現在、スマホには大きく分けてiPhoneとAndroidの2種類があります。世界的にはAndroidのシェアが高いのですが、なぜか日本だけはiPhoneのほうがAndroidよりシェアが高いのです。そこで今回は、iPhoneとAndoridにはどんな違いがあるのか? それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
まずはiPhoneとAndroidの違いをチェック!
世界のOSやブラウザ、モバイルなどの統計を行っている「Statcounter Global Stats」の24年10月時点のデータによると、世界的にはAndroidのシェアが71.12%でiPhoneのシェアは28.38%なのに対し、日本ではなんとiPhoneが59.17%でAndroidは40.8%と逆転しています。
最上級モデルは約25万円もする高価なiPhoneですが、日本では半分以上をiPhoneが占めているんですね。もちろん、今でもiPhone 8やXが現役だったりしますし、中古で古い機種を使っている人もいるので、みんなが高価なiPhoneを使っているとは言えませんが、これはいったいどういうことなのでしょうか?
そこで、今回はまずiPhoneとAndroidの違いを確認し、その後両機種のメリット&デメリットを比較して、どちらがいいのか検討してみます。
●Statcounter Global Stats(公式)は→こちら
iPhoneとAndroidは何が違うのか?
iPhoneとAndroidはどちらもスマーフォンですが、いったい何がどのように違うのでしょうか? まずは基本的な違いを確認していきましょう。
【1】搭載している「OS」が違う
まず、iPhoneとAndroidはOS(オペレーティングシステム)が違います。iPhoneはAppleが開発したiOSが搭載されており、AndroidにはGoogleが提供するAndroid OSが使われています。これによって、両者の操作性は大きく異なっているのです。
【2】販売メーカーが違う
iOSを採用しているスマホはAppleが販売するiPhoneのみですが、Android OSを採用しているスマホは数多くのメーカーが発売しています。Googleの“Pixel”を始め、韓国の「SAMSUNG」、中国の「OPPO」「Xiaomi」「Huawei」、日本では“Xperia”でおなじみのソニーや“AQUOS”を販売するシャープなどがあります。
これは、AppleがiOSを他社に提供していないのに対し、GoogleはAndroid OSをオープンソースとして他社にも提供しているからです。
iPhoneはどの機種でもiOSが採用されているので、モデルが変わっても操作感はほとんど変わりません。しかし、Androidはメーカーが独自にOSに手を加えているので、たとえば、AQUOSとOPPOではUIや設定画面などがかなり異なっているのです。
【3】販売価格や種類が違う
最新のiPhone 16には「16」「16 Plus」「Pro」「16 Pro Max」の4種類しかなく、いちばん安い16の128GBモデルでも12万4,800円しますし、16 Pro Maxの1TBモデルは24万9,800円もします。
これに対して、Androidは各メーカーが独自に開発しているため、デザインや機能などが大きく異なるモデルが多数あります。
また、Androidは安いものでは1万円台から購入できますし、なかには、SAMSUNG「Galaxy Z Fold6(1TB/12GB)」のように30万円超の機種もありますが、通常は高くてもせいぜい10~15万円くらいです。
もちろん、価格に関してはiPhoneも現在はキャリアの「いつでもカエドキプログラム(ドコモの場合)」といったシステムで、2年後に返却する条件により安く使うこともできますし、旧機種を下取りに出せば、さほど買い替えの負担にはなりません。
iPhoneのメリットは?
