もはや人々の生活になくてはならないスマホ。次から次へと新モデルが発表されるが、「最新機種を持つことが一種のステータス」と考える時代に陰りが見えてきている。MM総研は、2023年度(暦年)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査。その結果によると、総出荷台数は2801万3000台で、前年と比べると16.9%減少していることがわかった。
スマホ登場以降、初めて3000万台を下回り過去最少に
2023年の総出荷台数は、日本でスマホが登場した2007年以降、はじめて3000万台を下回っており、過去最少となっている。そのうち、スマホ比率は93.8%という結果で、スマートフォン出荷台数が2628万6000台で前年比17.0%減、フィーチャーフォンは172万7000台で前年比16.0%減。スマートフォン比率は93.8%、前年比0.1ポイント減という内訳だった。
フィーチャーフォンが減少するのは誰もが納得できるだろう。だが、2024年1月末にソフトバンクの3Gサービスが終了することによる、買い替え需要があるかと思っていたスマホも同じくらい減少しているのはどういう理由があるのだろうか。端末の値引き販売の減少や、円安・物価高騰による端末価格の上昇が大きな要因となっていそうだが、すでに多くの人がスマホに乗り換えていたのか、あるいは中古スマホへ流れたフィーチャーフォンユーザーもそれなりに多かったのかもしれない。
メーカー別ではAppleが首位。一方で5G普及の道のりは遠い?
メーカー別の総出荷台数を見ると、1位は安定のAppleで1438万9000台。前年比6.8%減ではあるものの、2012年から12年間1位をキープしている。総出荷台数のシェアは51.4%で、前年に比べ5.6ポイント増加した。2位はシャープ、3位はグーグル、4位はサムスン電子、5位は京セラ、6位はソニーという結果だった。
一方、通信方式別の内訳に注目すると、現在使われているスマホはほぼ5Gに対応している様子。5Gスマホの総出荷台数は2603万1000台で、前年比13.4%減ではあるものの、5G対応比率はスマホ全体の99.0%となった。だが、5Gの特徴である高速大容量通信の恩恵を受けるには、ミリ波の普及が必要不可欠。このミリ波に対応した5Gスマホに注目してみると、対応しているのはわずか137.6万台で、対応比率は5.2%と普及しているとはいいがたい結果に。
日本で発売されるiPhoneがすべてミリ波非対応モデルだったり、Androidも高価格端末の一部でしか対応していなかったりと、5Gの普及にはまだまだハードルがありそうだ。
出典元:【MM総研】
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