知らない番号から電話がかかってきたとき、「誰からだろう?営業電話か?詐欺電話か?」と不審に思うことはないだろうか。犯行に利用される電話番号にはトレンドがあり、最近の動向を知っておくと対策が立てやすい。そこで特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供する株式会社トビラシステムズが調査した「特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート」を見ていこう。
迷惑電話の約6割が国際電話番号
トビラシステムズが2024年9月1日〜30日の間に、迷惑電話番号として自社のデータベースに登録された番号の種別割合を調査した。すると前月に減少した国際電話番号が60.6%(前月比+18.4%)と再び増加した一方、前月に急増した固定電話番号の割合は6.1%(前月比−28.9%)まで減少した。
特殊詐欺に利用されるケースが多かった050から始まるIP電話番号は、携帯電話不正利用防止法の改正で2024年4月から契約時の本人確認義務が必須となり、犯行における利用が減少傾向に。代わって国際電話番号を用いた詐欺電話が主流となっている。
詐欺電話だと分かれば、すぐに切ればよいと考える人もいるだろう。しかし、犯罪グループが無作為にワン切りして、折り返した人に高額な国際通話料金を支払わせる「国際ワン切り詐欺」が横行していることから、注意が必要だ。
被害に遭う確率を減らすためには、怪しい番号には出ないことが肝心だ。そこで昨今、国際電話詐欺でよく利用されている電話番号を確認してみよう。
国際電話詐欺の最多は北米地域番号、うち6割は「+1(844)」から始まる番号
トビラシステムズは、2024年9月に着信件数が多かった不審な国際電話の国番号も調査した。最も多かったのは、「+1」から始まるアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域で、次いでトルコ「+90」、イギリス「+44」、ルーマニア「+40」、オーストリア「+43」だった。また、「+1」から始まる番号で特に着信件数が多かった番号帯は、「+1(844)」が67.2%と半数以上を占めた。
犯罪の手法は多岐にわたるが、実在の企業をかたり架空の未納料金を請求する「架空料金請求詐欺」や官公庁をかたる詐欺など、信頼できる法人名を名乗り相手を信じ込ませる手法の詐欺には、特に注意を払う必要がある。
たとえば、末尾が「0110」の国際電話番号を使って、警察の電話になりすました「オレオレ詐欺」や総務省になりすます詐欺が急増している。先頭の国番号を除いた部分が実在する総務省の電話番号と一致するものもあり、ぱっと見ただけでは判断が難しい。
詐欺電話に遭う確率を下げるために、「+1」から始まる番号は基本的に出ないこと、着信履歴の番号を確認し、不審な場合は連絡しないことなどが挙げられる。ほかにも、各キャリアが提供している国際電話着信拒否サービスや迷惑電話を着信拒否できるアプリなど、さまざまな方法がある。
一度詐欺電話に出てしまうと、詐欺グループに「カモ」だとみなされ、何度もかかってくることがある。いくつかの手法を組み合わせ、効率的に迷惑電話を拒否することをおすすめする。
出典元:【トビラシステムズ株式会社】