今回はProモデルを省き、標準モデルiPhone 14/15/16/16 Plusのなかで、どれを買うべきかを解説します。標準モデルの値段がどのくらい下がったのか? 最新のiPhone 16にはどのような機能があるのか? そのあたりを比較しながら、どれに機種変更すべきか検証してみましょう。
iPhone 14/15/16/16 Plusでは機能的に何がどう違う?
まずはディスプレイです。14/15/16については全モデル6.1インチ、16 Plusだけが6.7インチと大画面モデルになっています。ボディ背面については14だけガラスで、15/16シリーズは「カラーインフューズドガラス」という、色をガラスに塗り込んだものを採用。14のようにギラギラした感じはなく、サラっとした色合いです。
14と15のボディ側面にあった「ミュートスイッチ」が、16シリーズでは「アクションボタン」に変更されました。これは長押しで消音を切り替えたり、アプリやショートカットなどを割り当てられる機能です。
ちなみに、アクションボタンと連動する「Dynamic Islannd(ダイナミックアイランド)」は、15/16シリーズだけに採用されています。ここには今聴いている音楽が表示されたり、バッテリー残量20%以下のアラートなども表示されますが、慣れてしまうと手放せないほど便利な機能です。
そして、16シリーズだけの新機能として「Apple Intelligence(インテリジェンス)」があります。これはAppleのAIでiOSに組み込まれており、たとえば書いた文章をビジネス風に直したり、絵文字も「Genmoji(ジェンモジ)」を自分で作ることができるんですね。これによってiPhoneの使い方が大きく変わりそうですが、現状、Apple Intelligenceは米国だけで使える機能であり、日本では2025年から利用可能となる予定です。
処理チップについては、14が「A15 Bionic」で15が「A16」なのに対し、16と16 Plusについては2世代ジャンプして「A18」になりました。これはApple Intelligenceのために採用された強力なチップになります。実際、16/16 Plusでは15 Proモデルでしか動かなかった『バイオハザード』などの最新3Dゲームが動くようになっていますよ。
また、16シリーズだけの機能としては「カメラコントロール」があります。これは感圧式で静電容量も判断できます。1回押すとカメラが起動してすぐに写真が撮れたり、軽く1回押してズームしたり、写真撮影時に画面を触らなくても、iPhoneを横に構えた状態で操作できるのが非常に便利です。
カメラは世代によってかなり違います。14は12MP(1,200万画素)ですが、15では48MP(4,800万画素)と4倍になりました。16シリーズでは48MPのFusionというカメラですが、12MPの超広角がマクロ写真や空間写真・空間ビデオの撮影に対応しています。マクロ写真はProモデルのみの機能だったので、ありがたい進化ですね。
また、光学ズームは14では0.5と等倍でしたが、15と16シリーズにはそれに加え2倍光学ズームも搭載されています。
バッテリーについては、14や15のビデオ再生が最大20時間だったのに対し、16は22時間と2時間も延びています。16 Plusは前モデルより1時間延びて最大27時間も再生できるんですよ。
充電端子については14だけがLightningで、15/16シリーズはすべてUSB-Cです。ただし、データ転送速度はどれもUSB 2.0(最大480Mbps)なので、データ転送速度を重視するならUSB 3対応のProモデルを選びましょう。
なお、ワイヤレス充電の「MagSafe(マグセーフ)」は全モデルが対応しますが、16シリーズでは最大25Wと高速になっており、30分で50%までバッテリーが回復します。
ストレージ容量は全モデル同じで、128GB/256GB/512GBの種類。ほとんどの人が128GBで十分だと思いますが、16では最新ゲームも遊べるので256GB以上がオススメになります。たとえば、最近のゲームアプリの容量は30~40GBもあったりしますので、128GBではかなり厳しいでしょう。
最後に、16シリーズがApple Intelligenceに対応することで、Siriもかなり賢くなります。たとえば、SirにLINEで住所と予定が送られてきたとき、Siriに「この住所を連絡先に追加して、スケジュールも追加してね!」と言えば、連絡先の追加やスケジュールの更新も自動的にやってくれます。つまり、今後はアプリを跨いだ複雑な作業もSiriに頼むことができるようになるのです。
iPhoneの価格差のルールを確認しておこう!
ここからは、私が作成したiPhone 14/15/16/16 Plusの価格一覧表を見ていきますが、その前に、iPhoneの価格にはどんなルールがあるのか確認しておきましょう。
まず、ストレージ容量を128GBから256GBにアップすると全モデルで1万5,000円ほど値段が上がります。256GBから512GBの場合は全モデルで3万円アップ。新・旧モデルでは、14から15ではストレージ容量に関わらず全モデルで1万7,000円ほど上がります。15から16は全モデルで1万2,000円、16から16 Plusは全モデルで1万5,000円ほどアップしているんですね。
この差額ルールを覚えておくと、その差額分を払うだけの価値(機能)があるのかで判断しやすくなりますよ。
それでは機種ごとに比較してみましょう。15は1万2000円値下げされ買いやすくなったので、16と比較する人も多いと思います。しかし、15から16への機能的な進化を考えると、私は「1万2,000円しか差がないんだ」というのが本音です。
実際、チップが「A18」に進化してApple Intelligenceにも対応。アクションボタンやカメラコントロールも採用されており、バッテリーも2時間伸びています。これで15と1万2,000円しか価格差がないのですから、16はかなりお得ですよね。ただし、14と16で比較すると差額は2万9,000円もあるので、AIなんか使わないしバッテリーの持ちも気にならないという人なら、14を選択しても問題ありません。
また、16と16 Plusで悩む人はバッテリーや画面サイズが気になる人でしょう。画面サイズが大きくビデオ再生時間が27時間の16 Plusに、1万5,000円分の価値があるかどうかで判断してください。
どういう人がどのiPhoneを買うべきか?
まず、iPhone 14を買うべき人は「とにかく価格を安く済ませたい人」です。唯一、10万円を切っていますが十分な性能があります。14の注意点はダイナミック アイランドがないことと、充電端子がLightningであること。逆に言えば、従来のiPhoneと同じような使い方ができるので、最新機能にはさほど興味がないという人なら14も全然アリです。
次にiPhone 15を買うべき人ですが、1万2,000円ほど値下げされているので、AIとか最新ゲームに興味がないけど、充電端子はUSB-Cじゃないとイヤな人向けです。とはいえ、最新モデルの16との価格差が1万2,000円しかないので、私なら少し高くても満足度の高い16を選ぶでしょう。
そして、iPhone 16に関しては値段は高めですが、その差額以上に性能が高いことに注目です。とくにチップが「A18」になっており、おそらくメモリも8GB以上で使い勝手はかなり良くなっているはず。最新ゲームも動いてApple Intelligenceにも対応しますし、新しいカメラコントロール機能なども搭載されているので、コスパは非常に優秀です。
16 Plusは、やはりバッテリーの持ちがよくて大画面を手に入れたい人向けです。16シリーズは最新ゲームも動きますが、やはり6.1インチより6.7インチで遊んだ方が迫力もあって楽しいはず。もし、ゲームもやるし動画もたくさん見るという人は16 Plusが最適ですね。