iPhoneとAndroidの大まかな違いが分かったところで、まずはiPhoneのメリットから確認してみましょう。これはAndroidのデメリットにもなります。
【1】マニュアルがなくても操作できる
iPhoneにはマニュアルがありませんが、初めてでも直感的に操作できるのが大きなメリットです。とくに、ホームボタンを押せば、すぐにホーム画面に戻れるのは安心感がありますよね。
もちろん、現在ではホームボタンがあるiPhoneは少数派で、いよいよiPhone SE4では廃止されると噂されていますが、それでもiPhoneの操作性はかなりいいと言えるでしょう。
もちろん、Androidもミドル機以上ならiPhoneに負けないくらいサクサクで操作感もいいのですが、格安のエントリーモデルのなかには、あまり操作性がよくないモデルもあります。
【2】機種変更しても操作感が変わらない
iPhoneを長く使っている人は、数年おきに機種変更しても、以前のモデルと同じように新機種を使える安心感があります。
たとえば、最新版iOS 18は2018年9月発売のXR/XSや2020年4月発売のSE2までアップデートに対応していますので、今後、最新モデルのiPhone 16に乗り換えてもまったく同じように使えるのです。これって、何げに凄いことですよね。
もちろん、iPhoneのiOSをアップデートすると、一部の機能が急に変わったりして戸惑うこともありますが、それも慣れてしまえば大丈夫でしょう。
これに対し、Androidはメーカーや機種ごとに操作性が大きく異なっており、同じメーカーでも新型に機種変更すると戸惑う場合もあります。
【3】iOSのセキュリティサポートが長い
iOSは毎年9月ごろ、iOS 17→iOS 18のようにメジャーアップデートされ、そのタイミングで新しいiOSにアップデートできない機種も出てきます。
たとえば、iPhone X以前の機種はiOS 18に非対応ですが、それでも安全に使えなくなるかと言われれば、そんなことはありません。
実は、2024年7月にはセキュリティアップデートの「iOS 15.8.3」が提供されていますが、これはiPhone 6s/7/iPhone SE(第1世代)などが対象で新機能の追加などはないものの、適用させることでセキュリティの問題を解決してくれます。
つまり、9年前に発売されたiPhone 6sでも、セキュリティ的にはまだ安心して使い続けることができるんですね。
これに対し、AndroidのGoogle Pixel 8シリーズのOSアップデートは、発売から7年間とされています。しかし、これは例外的な感じで、通常のAndroidのアップデートはせいぜい3~4年ほどしか対応しません。長く使えるという意味ではiPhoneのほうが優位でしょう。
【4】セキュリティが強固
iPhoneはiOSのソースが公開されていませんし、App Storeの管理もしっかり行われているため、セキュリティに関してはかなり強固だと言われています。
これに対し、Android OSはソースがオープンになっているので、OSを独自に改良したりアプリの開発も容易にできるメリットがあるのですが、その反面どうしてもセキュリティ的にはiOSより弱くなってしまうのです。
【5】アクセサリの種類が豊富
日本のスマホで半分以上のシェアを占めるiPhoneは、単一機種のユーザー数が多いため、アクセサリの種類が豊富であることが挙げられます。
たとえば、ケースや保護フィルムなどは100均でも大量に売られていますし、それ以外のアクセサリ類もiPhone用はかなりの種類が売られています。
これに対し、Androidは機種が多すぎて飛び抜けて売れている機種がありません。そのため、100均などではAndroid用ケースやアクセサリは販売されていないのです。
もちろん、Amazonなどで探せば中国製スマホ用でも対応するケースを探せますが、iPhoneほどの自由度はありません。
なお、iPhone 14以前のLightningケーブルに関しては、汎用性の高いUSB-Cを使用するAndroidのほうが優位だったのですが、iPhoneも15以降はUSB-Cを採用したので、今ではそのデメリットも解消されています。
【6】修理ショップが多い
最近は街のスマホ修理店も増えましたが、やはりiPhoneの場合はユーザー数が多いので、iPhoneの修理に対応できないショップはありません。
しかも、iPhone用のパーツはサードパーティの製品も含め、かなり豊富なのですぐに対応してもらえます。
ところが、Androidの場合はよほどメジャーな機種でないと、その場ですぐにはバッテリー交換できないこともよくあります。もちろん、メーカー修理に出せばいいのですが、その間は1週間ほどスマホが使えなくなるのが困りものです。
【7】Appleにはブランド力がある
Appleの製品はiPadやMacなども含め、デザイン的に非常に洗練されており、多くのファンを惹きつけています。
そのため、なんとなくiPhoneのほうがカッコいいと思っている人が多く、とくに日本では若い女性の間で「周りと同じiPhone(ブランド)でないと仲間外れになる」と感じることもあるようです。
これに対し、Androidでそこまでのブランド力を持っている機種はなく、ソニーのXperiaですら、こだわって使っている人は少数派でしょう。最近、ようやくテレビCMの影響でGoogle Pixelが認知されてきた程度です。
日本でiPhoneユーザーが多いのは、実はこの“ブランド力”がもっとも大きい要因なのかもしれませんね。