iPhoneのWi-Fi規格は機種ごとに違うって知ってた? 古いiPhoneだとWi-Fi速度も遅い?

最新のWi-Fi規格は「Wi-Fi 7」ですが、自分のiPhoneがいったいどこまで対応しているかご存じですか? Wi-Fiは新しい規格のほうが高速になるので、Webサイトの表示やダウンロードの時間などがかなり違います。そこで今回は、iPhoneのモデルごとにどのWi-Fi規格に対応しているのか解説しましょう。

iPhoneは機種によって対応するWi-Fi規格が異なる

iPhoneは機種によって対応するWi-Fi規格が異なる

こちらが、iPhoneのWi-Fi対応表です。機種ごとに対応する規格が違います(表はApple公式サイトを基に筆者が作成)

iPhoneをネットに接続するとき、外出先ではSIMカードのデータ通信を利用しますが、自宅や会社などでは、Wi-Fiでネットに接続することが多いと思います。

Wi-Fiは高速で安定しており容量に制約がないので、動画を観るときなどは積極的に利用したいところ。これで、SIMカードのデータ通信量をかなり節約できますよね。

最近は5Gの回線速度もかなり速くなっているので、同じようにWi-Fiの速度も気になるでしょう。でも、自分のiPhoneがどのWi-Fi規格に対応しているか、意外と知らない人も多いのでは?

まず、2024年9月に発売されたばかりのiPhone 16シリーズは、最新Wi-Fi規格の「Wi-Fi7(11be)」に対応しています。

次に、iPhone 15シリーズではProモデルのみがWi-Fi 6E対応で、それ以外のモデルはWi-Fi 6対応となっています。また、iPhone 14~11とSE(第3世代/第2世代)もWi-Fi 6に対応しているんですね。iPhone X/8/7/6s/6/SE(第1世代)になると、さらに古いWi-Fi 5規格となっています。

もちろん、Wi-Fi規格は新しいほうがより高速になっていますので、このあと、もう少しWi-Fi規格について詳しく解説しましょう。

●Apple「AppleデバイスのWi-Fi仕様」は→こちら

Wi-Fi規格は世代が新しいとどのくらい速くなる?

そもそも、無線LAN規格は「IEEE(アイ・トリプル・イー・米国電気電子学会)」が定めたもので、正式名称は「IEEE 802.11」という名称です。

しかし、これでは一般ユーザーが分かりにくいということもあって、無線LANの普及促進を図る「Wi-Fi Alliance」という業界団体が、“Wi-Fi”ブランドを制定し、最近、無線LAN規格をWi-Fiの世代で表記することにしました。

まず、iPhone X/8/7/6s/6/SE(第1世代)が対応する「Wi-Fi 5」は、「IEEE802.11ac」規格に対応しています。こちらは、周波数帯に2.4GHzと5GHzを利用しており、最大速度は6.9Gbpsとなっています。

次に、iPhone 15/15 lus/14/13/12/11/SE(第3世代/第2世代)は「Wi-Fi 6」に対応しています。これは「IEEE802.11ax」という規格で、2.4GHz帯と5GHz帯を利用しており、最大速度は9.6Gbpsです。

そして、iPhone 15シリーズのなかでは、15 Pro/15 Pro Maxだけが「Wi-Fi 6E」に対応しています。「6E」の“E”は「Extend(拡張)」 のことで、2.4GHz帯と5GHZz帯に加え、新たに6GHz帯にも対応するのが大きな特徴です。

6GHz帯はチャンネル数も多く、まだあまり利用されていないので、電波干渉や混雑を避けられるというメリットがあるんですね。

最新のiPhone 16シリーズは全機種で最新の「Wi-Fi 7」が採用されました。こちらは、「IEEE802.11be」という規格になり、最大速度は46Gbpsと超高速です。

Wi-Fi 7も2.4GHz帯と5GHZz帯だけでなく6GHz帯にも対応しますが、6GHz帯の帯域幅を160MHzから320MHzに拡大していますし、2.4/5/6GHzの複数の周波数帯を同時利用できる「MLO」にも対応するなど、新技術で6Eよりも5倍近く高速化されているのです。

Wi-Fi規格は世代が新しいほうが速度も速くなる!1

Wi-Fi 7は2.4/5/6GHz帯を同時に利用できる「MLO」に対応しており、通信速度が高速化されるほか電波干渉にも強くなります(図は筆者作成)

Wi-Fi規格は世代が新しいほうが速度も速くなる!2

Wi-Fi 7では6GHz帯において帯域幅を2倍の320MHzに拡大。これによって、通信速度も2倍になります(図は筆者作成)

iPhoneだけが対応していてもダメ! Wi-Fiルータの対応規格も重要

ここまで、iPhoneがどのWi-Fi規格に対応しているのか? そもそもWi-Fi規格が新しとどのくらい速度が違うのか? について解説しました。

もちろん、最新Wi-Fi規格に対応したiPhoneのほうがいいに決まっているんですが、たとえば、Wi-Fi 7に対応するiPhone 16を購入したからと言って、それだけでWi-Fiの速度がすぐに速くなるわけではありません。

当然のことですが、Wi-Fiルータのほうも「Wi-Fi 7」規格に対応している必要があります。とはいえ、Wi-Fi 7対応ルータは発売されたばかりで非常に高価ですし、そもそも、自宅や会社の光回線が10Gbps以上の契約でないと速度は期待できません。というわけで、Wi-Fi 7はまだ普及していないので、現状では、ことさらWi-Fiの最新規格に固執することもないでしょう。

Wi-Fi 7対応のバッファロー「WXR18000BE10P」

こちらはWi-Fi 7対応のバッファロー「WXR18000BE10P」です。Amazonでの販売価格は6万4,980円とかなり高価です(24年11月現在)(画像はバッファロー公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はiPhoneがどのWi-Fi規格に対応しているのか、モデルごとで比較してみました。とにかく、Wi-Fi規格は分かりにくいので、これを機会に、ザックリWi-Fi規格がどうなっているのか覚えておくといいでしょう。

ちなみに、Wi-Fiは下位互換なので、もしWi-Fi 7に対応する機器なら基本的にWi-Fi 6やWi-Fi 5といった古い規格にも対応しています。したがって、iPhone 16ユーザーの場合は、自宅や会社がWi-Fi 7に対応していなくても、Wi-Fi 6(6E)、Wi-Fi 5などで接続できます。逆に、iPhone Xや8ユーザーは、会社や自宅がWi-Fi 7対応ルータであってもWi-Fi 5規格で接続することが可能ですので、安心してください。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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