緊急時の連絡手段や子どもの居場所を把握できるGPS機能の利用など、便利なスマホを早い時期から子どもに持たせる家庭が増えているようだ。では、どの通信サービスが検討されているのだろうか。MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所で実施した「子どものスマートフォン利用に関する調査」を見ていこう。
通信サービス1位は「docomo」、親と同じキャリアでオトクさ重視
MMD研究所が2024年6月14日~18日、高校生までの子どもを持つ親6,000人を対象にアンケート(※1)を実施。そのうち子どもにスマートフォンを持たせることを検討している親1,757人に検討している通信サービスを尋ねたところ、「docomo」と回答した人が27.2%と最も多く、次いで「Y!mobile」が14.0%、「楽天モバイル」が13.8%だった。
※1 アンケートは、回答率や母集団の偏りを考慮してデータを修正する「ウエイトバック集計」を採用。
検討している通信サービスを選んだ理由(複数回答可)は、上位3位が「親が利用している通信サービスと同じにすることでオトクになるから」35.1%、「通信料金が安いから」21.5%、「ポイントが貯まるから」16.8%だった。一方、「通信品質が良いから」「通話品質が良いから」は7~8%と低調で、全体的に見て親は通信サービスのコスト面を特に重視していることが判明。
また、先ほどのアンケートから上位6位をピックアップしたところ、docomo(n=478)、Y!mobile(n=246)、au(n=236)、SoftBank(n=179)、UQmobile(n=159)は「親が利用している通信サービスと同じにすることでオトクになるから」がそれぞれ最も多く、楽天モバイル(n=242)のみ「通信料金が安いから」が最多という結果だった。
携帯にかかる費用が気になる人は、自分が使っているスマホの割引プランを調べたり、格安キャリアと比較したりしても良さそうだ。
スマホデビューは中学1年生が最多、約3割の親は子どもの友人関係を考慮
そもそも、親はいつから子どもにスマホを持たせることを検討しているのだろうか。
スマホを持っていない子どもが1人でもいる親の中から、スマホを持たせることを検討している1,743人を対象にその時期を尋ねたところ、「中学1年生」と回答した親が26.4%と最も多く、次いで「中学卒業後」13.0%、「小学6年生」11.1%だった。
中学生になると子どもの行動範囲が広がったり、周りの友達も持ち始めたりする。その影響もあってか、中学への入学を機にスマホを持たせる人が最も多かった。次に多かった「中学卒業後」と「小学6年生」は、進学して友達と離れても連絡をとりたいという子どもの気持ちを、親がくみ取ったからかもしれない。
実際、子どもにスマートフォンを持たせることを検討している2,877人を対象に、その理由を尋ねると(複数回答可)、上位は「緊急時に連絡を取り合うため」55.6%、「子どもの居場所を把握するため」32.8%、「子どもの友達同士のコミュニケーションのため」28.2%という結果に。
親たちが特に重視しているのは子どもの安全や親との連絡だが、約3割の親は子どもの友人関係も考慮してスマホを持たせているようだ。
便利なスマホだが、一方でスマホ依存やSNSでのトラブルに巻き込まれないかなど、親としては心配になるところだ。子どもが誤った使い方をしないように、あらかじめ約束事を設けたり、利用時間や閲覧できるサイトに制限をかけておくなど、親としてできる対策はしておいた方がいいだろう。
出典元:【MMD研究所】
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