iPadの中古品を買うのは「やめとけ」? 中古iPadの選び方や購入時の注意点

2024年10月、3年ぶりに加わるiPad miniシリーズの新製品として「iPad mini(A17 Pro)」が登場しました。プロセッサにはA17 Proが採用され、「Apple Intelligence」への対応も予定済みです。一方で「miniシリーズはお手頃で購入しやすい」というイメージをお持ちの方にとって、ややハードルがあるのが「価格」ではないでしょうか。

「iPad mini(A17 Pro)」のWi-Fi + Cellularモデルの価格は以下の通り。

・128GB:104,800円
・256GB:120,800円
・512GB:156,800円

キーボードを接続すればPC代わりとして使用できるほど高性能な一方、新品の「iPad」は、安価なノートPCを購入するよりも価格が高いのが現状だと言えるでしょう。価格がネックで購入を迷っている人にとって選択肢となるのは、中古品のiPadではないでしょうか。そこで、この記事では中古のiPadを購入するときの注意点やおすすめできる中古モデルについて解説します。

iPadの中古でよく選ばれる人気モデル例と価格の目安

中古市場でロングセラーとなっているiPadのモデルは多種多様ですが、一例としては「iPad(第10世代)」と「iPad Air(第5世代)」が挙げられます。ちなみに新品価格は、iPad Air(第5世代)が最低価格92,800円(税込)、iPad(第10世代)が58,800円(税込)。

iPadの中古でよく選ばれる人気モデル例と価格の目安1

(画像は「Apple公式サイト」より引用)

たとえば中古市場ではiPad Air(第5世代)が60,000円強ほど。iPad(第10世代)が50,000円ほどとなっています。

CPU性能が最新モデルに大きく劣るのでは?

もっとも2024年10月に発表されたiPad miniに搭載されている「A17 Pro」はモバイル端末向けのCPUとしては極めてパワフルです。

たとえば内蔵GPU付のCPU(APU)であるRyzen 5 5600Gと、Passmarkスコアを比較すると以下の通りです。ちなみにRyzen 5 5600GはAPUとしてはエントリーモデルかつロングセラーに該当します。解像度や各種設定を落とせばPC向けのリッチなゲームが「そこそこ遊べる」APUだと言えるでしょう。

CPU性能が最新モデルに大きく劣るのでは?

・Passmarkスコア
Apple A17 Pro:12258
Ryzen 5 5600G:19876

Apple A17 Proはモバイル向けチップでありながら、デスクトップ向けのAPUに対してかなり健闘している数値です。「APU搭載のノートパソコンなどでプレイできるSteam向けゲームは、iPadでもヌルヌル動く」未来がそう遠くないと感じさせるほどの性能です。

たとえば筆者はVFXなども趣味ですが、iPadで映像編集をする場合は2024年現在は「簡単なエフェクト程度」しかできないというのが素直な感想です。しかしA17 Pro及びA18 Proチップを搭載した端末であれば、高度なエフェクト処理などもiPad内で十分にできるのではないかと期待をしています。

古すぎるモデルは避けた方が無難1

(筆者撮影)

こうしたモバイル向けチップの進化はここ数年で急激に強まっています。裏を返せば「PC向けのAPUに迫る」レベルのチップ性能を、数世代前の中古iPadに求めることは難しいでしょう。

つまり中古iPadに「何を求めるか」は明確にしておくこともおすすめします。たとえば、Webサイトの閲覧、動画の視聴、ゲーム、電子書籍、音楽を聴くといった用途であれば、旧モデルのiPadでもストレスを感じることなく、利用することができるでしょう。

新品より「コスパが良い」買い物になる場合も

Webサイトの閲覧や動画視聴が主な用途であるならば、中古iPadは「コスパが良い」買い物にはなり得ます。たとえばiPad(第10世代)は、新品ならば58,800円~(税込)の価格帯です。大手中古販売店「イオシス」で中古モデルを購入する場合、2024年10月現在のiPad(第10世代)中古Aランクの価格は49,800円(税込)で、1万円ほど安価に手に入れることができます。

古すぎるモデルは避けた方が無難

中古販売店では非常に古いモデルのiPadを店頭に並べているケースも多いです。たとえば2014年発売の機種であるiPad mini 3などは、2024年現在でもたまに中古で店頭に並ぶことがあります。

しかし「古すぎる端末」はバッテリーの劣化などの問題を抱えている可能性があり、加えてiPadのOSアップデートの対象からも外れていると考えられます。よって避けた方が無難です。加えて中古のiPadを購入する場合、前の所有者がどの程度のペースで端末を使用していたかによってバッテリーの持ちが大きく変わってきます。

バッテリーの劣化・寿命が気になる1

(画像は「Apple」公式サイトより引用)

たとえばiPad Air(第5世代)のWi-FIモデルの場合、Appleにバッテリー修理を依頼したときの見積額は20,800円(税込)。AppleCare+に加入している場合は無償での修理が可能ですが、中古の持ち込み端末がAppleCare+に加入できるかは「微妙」なところ。

中古品を購入したとしてもバッテリー交換で20,800円の修理費用が早期にかかる可能性がある点は要注意。「やっぱり分割払いなどで新品のiPadを買い、AppleCare+に入るほうが良い」というのも1つの考え方です。

