iPhoneの「iOS 17.3」アップデートがリリース − 盗難デバイスの保護機能を追加!

2023年9月、iPhone 15の発売に合わせて「iOS 17」がリリースされました。その後、何度かiOSのアップデートが行われてきましたが、24年1月23日には最新版の「iOS 17.3」がリリースされています。今回は「盗難デバイスの保護」機能を導入してセキュリティ強化を図っているほか、Apple Musicのプレイリストに友だちが参加して共同で編集作業ができる機能など、いくつかの新機能も含まれていますので、その内容を詳しく解説しましょう。

24年1月24日リリースのiOS 17.3は何がどう変わった?

23年9月19日、iPhone15の発売と同時に「iOS 17」がリリースされたましたが、その2日後には「iOS 17.0.1」を発表。

さらに9月27日には「iOS 17.0.2」、10月4日には「iOS 17.03」、そして12月11日は新機能を追加した「iOS 17.2」がリリースされ、iOS 17はセキュリティ強化と新機能が追加されてきました。

そのようななか、24年1月23日には最新版の「iOS 17.3」が発表されたのです。

今回のiOS 17.3では「盗難デバイスの保護」機能を導入したり、「Apple Musicのプレイリストに友だちが参加して、共同作業で編集できる」機能などが導入されました。

もちろん、これとは別に15項目のセキュリティ修正も実施されています。

iOSのアップデートはiPhoneの設定から「一般」→「ソフトウェア・アップデート」で確認できるので、アップデートの状況を確認してみてください。

iOS 17.3は何がどう変わった?

こちらが24年1月23日にリリースされたiOS 17.3です。今回は通常のセキュリティ修正以外にも、盗難デバイスの保護をはじめ多数の新機能が追加されました

「iOS 17.3」では何がどう変わった?

今回のiOS 17.3で、まず注目すべき新機能は「盗難デバイスの保護」機能によるセキュリティ強化です。

これはiPhoneの設定の「Face IDとパスコード」に、新たに「盗難デバイスの保護」項目が追加されるというものですが、生体認証のFace IDやTouch IDを設定していないと表示されません。

盗難デバイスの保護をオンにすると、デバイスのパスコードの確認などの特定操作を実行するとき、パスコードを使用せずにFace IDかTouch IDが要求されるようになります。

また、Apple IDのサインアウトや盗難デバイスの保護機能をオフにするときは、1時間の待機時間、さらに生体認証の合致を要求されるため、万一iPhoneが盗難被害に遭っても、この1時間の間にアカウントを保護して、iPhoneの乗っ取りを防止することができるのです。。

●Apple「iOS 17のアップデートについて」は→こちら

iOS 17アップデートの内容

こちらがiOS 17.3のアップデート内容です盗難デバイスの保護機能やApple Musicにおいて新機能が追加されています(画像はApple公式サイトより引用)

盗難デバイスの保護

・“盗難デバイスの保護”で、特定の操作を実行するときにパスコードを使用せずにFace IDまたはTouch IDを要求することで、iPhoneとApple IDのセキュリティを強化
・セキュリティ遅延機能により、デバイスのパスコードやApple IDのパスワードの変更などの機密性の高い操作を実行する前に、Face IDまたはTouch ID、1時間の待機時間、さらに生体認証の合致を要求

盗難デバイスの保護1

Face IDかTouch IDを有効した状態で、iPhoneの設定から「Face IDとパスコード」をタップすると(左写真)、「盗難デバイスの保護」を有効にできます(右写真)

盗難デバイスの保護2

「盗難デバイスの保護」の「保護をオフにする」をタップすると(左写真)、セキュリティ遅延機能により1時間後まで設定を変更できません(右写真)

次に注目したい新機能は、Apple Musicのプレイリストに友だちが参加して、共同で曲の追加や並べ替えといった編集作業ができるようになったこと。

これにより、共同作業のプレイリストで、トラックに絵文字のリアクションを追加可能になりました。

また、黒人歴史月間を記念して黒人の歴史と文化をたたえる新しい壁紙が追加されたり、iPhone 14およびiPhone 15のすべての機種において、衝突事故検出の最適化が行われています。

ロック画面

・黒人歴史月間を記念して黒人の歴史と文化をたたえる新しいユニティの壁紙

ミュージック

・自分のプレイリストへの参加を友だちに依頼して、全員が曲の追加、並べ替え、削除を共同作業で行うことが可能
・共同作業のプレイリストで、トラックに絵文字のリアクションを追加可能

機能改善

・AirPlayのホテルでの対応により、特定のホテルの客室でテレビにコンテンツを直接ストリーミング可能
・“設定”の“AppleCareと保証”に、自分のApple IDでサインインしているすべてのデバイスの保証範囲を表示
・衝突事故検出の最適化(iPhone 14およびiPhone 15のすべての機種)

もちろん、iOS 17.3では、通常のセキュリティ修正も実施されており、今回は下記の15項目が改善されています。

■iOS 17.3でのセキュリティアップデート(一部抜粋)

【Apple Neural Engine】
・アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。→メモリ処理を改善することで解決されました

【Mail Search】
・アプリがユーザーの機密データにアクセスできる可能性がある→機密情報の編集を改善することで解決されました

【NSSpellChecker】
プリがユーザーの機密データにアクセスできる可能性がある→ファイルの処理を改善することで、プライバシーの問題が解決されました

【Reset Services】
・盗難デバイス保護が予期せず無効になる場合がある→認証を改善することで解決されました

【Safari】
ユーザーのプライベートブラウジングアクティビティが設定に表示される可能性がある→ユーザー設定の処理を改善することで、プライバシーの問題が解決されました

【Time Zone】
アプリがシステムログでユーザーの電話番号を表示できる可能性がある→機密情報の編集を改善することで解決されました

●Apple「About the security content of iOS 17.3 and iPadOS 17.3」は→こちら(英語)

About the security content of iOS 17.3 and iPadOS 17.3

Appleの「About the security content of iOS 17.3 and iPadOS 17.3」ページによると、Apple Neural Engine、Reset Services、Safariなど15項目においてセキュリティ修正が行われています(画像はApple公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 今回の「iOS 17.3」は、iPhoneの盗難防止機能やApple Musicにおける新機能などに加え、15項目のセキュリティ修正を含むアップデートとなっています。

まだ、iOS 17にアップデートしていない人は、早めに新機能やセキュリティ強化が含まれるアップデートを実行したほうが安全でしょう。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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