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キャリアの携帯ショップは減る一方? ドコモが表明した「ショップ3割減」のその後

格安SIMより比較的料金が高い大手キャリアを契約し続ける理由のひとつとして、しばしば「実店舗でのサポートが手厚い」ことが話題に上りがちです。しかし2024年現在、キャリアのショップは減少傾向と再編が顕著です。

その最大のきっかけは、ドコモによる「ドコモショップ3割削減」の表明(※2022年発表)です。この「ドコモショップ3割減」の発表から数年が経ちましたが、キャリアの携帯ショップの「いま」はどうなっているのでしょうか?

「ドコモショップ3割減」について

まず冒頭でも述べた通り、キャリアの携帯ショップの減少傾向を象徴するのが「ドコモショップ3割減」の発表です。

「ドコモショップ3割減」について1

(画像は「ドコモ」公式サイトより引用)

ドコモは2022年5月、2025年度までに全国のドコモショップを約3割削減する方針を発表。全国約2300店舗のうち約700店舗が削減対象となり、2024年12月はいままさにその真っ只中にあると言えます。その背景には、やはりオンライン専用プラン「ahamo」の普及などが挙げられるでしょう。

「ahamo」に申し込む場合でも、他の格安SIMキャリアに申し込む場合でも「実店舗の携帯ショップ」に足を運ぶ機会は激減していると言えるのではないでしょうか。

再編が続く「キャリアの携帯ショップ」

「ドコモショップ3割減」に伴い、キャリアの携帯ショップの運営企業では「再編」が続いています。まずキャリアの携帯ショップは直営とは限らず、フランチャイズ加盟した販売代理店が運営しているケースがあります。

再編が続く「キャリアの携帯ショップ」1

(画像は筆者作成:ロゴマークは各社公式サイトより引用)

そして2024年9月には、携帯電話の販売代理店で国内大手のティーガイアが米ベインキャピタルにTOB(株式公開買い付け)されました。ティーガイアはドコモやKDDI、ソフトバンクなどの販売代理店であり、キャリアショップの運営を手がけていました。

実際、ティーガイアは2021年3月から2024年6月にかけて店舗を2割減少させ、5月には希望退職者を募るなど、人員整理を行っていました。また、2023年3月期の営業利益は前年比33.8%減となっています。背景にあるのはやはり携帯電話の店頭での端末販売の停滞と思われます。

すでに息絶えてしまった「携帯ショップ」も存在する

2022年12月には、家電量販店のノジマが、携帯販売代理店で業界3位のコネクシオの完全子会社化を発表。「業界再編」の動きの一環と言えるでしょう。

また2022年10月には埼玉県に本社を置いて携帯ショップを運営していたトーツーが特別清算の開始決定を受けて経営破綻しました。同年9月には、熊本県のニーズワンが破産手続き開始決定を受けています。

つまり携帯キャリアの「本部」はオンライン申し込みの強化や料金プランの見直しなどを進める一方、これまで実店舗での契約獲得を行っていた「代理店」はM&Aの対象となったり、経営破綻してしまうケースが増えていると言えそうです。

携帯ショップの店頭サポートは相次いで有料化

このような再編が続いている携帯ショップでは「店頭サポート有料化」の動きも見られています。

auの場合

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(画像は「au」公式サイトより引用)

たとえばauの場合、有償の「店頭サポート」を定額プランと都度払いの2種類で提供。どちらもアカウント設定やデータ移行、アプリの利用設定、スマホへの保護シート貼り付けなど、幅広いサポートが提供されています。定額サポートは月額 1,078円です。

ドコモの場合

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(画像は「ドコモ」公式サイトより引用)

ドコモは「あんしん店頭サポート」という対面サポートサービスを用意しています。

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(筆者撮影)

このサービスは、スマホの操作方法やアプリ設定に関する不安や困りごとを、店頭でスタッフが対面でサポートするものです。料金プランは3種類あり、月額550円で月2回利用可能な「定額ミニプラン」、月額990円で月内無制限利用可能な「定額プラン」、1回3,300円の「1回プラン」が用意されています。各プランとも1回あたり最大30分のサポートを受けられます。

ソフトバンクの場合

ソフトバンクは「店頭スマホサポート」という店頭サポートサービスを用意しています。プランは「フルプラン」(月額990円)と「ライトプラン」(月額550円)の2種類があり、フルプランではデータ以降やフィルム張り、コーティングなどに対応。ライトプランではそれ以外のスマホ初期化や生体認証設定、アカウント設定、メール設定などに対応しています。

キャリアの携帯ショップでの「無料サポート」などは今後期待できない?

「携帯ショップ」が大がかりな再編の時期にあることは事実であり、たとえばドコモは携帯ショップ3割削減の方針を掲げるのと並行するように、オンライン申し込みに特化した「ahamo(アハモ)」の展開を大きく拡大しています。

そして携帯ショップの店頭サポートは有料化が進んでいます。今後、キャリアの携帯ショップの実店舗は「数が減少する」か「端末の申し込み場所、もしくは有料サポートを受けに行く場所」へと位置づけが変わり、スマホについて分からないことがあった際に「気軽に問い合わせができる場所」ではなくなるかもしれませんね。

※サムネイル画像(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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