「中古iPad」の選び方

総じて「中古iPad」はA17 ProやA18 Proのチップで顕著となった「デスクトップ向けAPUに肩を並べる勢いでの、急激な性能上昇」には対応していません。「最新モデルならではの高性能さ」を求めておらず、あくまで通常の用途であれば中古・型落ちでも、性能的には十分といったところです。

繰り返しではありますが「日常的な範囲」での利用であれば、中古iPadの購入は健闘の価値があります。そのうえで端末を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。

チップ性能:基本的に「4~5年以内に発売された端末」を選ぼう

チップ性能の面から見て、中古iPadは基本的に4~5年以内に発売されたモデルを選ぶのがおすすめです。たとえば筆者私物のiPad Air(第3世代)は2019年発売。A12 Bionicチップを搭載しており、中古や型落ちでもネットサーフィンや動画視聴、外出先でのちょっとした作業といった用途には十分な性能を有しています。

あくまで普段使いの場合 | 中古・型落ちでも普段使いには十分高性能1

(筆者撮影)

もちろんKindleでの読書も快適。「読書や勉強の用途」にお手頃な中古iPadを買うのは筆者個人としては強くおすすめです。

一方で繰り返しにはなりますが、iPad Air 3に「A17 Proの搭載端末」レベルの性能はありません。高性能を求めるならば、やはりA17 ProかA18 Proを搭載した端末を分割払いなどで購入することもおすすめします。

OSサポート期間を重視する場合

OSサポート期間の面から見ても、中古iPadは4~5年以内に発売されたモデルを選ぶのがやはりおすすめです。

iPadはOSのサポート期間が長いのが特徴で、中古で買った端末のOSサポート期間も長めです。iPadOSの大型アップデートは年に約1回あり、アップデートは平均7世代ほどに対応。リリースから4~5年程度はOSのサポートを受けられる可能性が高くなっています。

OSサポート期間を重視する場合 | iPadはOSサポート期間が長め1

ちなみに筆者私物のiPad Air 3は前述の通り、2019年発売。発売から5年が経ち、筆者が中古で購入してからも数年経過しますが、iPadOSのバージョンは18.0に更新できています。バッテリーもまだまだ現役で、快適に使えています

前の所有者がApple Careに加入している場合は「名義変更なしで利用可」

「裏ワザ」的な内容にはなりますが、中古店の店頭で「前の所有者がAppleCareに加入しているiPad」を見つけた場合は、迷わず購入してしまうのも一案です。実は中古で購入したiPadの前の所有者がAppleCareに加入していた場合、その端末を買った次の人は名義変更なしで保証を利用できます。

前の所有者がApple Careに加入している場合は「名義変更無しで利用可」1

(画像は「Apple」公式サイトより引用)

つまり、前の所有者が加入していれば、中古品を購入したあとも、AppleCareの特典をそのまま受けることができるということ。端末の状態が悪くても、AppleCareの修理サービスを利用すれば新品同様になる可能性があります。

なお、その端末がAppleCareの対象かどうかは、Apple「デバイスの保証状況の確認」ページよりデバイスのシリアル番号を入力することで確認可能です。

前の所有者がApple Careに加入している場合は「名義変更無しで利用可」2

(画像は「Apple」公式サイトより引用)

その端末が運よくAppleCareの対象ならば、名義変更なしで保証を利用できるので多少端末の状態が悪くとも迷わず買ってしまっても問題ないでしょう。

キャリア版中古iPadを買う際は「ネットワーク利用制限」に注意

中古iPadの場合、まれに「ネットワーク利用制限」なっている端末、いわゆる「赤ロム」の端末がまぎれていることがあります。

これは元の所有者が端末料金を未払いにしていたなどの理由で、通信会社から利用制限をかけられている状態です。SIMフリー版のiPadの購入ならば気にならない内容ですが、キャリア版iPadを中古で買う場合には注意が必要です。

キャリア版中古iPadを買う際は「ネットワーク利用制限」に注意1

中古端末販売業者で購入する場合、中古端末に「ネットワーク利用制限」がかかっていた場合、交換もしくは全額返金を謳っていることが多いです。そのため「赤ロム」が不安な場合は、フリマアプリなどで買うのではなく「専門店」で購入することをおすすめします。

今回は「中古iPad」の選び方を解説しました。繰り返しではありますが、2024年10月に登場した「iPad mini(A17 Pro)」の搭載チップは「あと一歩で、PCゲームがある程度快適にプレイできる」レベルの高性能です。

そして主に発売から数年経つ端末が主に取引されることが多い「中古iPad」の市場には、そのレベルのチップを搭載した端末は出回っていないのが現状です。iPad miniの新作登場が3年ぶりとなったように、iPadの製品寿命が長めであることも一因でしょう。

つまりチップ性能を求めるならば、やはり最新のiPadシリーズを購入することをおすすめします。一方でウェブサイト閲覧や読書、動画視聴が主な用途であればおおむね4~5年以内に発売された端末であれば、どれを選んでも一定の満足度があり、なおかつOSサポート期間の範囲内でもあると考えられます。

※サムネイル画像(Image:Claudio Caridi / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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