「+1」「+800」といった日本以外の国からの迷惑電話に悩まされている方は多いのでは? こうした迷惑電話に対する根本的な対策には「国際電話を丸ごと着信拒否設定してしまう方法」があります。
とはいえ『国際電話自体を着信拒否してしまうと外資系のサービスの電話サポートが受けられなくなるのでは?』と不安を感じる方もいるでしょう。たとえば「迷惑電話がなくなる代わりに、Amazonなどの電話サポートを受けられなくなる」としたら、それはそれで困りますよね。
今回は、国際電話の着信拒否で「外資系企業の電話サポート」が受けられなくなるのかどうか解説します。
迷惑電話対策には「国際電話の着信拒否」が有効
まず前提として「+」から始まる電話番号による迷惑電話は、いずれも「国際電話」によるものです。たとえば警察庁や総務省も「国際電話による特殊詐欺が急増中」だとして、国際電話からの不審な電話に対しては注意喚起を正式に行っています。
実際に筆者の元にも短期間で、何度も「+」の表記がある電話番号から不審な着信が数件ありました。たとえば筆者の自宅には固定電話がなく、なおかつMVNO(※非ドコモ)を利用しているのですが、「+」の国際電話番号から「NTTの料金の未払い」に関する自動音声の電話がかかってきたこともあります。
こうした不審な電話を「あらかじめ、かかってこない」ようにするには、国際電話を丸ごと着信拒否するのが手っ取り早くおすすめです。
固定電話の場合
固定電話の場合、「国際電話不取扱受付センター」の「国際電話利用契約の利用休止申請」手続きを行うことで国際電話の利用を休止することができます。
以下の電話から手続きを行いましょう。
・電話番号 0120-210-364(通話料無料)
・取扱時間:平日午前9時から午後5時までの間
・自動音声案内 :平日、土曜日、日曜日、祝日24時間
スマホの場合
スマホの場合、各キャリアの着信拒否サービスを利用しましょう。
■ドコモ
「迷惑電話ストップサービス」料金:無料
迷惑電話ストップサービスは申込み不要でいたずら電話などの迷惑電話を自動的に拒否してくれるサービス。「迷惑電話ストップサービス 設定メニュー」から設定可能です。
■au
「迷惑メッセージ・電話ブロック」料金:無料
専用アプリ「迷惑メッセージ・電話ブロック」から利用可能。「不明な発信者を消音」をオンにすることで国内外問わず知らない人からの不明な電話を拒否することができます。
■ソフトバンク
「国際着信全規制」料金:無料
海外からの電話を拒否することが可能。電話アプリから設定することができます。
■楽天モバイル
「迷惑電話・SMS対策 by Whoscall」料金:月額330円
迷惑電話を自動で検出して着信拒否することが可能。番号識別・迷惑電話対策アプリ「Whoscall」を利用することで設定できます。
「海外サービスのコールセンター」と連絡が取れないリスクも
前述の通り、国際電話の着信拒否は迷惑電話対策として有効です。一方でカスタマーサポートの拠点を海外に置いている企業と、連絡が取れなくなるリスクもあります。
たとえば外資系企業ではサービスを日本国内で展開する一方、カスタマーサポートをまとめて海外に置いているといったケースもあります。「コールセンター自体は海外にあり、国際電話を利用している」場合があることを意味します。
つまり国際電話を一律に拒否してしまうと、必要なサポートを受けられなくなる可能性があります。
国際電話を着信拒否するとAmazonの電話サポートは受けられなくなる?
一例として、国際電話を着信拒否すると「Amazonの電話サポートは受けられなくなるのか」を見てみましょう。Amazonが公表している「Amazonが使用する電話番号」は以下です。
・09090097540
・08021585817
・01085264515445
・05053704545
このうち090と080は携帯電話のもの。050から始まるのはIP電話です。そして010から始まる電話番号は「国際電話」です。つまり国際電話を一括で着信拒否すると、Amazonが利用する「010」の電話番号との連絡は難しくなる可能性があります。
たとえばAmazonのカスタマーサポートに連絡し、折り返しの電話が国際電話でかかってきた場合は着信拒否の対象になってしまうリスクがあります。
不安な場合はチャットで問い合わせも可能
電話サポートの受け取りに不安がある場合、Amazonはチャットサポートも提供しています。当然ながら、チャットは国際電話の着信拒否設定に関係なく利用できるため、安心して問い合わせることができます。チャットサポートを利用することで、電話での対応が難しい場合でも必要なサポートを受けることが可能です。
コールセンターの海外移転の現状
コールセンターの海外移転は、人件費の削減や24時間対応の実現などを目的に、多くのグローバル企業で進められています。現地での日本人雇用のほか、一定レベルで日本語を喋ることのできるスタッフを採用することで、さまざまな問い合わせに対応。外資系企業だけではなく、日本企業でもベトナムなどの諸外国でコールセンターを設けているケースも非常に増えています。
今後もコールセンターの海外移転は続くと見られ、国際電話を着信拒否すると不都合を感じる場面もあるかもしれません。とはいえ国際電話による迷惑電話は総務省が注意喚起する重要なトピック。多少の不都合があろうと、迷惑電話に困っている方は設定する価値があるでしょう。