリー性能も気にしたほうが良さそうです。
下取りキャンペーンを活用したり中古スマホ買取業者に売る人もいる中で、フリマアプリなど個人間で取引している人も多いことが判明しました。データの扱いや、思わぬトラブルには注意が必要ですが、欲しい機種をリーズナブルに手に入れたい際には、フリマアプリでの取引を視野に入れてみるのもアリかもしれませんね。
出典元:【株式会社リスマ/PR TIMES】