日常生活に欠かせない携帯電話ですが、プライベート用とは別に“仕事用の携帯電話”を持っている人もいるのではないでしょうか。MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、20歳~69歳の大企業または中小企業の経営者・従業員の男女20000人と、社用携帯電話導入にかかわっている経営者・従業員999人を対象に、「2024年法人向け携帯電話の利用実態調査」を実施。社用携帯電話の利用率や、利用の多い機種などについてリサーチしていたので、その結果を見ていきましょう。
社用携帯を支給されている人は31.5%、大企業ほど支給率が高い
まず同調査では、20歳~69歳の大企業または中小企業の経営者・従業員の男女20000人に対して、「勤め先で現在利用している携帯電話」について質問。すると、「会社から支給された携帯電話(社用携帯電話)」という回答は31.5%でした。また、「個人所有の携帯電話(私用の電話番号を利用)」は23.3%、「個人所有の携帯電話(会社用の電話番号を利用)」は5.3%という結果でした。
また、「支給されていない、利用していない」という回答が46.9%と半数近くあり、社外で携帯電話を使って連絡を取り合う割合は半分程度であることがわかっています。
この結果を、大企業(n=8360)と中小企業(n=9881)の会社規模別に見てみると、「社用携帯電話」と回答した人は、大企業が43.4%で、中小企業は25.0%でした。社用携帯の利用率は圧倒的に大企業の方が高いことがわかります。
「個人所有の携帯電話」で「私用の電話番号を利用」している割合は、大企業が22.1%、中小企業が26.8%と、中小企業がやや高いものの大差なく、「会社用の電話番号を利用」している割合は大企業が5.8%、中小企業が5.6%とほぼ同率となっています。
「社用携帯電話」の契約キャリアは「ドコモ」が43.1%とダントツのトップに
続いて、「社用携帯電話」を利用していると回答した5866人を対象に、その契約キャリアをたずねると、「わからない」という回答を除いて、最も多かったのは「ドコモ」の43.1%でした。ついで「ソフトバンク」の25.3%、「au」の24.3%と続いています。
国内シェア率No.1の「ドコモ」が「社用携帯電話」でもダントツのトップという結果となり、その強さを見せつけています。
社用携帯電話で利用されている機種は「iPhone」が最も多く57.1%
「社用携帯電話」を利用している5227人を対象に、その端末の機種を聞いたところ(わからないを除く)、「iPhone」が57.1%、「Android」が27.6%、「フィーチャーフォン・ガラホ」が13.7%でした。
圧倒的に「iPhone」の割合が高いのは、機種によって仕様が異なるAndroidよりも、一律に扱いやすいiPhoneの方がメンテナンスやフォローもしやすく、会社として使い勝手がよいのではないでしょうか。また、「フィーチャーフォン・ガラホ」に関しては、通話や業務連絡程度の利用法であれば問題ないのかもしれません。
続けて、“スマートフォン端末を利用している”と回答した4427人を対象に、その機種を尋ねています。最も多かったのは「iPhone SEシリーズ」で30.2%、ついで「AQUOSシリーズ」の10.9%、「iPhone 12シリーズ」の7.2%などの結果となっています。
「iPhone SEシリーズ」は中古スマホ市場でも人気のシリーズで、第1世代はAppleサポートが受けられなくなりましたが、第2世代以降は盛んに取引されているようです。それほど高いスペックを求めないのであれば、十分活躍できる機種なので、企業としても利用しやすいのではないでしょうか。
63.4%が社用携帯電話の「乗り換え」「料金プランの変更」などを検討している
今度は、社用携帯電話導入に関わっている経営者・従業員999人のうち、“社用携帯電話を導入している500人”を対象に、「社用携帯電話を契約している通信会社の乗り換え・料金プラン変更の検討」について質問しています。
その結果を見てみると、「他の通信会社へ乗り換えを検討している」という回答が20.8%、「同一の通信会社の料金プランの変更を検討している」という回答が24.4%、「どのように変更するかは決めていないが、変更を検討している」という回答が18.2%、「通信会社の乗り換え、料金プラン変更ともに検討していない」という回答が36.6%でした。
なんらかの形で変更をする意向があるという回答が63.4%と、多くの企業で通信費用の見直しが検討されていることがわかりました。
さらに、「他社へ乗り換えまたは料金プラン変更を検討している」と回答した317人を対象に、「乗り換え・料金プラン変更の検討理由」を聞いたところ、「よりよい条件の通信会社・料金プランがあると知ったから」という回答が21.8%で最多の割合に。ついで「費用対効果が良くないと感じるから」の19.9%、「想定していたより料金が高かったから」の19.6%などの回答が続きました。
昨今の燃料価格の高騰や度重なる商品の値上げなどで、通信費を見直そうという人も多いようですが、企業としても必要経費をどれだけ抑えられるのか頭を抱えているのではないでしょうか。
最後に、社用携帯電話の管理としてどのようなことを行っているのか、導入している500人を対象にたずねたところ、「IDやパスワードの把握」という回答が27.4%と最も多く、ついで「アプリのインストール状況の把握」の25.4%、「使用容量の把握」の23.6%などとなっています。
情報のスピードが問われることも多いビジネスシーンで、欠かすことができないという人も多いであろう“仕事用の携帯電話”ですが、導入や管理に携わっている人たちにも様々な苦労があるようです。現状は大手キャリアが大半となっていますが、今後料金プランなどの見直しによっては、MVNOの普及も十分あり得るかもしれません。
出典元:【MMD研究所/MMDLabo株式会社】