徐々に増えてきた国内でのAndroidスマホユーザー。一昔前まではiPhone一強のイメージがありましたが、2024年現在はAndroidスマホのシェアも増加。iPhoneは最盛期と比べると、じわじわとシェアが右肩下がりであるのが現状です。この記事では、2024年現在、iPhoneユーザーとAndroidユーザーの間でどれほど差があるのか解説します。
「iOS」と「Android」の国内シェアの違い
2023年9月~2024年9月を調査期間とした、Statcounter Global Statsによる集計ではiOSのシェアは58.98%。Androidのシェアは40.79%です。
2018年ころを境にiOSのシェアはじわじわと下降傾向
2009年~2024年の国内のスマホOSシェアに目を向けると、同じくStatcounter Global Statsによる集計ではiOSのシェアは長らく7割前後をキープしてきました。逆にAndroidは国内で普及が進み始めた2011年ごろにシェアを伸ばすも、その後はむしろ低迷傾向にありました。
iOSの人気は明らかに大きく、たとえば2018年12月時点では国内で76.44%のシェアがありました。
しかし2024年9月時点では58.98%までシェアが下降しています。時期によってシェアの増減はあるものの、数年というスパンで見れば「下降傾向」にあります。iOSの低迷の代わりに伸びているのはAndroidであり、Linux系のスマホOSが取り立てて大きくシェアを伸ばしているといったデータはありません。
2018年ころのiPhoneシリーズの状況
2018年ころを皮切りにiPhoneのシェアが「じわじわと下降を始めた」と考える際、やはりこの時期にリリースされた主なiPhoneシリーズを再度チェックすべきでしょう。
・iPhone XS:2018年発売
・iPhone 11:2019年発売
・iPhone 12:2020年発売
このうち、iPhone XSは市場からの端末そのものへの評価は高かった一方で「高い」という批判が相次いだ端末でもあります。歴代iPhoneの、iPhone XSまでの主な価格一覧は以下の通りです。
「iPhone X」から一気に高くなっているのは明らかであり、続くiPhone XSもさらに値上がりしており「高い」という印象が強いです。
iPhoneの高価格化が一気に進んだことから「次の買い替えタイミングではiPhoneではなく、お手頃なAndroidに機種変更しよう」と決めた方が一定数存在し、その影響で5年程度かけてじわじわとiPhoneのシェアが減退してきた可能性があります。
高価格化に見合う新機能や魅力をアピールしきれていない可能性も
iPhone自体が「高価格化」に見合う新機能や魅力をアピールしきれていない可能性もあります。たとえばiPhone 12の場合、4モデルすべてが5Gに対応していましたが、発売当初の2020年は5Gは全国的にまったく普及していなかったと言っても過言ではありません。またチップ性能の改善やカメラ性能の改善は興味深い内容でこそあっても、10万円以上する端末を短期で買い替えるほどのトピックかと言えば何とも言えない側面もあるでしょう。
またAndroidスマートフォンが急速に性能を向上させ、コストパフォーマンスの良さに加え、カメラ性能や電池持ちなど実用的な面で競争力を高めていったことも、iPhoneの相対的な魅力低下につながった可能性があると言えるでしょう。今後、AppleがiPhoneの価格設定や機能面でどのような戦略を取るのか、そしてそれがシェアにどのように影響するのか、注目が集まります。
※サムネイル画像(Image:Yasu31 / Shutterstock.com)