スマホの料金はここ数年でグッと安くなりましたよね。それでも、5Gの無制限プランとなると、格安SIMやサブキャリアではなく、やはり大手キャリアの出番となります。そこで今回は、5G無制限プランを提供するドコモの「eximo(エクシモ)」と楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」のメリットとデメリットを解説しましょう。アナタはどっち派ですか?
格安SIMやサブキャリアには5G無制限プランがない!
自宅や会社にWi-Fiがある人なら、スマホのプランは月3GB~20GBもあれば十分でしょう。この場合、格安SIMやサブキャリア、ahamoやLINEMOといった大手キャリアのネット専用プランを利用することで、かなりスマホの料金は安くなります。しかし、自宅にWi-Fiがなくスマホのデータ通信のみで動画サイトもたっぷり視聴しようと思うと、どうしても5Gの無制限プランを契約するしかありません。
実は、格安SIMやサブキャリアなどで、5Gの高速回線で100GB以上の大容量プランを用意しているところは極端に少なく、5Gで無制限となると大手キャリアしか選択肢がありません。
そこで今回は、ドコモの「eximo」と楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」のメリットとデメリットを比較してみたいと思います。果たしてどちらがいいのでしょうか?
●ドコモ「eximo」(公式)は→こちら
●楽天モバイル「Rakuten最強プラン」(公式)は→こちら
ドコモ「eximo」の料金プラン
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」の料金プラン
ドコモ「eximo」のメリットは?
まず、ドコモ「eximo」のメリットを確認していきましょう。これは楽天モバイルのデメリットにもなります。ちなみに、電気通信事業者協会(TCA)のデータでは、ドコモの契約数は約9,018万件。日本の携帯電話契約総数は約2億1,177万件ですので、依然として日本ではドコモがNo.1キャリアとなっています(2024年9月末時点)。
●電気通信事業者協会(TCA)「携帯電話・事業者別契約数」は→こちら
【1】日本全国でつながる安心感がある
まず、ドコモは日本全国どこでもつながる安心感があります。総務省が2024年1月にリリースした「令和5年度携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について」によると、2023年度の基地局数はドコモの4G LTEが26万1,756でダントツの1位。楽天モバイルの4G LTEはわずか5万9,767にとどまっています。
●総務省「令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について」は→こちら(PDF)
実際、ドコモは4G LTEだけでも700MHz帯や800MHz帯のプラチナバンドのほか、1.5GHz、1.7GHz、2.0GHz、3.5GHzといった幅広い周波数帯に対応しています。もちろん、高速5G回線のSub6(3.7GHz/4.5GHz帯)やミリ波(28GHz帯)も運用していますし、2022年からは4G LTE向け周波数帯を5Gに転用する作業も行ってきました。
一方、楽天モバイルも現在では人口カバー率99.9%を謳っており、5G回線も運用しています。しかし、楽天モバイルの回線は4G LTEの1.7GHzだけでスタートしたので、当初はau(KDDI)の4G回線(800MHz・基地局数8万2,993)をローミングして月5Gまで無料で提供していました。その後、2023年6月にはauのローミング利用を無制限にしたことで、人口カバー率を一気に99.9%とした経緯があります。
2024年6月には楽天モバイルも新たに700MHzのプラチナバンドを獲得しましたので、現在ではもう少し接続状況もよくなっているはずです。しかし、どうしても地方や山間部ではつながりにくいエリアもありますので、事前に通信エリアマップを確認したほうがいいでしょう。
●楽天モバイル「通信・エリア」→こちら
【2】5G回線エリアが広くて速い!
