ガラケー世代から携帯電話を使い続けている人の中には、スマホの入力方法として同じキーを複数回タップして目的の文字を探す「トグル入力」や「キーボード入力(QWERTY)」に慣れている方は多いはず。
しかし、実は近年主流の入力方法は「フリック入力」。NTTドコモの「モバイル社会研究所」が2023年11月に発表した調査結果によると、若い女性の約半数がフリック入力を利用しているそう。
つまり若者とガラケー世代の間では、スマホの入力方法についてかなりのジェネレーションギャップがありそうです。今回は世代間の違いが想像よりかなり大きい「スマホの入力方法」について解説します。
15歳から24歳の女性の半数は「フリック入力」
先述した通り、NTTドコモの「モバイル社会研究所」のレポートによると、15~24歳の女性の47%がフリック入力を利用。学生単位で見ても、43%がフリック入力を利用しているようです。
ちなみに同調査によると、フリック入力を利用している人は非利用の人に比べ「SNS」「電子決済」「動画視聴」などスマホ向けの各種サービスの利用率が高かったとのこと。なお興味深いのは15歳から24歳においても、フリック入力を使っていない人は各種サービスの利用率は平均より10ポイント以上低いという結果が出ていること。
フリック入力と「スマホを積極的に使うか否か」は意外と強い相関がありそうです。
そもそもスマホの入力方法には他にどんな種類がある?
意外と「スマホ向けの各種サービスを積極的に使うかどうか」と相関関係があるかもしれない、フリック入力。
とはいえ「フリック入力」や「トグル入力」といったスマホの入力方法を、そもそも普段あまり強く意識していない方もいるかもしれませんね。スマホの代表的な入力方法は、実は3つに分けられます。
フリック入力
フリック入力は、スマホ特有の入力方法で、キーをタッチして指をスライドさせることで文字を入力します。たとえば、「あ」のキーをタッチすると、その上下左右に「い」「う」「え」「お」の文字が表示され、入力したい文字の方向に指をスライドさせて離すことで、その文字が入力されます。タップする回数が少なくて済むため、素早く入力できるのが特徴で、特に若い女性の約半数はこの入力方法を利用していると見られます。
トグル入力
トグル入力は、ガラケー時代からなじみのある人も多い入力方法。同じキーを何度かタップして文字を選択します。たとえば「か」のキーを3回タップすると「く」が入力されるという具合です。
ちなみに筆者自身はガラケー時代から携帯電話を使っているため、トグル入力に慣れておりいまでも入力にはトグル入力をメインで使っています。フリック入力は「練習中」です。
キーボード入力(QWERTY)
キーボード入力は、パソコンのキーボードと同じ配列を使った方法で、ローマ字入力や英字入力が可能です。パソコンユーザーはもちろん、スマホ黎明期に「BlackBerry」を使っていた方にとってもなじみ深い入力方法ではないでしょうか。
この方法はパソコンに慣れている人にとっては使いやすいですが、キーのサイズが小さいため、スマホでは打ち間違いが発生しやすいという欠点もあります。
トグル入力が段々少数派になっていった理由は?
トグル入力が少数派になっていった理由は、やはり入力回数が多いためと考えられます。
フリック入力はタップする回数が少なくて済むため、長文の入力が速くて効率的です。LINEやX、InstagramのDMに加え、各種チャットアプリなどで「テキストでのやり取り」をする機会はやはり多いでしょう。
毎日の入力文字数が膨大になるにつれ、自然とよりタップ数が少なくて済む入力方法を好む人が増えていったと見られます。
とはいえ「トグル入力」もまだまだ人気
とはいえ「トグル入力」もまだまだ人気です。たとえば先日、筆者がとある国内屈指の登録者数のYouTubeチャンネルを見ていたところ、30歳前後の人気芸能人の方がトグル入力でスマホ入力を行うシーンが映っていました。現状は「トグル入力が完全に廃れてフリック入力に変わった」というよりは「フリック入力の人気がどんどん増してきている途中」という状態に近いでしょう。
今後はフリック入力のシェア拡大に加え、音声入力のシェア増加も予測されます。かつてPCのキーボード入力でよく論議された「親指シフト派」「ローマ字入力派」のように、今後はスマホの「フリック入力派」「トグル入力派」「音声入力派」のように入力方法の議論がさらに活発化するかもしれませんね。