スマホで動画サイトを視聴するには720pのHD動画で下り3Mbps程度、1080pのHD動画で下り5Mbps以上の速度があれば大丈夫です。しかし、さらに高画質な4K動画になると20Mbps以上が必要と言われていますので、できれば高速な5G回線を利用したいところでしょう。
その点、ドコモなら5G回線の強化も精力的に行っています。2023年時点の5G基地局数は約3万カ所で、最近ドコモが発表した「2024年度第2四半期決算について」によると、全国の5G回線のSub6エリアカバー率はドコモがNo.1になっています(24年10月29日時点・ドコモ調べ)。
また、全国のSub6基地局数を25年3月までに1.3倍に、4G周波数の5G基地局化は1.4倍にすることで都市部での5Gエリアを急速に拡大するとのことなので、5G回線に関してもドコモのほうが有利でしょう。
●ドコモ「2024年度第2四半期決算について」は→こちら(PDF)
もちろん、楽天モバイルでも5G回線の工事も進めており、2023年時点で5G基地局は約2万1,000カ所。4G回線ほどドコモとの差はないようです。その後、関東地方では当初予定の2.1倍に拡大しており、2024年9月末時点ではSub6だけで1万7,494の基地局を展開。8割で通信経路の安定化や高速化を図る技術「MassiveMIMO」を採用しているといいます。
●楽天モバイル「楽天モバイル、関東地方の5G(Sub6)エリアを当初予定の最大1.6倍を超えて2.1倍にまで拡大」は→こちら
【3】ドコモショップが日本全国にあってサポートが受けやすい
大手キャリアの店舗数は年々減ってきていますが、MCAのプレスリリースによると、それでも23年8月時点でドコモショップはまだ全国に2,088店舗もあります。これに対し、楽天モバイルは単独店が約300店舗、郵便局や量販店などの店舗網を含めると、約1,000カ所にとどまっています。
●MCA「【調査結果】キャリアショップ数はこの半年で220店減の7574店に、ドコモショップは85店の大幅減を記録」は→こちら
最近はドコモショップのサポートには事前予約が必要で、内容によってはお金を取られるので、昔ほどの手厚いサポートは期待できません。現在、トラブル時のサポートは有料の「あんしん店頭サポート」プランに加入していないと、1回3,300円のサポート料金を取られてしまうんですね。
それでも、デジタルに弱い高齢者にとっては、近所のドコモショップが生命線ですので、これは大きなメリットと言っていいでしょう。
●ドコモ「あんしん店頭サポート」は→こちら
【4】「eximoポイ活」で実質料金は楽天モバイルより安くなる!
ドコモでは、24年8月にスタートした「eximoポイ活」キャンペーンも見逃せません。eximoポイ活キャンペーンで用意されているプランは、通常のeximoプランとは違い、最初から無制限のフラットプランで月額料金は1万615円と高めです。
しかし、通常のeximo同様に「みんなドコモ割」「ドコモ光/home 5Gセット割」「dカードお支払割」が適用されるので、割引後の月額料金は8,228円に。さらに、「eximoポイ活決済特典」が最大5,000ポイント還元(税込5,500円相当)されるため、フルに活用できれば、なんと月額料金を実質2,728円まで下げることができるんですね。
キャンペーン期間中のポイント還元率は10%で、これとは別にdカード支払いのポイントが1%還元されるので合計11%になります。ただし、5,000ポイント還元を受けるには毎月5万円分の決済が必要になりますので、その点はご注意ください。
もちろん、実際にeximoポイ活をフル活用できる人は限られていると思いますが、楽天モバイルの無制限時の月額料金よりも安くできる可能性もあることは覚えておきましょう。
●ドコモ「eximoポイ活」は→こちら
【5】ドコモメールが使える
今では、LINEやSNSで連絡を取っている人が多いので、これはさほど大きなメリットとは言えませんが、eximoなら「@docomo.ne.jp」のいわゆるドコモメールを無料で使えます。ガラケー時代からドコモを長年使っている年配者のなかには、今でもドコモメールを使っている人がいるので、それが他キャリアに乗り換えられない原因になっているかもしれません。
ちなみに、同じドコモのahamoに乗り換えてもドコモメールは使えますが、月額330円の「ドコモメール持ち運び」オプションに加入する必要があります。